予防医学

予防医療は医療費の削減ではなく豊かな社会作りに貢献する!

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 先日、予防医学は医療費の削減には繋がらないという記事を読んだ。

参考:予防医療では総医療費は減らせない

 確かに仮に長生きする人が増えれば、その分医療費はかさむだろうし、医療費の削減には貢献しないかもしれない。

 この記事では、がん検診やメタボ・ロコモ検診等が挙げられていたが、ボクはもう少し広い意味で予防医学を捉えている。

 今回は予防医学がどのような形で社会貢献に繋がるか?についてシェアしたいと思う。

予防医療の経済効果

 現在、日本は未曾有の少子高齢社会である。このまま少子化が進めば医療保険制度も介護保険制度もどこかに無理が出て来る。

 少子化による支え手の減少が原因である。

 しかし、予防医療により支えられ手の減少は見込めると思う。支えられ手が減少すれば支え手の数は少なくても済む。また、支え手を増やす方法は何も少子化に歯止めをかけることだけではない。

 定年制度を廃止したり、元気な高齢者には働いて納税してもらえば良いわけだ。

 これからの年金制度に期待はできない。どこかのタイミングで破綻するだろう。そしたら否が応でも働かざるを得ない。働いて一定以上の所得があれば年金は支給されないし、納税もされる。経済効果を医療費だけで考えるのではなく、もっと大きな視点でみれば予防医療に予算を組む価値はあるのではないかとボクは思う。

 しかし、それは予防医学・予防医療を現在の制度のあり方で小さく捉えた時の話。ボクはもっと視野を広げて医療とか、経済効果だけではなく大きな視野で見ていく必要があると考えている。

予防医療は元気で長く、幸せに生きることの応援

 予防医学・予防医療というと、何だか限られた分野の何かのように思えるが、そうではない。

 予防医療は元気で長く、幸せに生きるための応援であると捉えることができる。

 そして、予防を「疾病予防」という小さな枠で捉えるべきではない。

 WHOが定義している健康とは以下の通り。

健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会訳) 引用元:日本WHO協会

 そして、予防医学・予防医療とは、この健康を守る、促進する為の全ての手段だと思う。

 だから、通常医療にも予防的側面が存在する。

 ガンになっても、障がいを持っても、それ自体を治療したり、理学・作業療法をしたりというのは治療医学だが、その後の人生の健康を守るという視点では予防医学である。

 もちろん、病前のように身体的には元気に動かないかもしれないし、若い頃のようにバリバリ仕事はできないかもしれない。だけど、その後の人生を豊かにするのは個人の努力、あるいはコミュニティーの努力で達成できる。

 障がいがあっても稼ぐことは不可能ではない。ボク達の職種はそれを可能にする為に存在している。今でこそ、高齢クライエントのニーズは仕事に向かっていないかもしれないが、数十年後には多くの高齢クライエントのニーズは仕事に向いていくと思う。

 片麻痺でもできる仕事、うつ病経験者でもできる仕事、発達障がいを持つ成人でもできる仕事。予防の為の予算はこういう所に使えるんじゃないかな。ってか今現在ある福祉サービスに割かれている予算もある意味予防医療の為の予算だともとれるわけだ。

 そして、更に考えるべきは『仕事をすることが善』という根本についての検討だ。個人的にはベーシックインカム制度を導入して欲しいと思ってる。(財源は贈与税と相続税100%で何とかなるんじゃないかな?今でも高齢で働いている人ってお金の為に働いている人少ないと思うし…。)

 高齢になっても仕事がしたいなら、それを可能にする、若くても仕事がしたくないならそれを可能にする制度設計も予防医療だろう。だってその方が間違いなく健康的でしょ。

 仕事がしたくないなら、別の手段で自己実現、社会貢献すれば良い。仕事がしたいなら、仕事を通じて自己実現、社会貢献すれば良い。そんな感じで選べる状態にあるのが個人的には理想。これはもう国が先陣を切ってやってもらわないことにはどうにもならん話。予防医療を考えるならその辺まで考えて議論すべきじゃないかなと思う。

おわりに

 ちなみにボクが代表を勤める会社は『予防リハビリテーション研究所』という名称だけど、これは不健全な方向へ向かっている社会をリハビリテーションの視点から予防することを追求したいという思いでつけている。

 作業療法士の役割は健康と安寧の促進である。それを予防という視点で捉えるとやるべきことが見えてくる。

 もちろん、ボクの小さな会社が社会を変えるような大きな力を持っているわけではない。それを少しでも例え一歩でも進めることができれば…と思っている次第。

 そんな思いに賛同してくれる人を一人でも多く増やしていくのが未来への貯金なんだろうと思っている。

 皆さんにも是非、予防という視点を大切に育てていって頂きたいと思っている。ってことで、今回はここまで。ほな、また。

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