雑記

訪問看護・リハだからこそ利用者へのマナーを守るべき理由

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 先日、某出版社より雑誌の連載の依頼が来た。テーマは訪問リハでのマナーや接遇について。

 確かにマナーに関するエントリーはブログで公開しているものの、別にマナーや接遇の専門家ではないから少々戸惑ったもののお受けすることにした。

参考エントリー:訪問リハにて利用者さんのご自宅へ伺う際の注意点やマナー

 マナーや接遇ってのは受けた側の人間によって判断が違うものだから、正解をお伝えすることはできない。だから、連載の内容は極力地雷を踏まない方法についてお伝えすることになると思う。

 さて、入院・入所、通院・通所系サービスと訪問系サービスでは決定的に守るべきマナーの質が変わってくるのは前出の参考エントリーで紹介した通りだ。

 その詳細は連載する記事で書くとして、今回は、何故そこまで細かくマナーや接遇ということを意識すべきか?ということについて書きたいと思う。

訪問系サービス従事者のマナーや接遇で目指すべき所

 あなたは大好きな友人や恋人を自宅に招いた経験はあるだろうか。あるいは保険の外交員や各種営業マンを自宅に招き入れた経験があるだろう。

 その訪問者が帰った後、あなたが舌打ちをしたり、大きなため息をついたりしていたとしたらその人のマナーは不合格だと思う。

 つまり、あなたが訪問した後、「ふぅ…」と言わせたら負け。

 でも、会話もはずんでリハの看護やリハの内容にも満足しているにも関わらず、クライエントが訪問者の帰宅後一息付きたくなると実はアウトだとボクは思っている。

 例えば、あなたが友人を自宅に招いたとしよう。そして、友人の帰宅後、一息つきたくなったとしたらそれはもはやマナー違反なのだ。

 もちろん、会話ははずみ、あなたは楽しい時間を過ごしたことだろう。でも、相手に疲れさせられたのだ。相手からストレスを受けたのだ。こういう小さなストレスや、あるいは前向きなストレスというのは世の中には多数存在するし、それを無くす必要はない。

 だけど、訪問サービスを提供するにおいて、クライエントに「一息つかせる」時間は極力短くする努力をする必要がある。

不快を与えるのはダメだが、一息つかせるのも極力少なくすべき理由

 例えば、「売ればOK」の営業マンであれば多少クライエントを疲れさせてもクライエントの契約率は大きく変わらないかもしれないし、契約書さえ書いてもらえたら帰宅後、一息つかせても大きなマイナス要因にはならず、キャンセル率が上がるわけではないだろう。

 でも、ボク達の訪問系サービスはなが~いお付き合いが前提である。一息つかせる事の積み重ねが相手との信頼関係を損なう理由になりかねない。熟年離婚のように…。

 男女差も大きいかもしれないが、ボクは様式トイレを利用する際、便座だけでなく蓋まで閉める。でも、男性の一人暮らしが長いと便座も上げたままって人が少なくないだろう。

 このちょっとした差がクライエントとの間に生じたとする。あなたは閉める派、クライエントは上げたまま派である。クライエントが男性の独居だとしたらあり得る話だと思う。例えば片麻痺の高齢者であれば、わざわざ便座を上げるという一手間さえリスクになるからだ。

 あなたがクライエント宅でトイレを借りる度、そのクライエントはあなたの帰宅後にため息をつくことになる。「あいつ、また蓋まで閉めとる…」って。それを小気味良く伝えてくれるクライエントであれば良いけど、そうじゃないならクライエントのストレスをためていくことになるだろう。

 ここでは例をトイレの便座にしたが、開けているドア、閉めているドアや、敷居を踏むか踏まないかとか、色々クライエントの気に障るポイントってのはあり得るので気をつけるに越したことはない。

訪問看護・リハは、その効果を追求する上でもマナーを守るべし!

 ボク達のサービスは医師の処方する薬と違い、人を媒介して提供するサービスだ。いや、もちろん医師の処方する薬も人を介して行うので、信頼されるような関わり方をすべきだが、医師という権威を前にすると患者は代替信頼するので、肩書メリットがある。

 でも、ボク達が提供するサービスの質は、ボク達の人柄やクライエントとの相性に大きく左右する。

 特に徒手的なリハビリテーションについては、AさんとBさんが同じクライエントに同じようにサービスを提供しても結果が異なるという業界である。

 プラセボ云々の問題もあるし、クライエントのモチベーションもあるし、笑顔の質や回数によっても変わるし、変動要素が沢山あるからだ。

 あなたがマナーを守るか守らないか、あなたの帰宅後、クライエントの一息つく時間が長くなればなるほど、リハ効果にも影響がある。

 もちろん、見当違いのリハは提供しないという大前提はクリアしているとして、その効果を最大限引き上げるか、最小限に留めるか?はあなたがマナーを守るかどうかにかかっていると言っても過言ではないのだ。

おわりに

 実は本日、この仕事を受けた兼ね合いで、信頼する保険営業マンに「マナー」についての議論を持ちかけた。

 約1時間半にも及ぶ意見交換でお互い学ぶことが多々あり、有意義な時間となった。あ、そういう意味でも異業種との交流は勉強になるよね。

 今回、相手に一息つかせる時間の長さってのを一つの目安として提案したが、リハの場合はこれが常に絶対ではない。

 例えば、部屋をキレイに保つことが苦手なクライエントが訪問前に「わざわざ掃除する」というのはストレスになるが、その張り合いのお陰でクライエントの人生がより良いものになるのであれば、プレッシャーを与えておくことも大事な役割かもしれない。例えば嫌われて担当替えを要求されたとしても目標である部屋をキレイに保つことが達成できている間は効果的だと評価できるだろう。

 このようにマナーを守る範囲についても個別生が高いサービスが訪問看護・リハである。また、当ブログでも紹介するので、是非ご自身のマナーや接遇具合というのも治療的要素として捉え調整する参考にしていただければ幸いだ。

 ってことで、今回はここまで。ほな、また。

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