医療・介護・福祉

放課後等デイサービスでの理学・作業療法は違法行為か?

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 今月から、支援に行く児童発達支援事業所の施設長から児童発達支援事業・放課後等デイサービスでの作業療法士の役割について簡単に説明して欲しいと言われた。

 折角なので、その内容をブログにシェアしようかと。

基本的なこととして理学・作業療法は医師の処方が必要

 開業云々の話で問題になることの一つとして、理学・作業療法を実施するには医師の処方が絶対必要だということ。

 医療型の施設は別として、福祉型の施設では医師は常駐していない。まぁ、だから色んな民間組織が参入して問題が起こったりしているわけだけど。

 理学・作業療法士が常勤で働いている福祉型の施設もあるが、名目上理学・作業療法は実践していない。

 理学・作業療法士として、機能訓練指導員などとして存在しているということになる。

 だから、事業所側の広告・宣伝も理学・作業療法が受けられると言ってしまったらアウト。理学・作業療法士による指導が受けられるならグレー。理学・作業療法士が在籍していますならセーフって感じだと思う。

 これは自費開業しているところでも同じ。PT協会の会長は自費開業に否定的だという話を聞いたことがあるが、だとしたら放課後等デイサービスに理学・作業療法士が働くことにも否定的なのかな?って思う。

 また、これは児童発達支援事業所や放課後等デイサービスだけに限った話ではなく、支援学校や保育園等で働く療法士にも同じことが言える。

小児理学・作業療法の現状

 障がいを持つ子どものための理学・作業療法を取り巻く環境は決して良くはない。

 例えば、出産後NICUに入院することになった子どもは退院時に一旦理学・作業療法とは切り離される。

 訪問で理学・作業療法を受けることができたとしても、週に1〜2回くらいってことが多い。医療型の通園施設で週に数回受けることができるならラッキー。月に1回〜数回って人も少なくない。

 リハビリテーション目的の入院をする事もあるだろうが、数週間〜2〜3ヶ月で終わり。小学生になると数少ない理学・作業療法を受ける機会もどんどん少なくなる。

 医療型施設へ入所することだけが、必要に応じた理学・作業療法が受けられる方法となっているのが現状だ。

 つまり、子どもたちはNICUあるいはGCUを退院したタイミングから成人で言う慢性期に突入するイメージ。障がいを持つ子ども達はもちろん急性期〜慢性期という分類に当てはめると慢性期なんだけど、慢性期の期間が長すぎる。そして、成長に伴い障がい像や状態が大きく変わる可能性がある。

 もちろん、退院してから死ぬまで週に1回以上理学・作業療法を受けたからどうなる?って話は別問題だけど、現状は子どもたちの理学・作業療法環境は決して豊かではない。

法改正とケアマネのようなコーディネーターの育成が必須

 障がいを持つ子ども達に対し、切れ目ない支援を実現しようと思うと法改正は必須。

 医師の処方がないと理学・作業療法が実践できない事も問題だけど、それは理学・作業療法でなく指導員や教師として散らばればクリアできる。医師の処方がないと理学・作業療法を提供できない一番の問題は、理学・作業療法士を雇う為の制度設計がなされない事である。

 例えば児童発達支援事業所や放課後等デイサービスであれば常勤で働くには指導員として入ることになるし、ボクのようにアドバイザー的な役割で入ることになる。学校もそう。スポットでのアドバイザーか教師として入る(その為には教員免許を持っている必要がある)しか無い。

 理学・作業療法を提供できない理学・作業療法士にお金を出す仕組みがないので、現状のような環境になっていると言えるだろう。

 そして、もう一つがケアマネのようなコーディネーターの育成。こちらは厚労省が数年前から研修等を実施しているし、障害者(児)相談支援事業などもあるが、普及していないのが現状だ。

 ボクは個人的に子どものライフステージに応じた支援を切れ目なく行う為のシステムを構築しようと頭の中で練り込んでいるが現状はその役割をお母様にやらせている状況。でも、お母様は毎日の生活と育児で手一杯なのでそこまで気が回らないのが現状だろう。

 子どもにとっての切れ目ない支援の為にはこの2つが必須だと個人的には考える。

おわりに

 障がいを持つ子どもを取り巻く環境はマジでキツイ。

 現状では目標に向かった多職種連携が非常に困難だし(ってか介護保険分野は制度はそれなりに整っているのに連携は困難なままだからそれ以外にも問題はあるんだと思うけど…)、それぞれがそもそも連携なんて考えていない現状。一部の熱心な人だけが子どもの将来を考えているという構図である。

 この構図を変えていくためには、まず上で挙げたような法改正とコーディネーターの育成は必須だろう。

 是非、早急に整備される事を期待するし、ボクが個人的に関われる範囲においては何らかの対策をしていきたいと思っている。

 ってことで、今回はここまで。ほな、また。

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