障がい児育児・療育

NICUに入院中のお子様を持つお母様に伝えたい事

 こんにちは。大阪こどもリハ訪問看護ステーションの中野です。

 私は先天性の心疾患を持ち生まれてきました。

 入院先の先生から、手術せなあかんと言われ続け、とうとう手術をせずに経過観察のまま今に至ります。

 私からすれば、不幸中の幸いですが、母からしたら気が気でない状況で、自分自身を責めて苦しんだこともあるようです。運動発達にも若干の遅れがあり、ボイタ法というリハビリテーションを受け、ギャンギャン泣くのを見るのも辛かったそうです。

 私の場合、運良くその他の健常だった赤ちゃん達と同じように社会生活を送っています。

 ですが、NICUに入院中のお子様の中には、重度の重複障害を持ち、医療的ケアが永続的に必要な方もいらっしゃいます。

 恐らく私の母親が感じていた以上のストレスをお抱えの事と思います。

 そんなストレスを抱え、今後の生活を不安に思われているお母様方にいくつかお伝えしたいことがありますので、少しだけ私に時間を頂けないでしょうか。

別に母親を恨んだりしないよ!

 私は、小学校の3年生頃まで病弱な子どもとして育ってきました。小児科に通うのは毎月の事、高熱で長期間休むことも多かったです。

 マラソン大会は出走したものの下から3番、水泳の授業は見学というような幼少期を送りました。

 3年生から始められる少年野球チームにも4年生からしか入らせてもらえないなんてこともありました。

 しかし、私はだからと言って母親を恨んだりするような事は一つもありませんでした。まだまだ幼かったので母親に大変な思いをさせているなんてことも思っていませんでしたが、幼いなりに自分の身体の事を受け入れていたように思います。

 先天性の疾患を持ち、生まれた時から(親からすれば)大変だった自分は、別に他人と比べて悔しがる事もなかったですし、卑下することもありませんでした。

 このブログをお読み頂いているお母様方には是非とも安心していただきたいのです。お子様は決してお母様に感謝こそしないものの、恨んだりはしません。

責任なんて感じないで欲しい!そんな事より産んでくれて本当にありがとう

 私は母親から当時の心中を聞かされた時、とても切ない気持ちになりました。

 自分のせいで、母親をこんなにも苦しめていたのか…。と。

 とあるきっかけがあり一度だけ、母に心から感謝と謝罪を伝えたことがあります。

 「私のせいで、お母さんを苦しめて、大変な思いをさせて本当にごめん。こんな私をここまで育ててくれて本当にありがとう。」と。

 自然とお互い、涙を流していました。

 私の心臓は今でも正常ではありません。ですから、無理は控えるようにしています。

 もしかしたら、自分の家族を残して早死するかもしれません。(今のところそんな心配いはありませんが…。)

 ですが、そのことで母親を恨むこともありませんし、母親が責任を感じる必要も全くありません。私はそのお陰で一分一秒を大切に生きられています。

 NICUに入院し、重度障がいをお持ちのお子様は恐らくお母様に対して「ありがとう」と伝えられる日は来ないかもしれません。ですが、きっと私と同じように産んでくれた感謝を胸に生きていかれると思います。

 結果的に健常に生まれた赤ちゃん達と大差ない生活をしている私の言葉ですから、すんなりと受け入れられるものではないかもしれません。

 ですが、きっとお子様もそう思っておられると思います。

責任感じる前に、育児して!

 さて、お子様がどれだけハイリスクな状態だろうと、健常だろうと、出産の後訪れるのは育児です。

 重度の障がいを持って生活するお子様を育てていくというのは、とても大変なことです。

 私も仕事柄、多くのお母様方のお話も聞きますし、厚生労働省などが調べたデータを目にする機会もあります。

 睡眠時間が少なかったり、常勤就業率が低かったりとお母様自身の生活が削られてしまいます。

 お風呂に入れたり、おっぱいあげたりだけを学んで帰るお母様方と違い、医療的なケアについても退院前に学んで帰る必要があります。

 そして、お子様はそんなお母様の育児を必要とされています。

 もちろんショックは大きいと思います。悲しんでる場合か!なんて事は決して言えませんし、責任を感じてしまうこともあるでしょう。ですが、お子様が欲しているのはお母様の育児です。

 小さな手で、小さな口で、求めているのはお母様です。

 是非育児に目を向けて下さい。NICCの看護師さんや、退院支援の看護師さん、そして私達はお母様・お父様とお子様が生活される地域でしっかりとサポートさせて頂きます。

 お母様が育児に専念できる、お手伝いを精一杯させてもらいます。決して一人ではありませんから、一緒にお子様の成長を見守りましょう。

おわりに

 私は父親歴がもうすぐ6年になります。

 6年も一緒に暮らしていますし、私自身育児には積極的に関わっている積りです。自称イクメンですから。

 しかし、それでも母親には勝てません。

 母親に怒られる度に私が慰めたりしているのに、私よりも母親が大切です。

 これは私が主夫で、母親が働いていたとしてもそうなんだろうなぁと思います。お子様にとってお母様というのはかけがえのない存在なのでしょう。

 そんなお母様とお子様の健全な成長を願って私達もサポートさせて頂きます。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします