特別支援教育

「教育勅語」を特別支援教育に携わる療法士は知っておくべし

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 大阪の私立幼稚園を母体とする某企業のことで話題が持ちきりだ。最近はボクよりも嫁さんが早起き。んで、こっちは寝てるのにテレビつけよる。

 そして流れてくるニュースはこの幼稚園や新設しようとしている小学校関連の話ばかり。ネットでニュースを読んでいてもこの話題が多い。

 その中でも「教育勅語」の話題で某議員がトンチンカンな話をしていたので、この人、国会で発言するのに何にも調べてないのか!?と思ってびっくりした次第。稲田防衛相の発言に言葉足らずな部分があったのかもしれないが、この発言は教育勅語を分かっていない。

 もちろん、遠い昔に作られた教育勅語だ。今とは多少事情が違う部分も当然ある。そして、「基本的人権を損ない、国際信義に疑いを残す」とされ、1948年に排除と失効確認がされているものである。しかし、その格子は今でも通用するってか、今だからこそ知っておくべき内容だとボクは感じている。

 そして、それは特別支援教育に携わる療法士各人も知っておくべき内容なんじゃないかなと思ったのでシェアしたい。

教育勅語とは?

 教育勅語とは、明治天皇が教育のあり方について述べられたものである。

 で、某幼稚園でこの教育勅語を暗唱させていることを取り上げ、「教育勅語が戦前、戦争への道につながり、道徳規範として問題を起こした」と言い放った。もはやバカとしか言えない…。

 さて、その教育勅語だけど、その内容についてまずは紹介する。以下原文。

朕(ちん)惟(おも)フニ、我ガ皇祖(こうそ)皇宗(こうそう)、國ヲ肇(はじ)ムルコト宏遠(こうえん)ニ、徳ヲ樹(た)ツルコト深厚(しんこう)ナリ。

我ガ臣民(しんみん)、克(よ)ク忠ニ克(よ)ク孝ニ、億兆(おくちょう)心ヲ一(いつ)ニシテ、世々(よよ)厥(そ)ノ美ヲ済(な)セルハ、此(こ)レ我ガ國体ノ精華(せいか)ニシテ、教育ノ淵源(えんげん)、亦(また)実ニ此(ここ)ニ存ス。

爾(なんじ)臣民、父母ニ孝(こう)ニ、兄弟(けいてい)ニ友(ゆう)ニ、夫婦相和(あいわ)シ、朋友(ほうゆう)相信ジ、恭倹(きょうけん)己(おの)レヲ持(じ)シ、博愛衆(しゅう)ニ及ボシ、学ヲ修メ、業(ぎょう)ヲ習ヒ、以テ智能ヲ啓発シ、徳器(とっき)ヲ成就(じょうじゅ)シ、進ンデ公益(こうえき)ヲ広メ、世務(せいむ)ヲ開キ、常ニ國憲ヲ重(おもん)ジ、國法ニ遵(したが)ヒ、一旦緩急(かんきゅう)アレバ、義勇公(こう)ニ奉(ほう)ジ、以テ天壌(てんじょう)無窮(むきゅう)ノ皇運ヲ扶翼(ふよく)スベシ。

是(かく)ノ如(ごと)キハ、独(ひと)リ朕ガ忠良(ちゅうりょう)ノ臣民タルノミナラズ、又以テ爾(なんじ)祖先ノ遺風(いふう)ヲ顕彰(けんしょう)スルニ足ラン。 斯(こ)ノ道ハ、実ニ我ガ皇祖皇宗ノ遺訓(いくん)ニシテ、子孫臣民ノ倶(とも)ニ遵守(じゅんしゅ)スベキ所、之(これ)ヲ古今ニ通ジテ謬(あやま)ラズ、之(これ)ヲ中外(ちゅうがい)ニ施(ほどこ)シテ悖(もと)ラズ。

朕、爾臣民ト倶ニ拳々(けんけん)服膺(ふくよう)シテ咸(みな)其(その)徳(とく)ヲ一(いつ)ニセンコトヲ庶幾(こいねが)フ。
引用元:教育勅語の原文

 明治時代の言葉って、結構意味不明…。苦笑 んで、以下が現代語訳。

私(明治天皇)が思うに我が皇室の御先祖様が国をお始めになったのは、遥か昔のことであり、その恩徳は深く厚いものです。
我が臣民は忠と孝を守り、万人が心を一つにしてこれまでその美をなしてきましたが、これこそ我が国の最も優れたところであり、教育の根本も実にこの点にあります。

あなたたち臣民は父母に孝行し、兄弟は仲良くし、夫婦は協力し合い、友人は信じ合い、人には恭しく、自分は慎ましくして、広く人々を愛し、学問を修め、仕事を習い、知能を伸ばし、徳行・能力を磨き、進んで公共の利益に奉仕し、世の中のために尽くし、常に憲法を重んじ、法律を守り、もし国家に危険が迫れば忠義と勇気をもって国家のために働き、天下に比類なき皇国の運命を助けるようにしなければなりません。

このようなことは、ただあなたたちが私の忠実で良い臣民であるだけではなく、あなたたちの祖先の昔から伝わる伝統を表すものでもあります。

このような道は実に我が皇室の御先祖様がおのこしになった教訓であり、子孫臣民が共に守らなければならないもので、今も昔も変わらず、国内だけではなく外国においても理に逆らうことはありません。

私はあなたたち臣民と共に心に銘記して忘れず守りますし、皆一致してその徳の道を歩んでいくことを切に願っています。私(明治天皇)が思うに我が皇室の御先祖様が国をお始めになったのは、遥か昔のことであり、その恩徳は深く厚いものです。
我が臣民は忠と孝を守り、万人が心を一つにしてこれまでその美をなしてきましたが、これこそ我が国の最も優れたところであり、教育の根本も実にこの点にあります。

あなたたち臣民は父母に孝行し、兄弟は仲良くし、夫婦は協力し合い、友人は信じ合い、人には恭しく、自分は慎ましくして、広く人々を愛し、学問を修め、仕事を習い、知能を伸ばし、徳行・能力を磨き、進んで公共の利益に奉仕し、世の中のために尽くし、常に憲法を重んじ、法律を守り、もし国家に危険が迫れば忠義と勇気をもって国家のために働き、天下に比類なき皇国の運命を助けるようにしなければなりません。

このようなことは、ただあなたたちが私の忠実で良い臣民であるだけではなく、あなたたちの祖先の昔から伝わる伝統を表すものでもあります。

このような道は実に我が皇室の御先祖様がおのこしになった教訓であり、子孫臣民が共に守らなければならないもので、今も昔も変わらず、国内だけではなく外国においても理に逆らうことはありません。

私はあなたたち臣民と共に心に銘記して忘れず守りますし、皆一致してその徳の道を歩んでいくことを切に願っています。
引用元:教育勅語の現代語訳

 ここで問題になっているのは天皇家至上主義というか、天皇が上で国民が下という考えの元にあるということくらいで、教育に関する内容はと言えばごくごく真っ当な事を言っている。どこをどう読み違えると、戦争をすすめる教育なんだろうか。

 この考えは、今だからこそ必要だと思うのはボクだけだろうか。

教育勅語の示す12のこと

 以下、教育勅語の概要である。ボクの意訳もあるが簡単に紹介したい。

  1. 親孝行しましょう
  2. 兄弟・姉妹は仲良くしましょう
  3. 夫婦は仲良くしましょう
  4. 友達と仲良くしましょう
  5. 謙虚に過ごしましょう
  6. 全ての人に愛を持って接しましょう
  7. 頑張って勉強して、手に職をつけましょう
  8. 知識を養い、個々の才能を伸ばしましょう
  9. 人格を高めましょう
  10. 社会貢献しましょう
  11. 法令遵守しましょう
  12. 国がピンチの時は国と天皇の為にみんなで守りましょう

 で、廃止された理由にもなるのは12番目の部分だよね。「国と天皇の為に」っていう部分が今の時代には合わないだけだね。だけど、当時の事を考えれば、家事で焼けた学校から天皇陛下の写真を持ち逃げなかった校長が自害するっていう時代だから当然だよね。

 某議員さんは恐らくこの最後の部分を拡大解釈して戦争に向かわせるなんて発言したんだけど、国がピンチの時はみんなで守るのが当然じゃない?災害時が良い例だよね。ボク達だって、災害援助にボランティアで参加したりするし、そういうことを皆で積極的にしましょうねって話。

 別に北朝鮮がミサイル打ってきたら兵隊になって戦ってくださいねって話じゃない。当時においてはそういう話もあったかもしれないけど、基本は友愛・博愛の精神で、教育勅語の中でもそれは国内に限ったことではなく、外国に対してもそうですよって言ってる。きっと素晴らしい人格者だったんだろうなぁって思うよね。

 某幼稚園でこれを原文のまま暗唱していたりとか、過去の制度にあるままの形で暗唱していたらちょっとやり過ぎじゃね?って思うけど、基本はこういう感じなんだよ。

教育勅語と特別支援教育

 ボクは特にこの教育勅語にあるような根本的教育を特別支援教育では強調したいと思っている。

 ハンディキャップがあったり、生きにくさがある中でも、人として学ぶべきことを学ぶことは重要だ。

 そして、親孝行、兄弟や友達と仲良く、結婚したら夫婦仲良く、社会貢献できるように頑張りましょうってのを具体的に体現するのが社会スキルだと思う。

 ソーシャルスキルトレーニングとは正に皆と仲良く、社会に適応し、社会の為になるよう生きていく方法を学ぶものだしね。

 別に教育勅語として意識する必要はないが、こういう教育の根本を知っておく必要はあるかなって思う。

おわりに

 その某議員のバカさは今に始まったことじゃないから、別にそのバカさ加減を伝えたかったわけではないし、皆さんがこの議員さんに対してどういう印象を持つかはボクの知るところではないからどうでも良い。

 ここでお伝えしたいのは、教育勅語って良いこと言ってるから、ボク達の関わる特別支援教育にも活かしましょうねってこと。

 こういう教育を適切に受けることができれば、ハッピーな人生を送れそうな気がするから。

 障がいがあるから、理解できないからなどという理由で、こういう大切な教育を受ける機会する奪うのは間違っている。子どもの発達や状態に応じて、如何にしてこういう大切なことを教育していくか?っていう考え方が大事だよな〜なんて思って頂ければ幸いだ。

 ってことで、今回はここまで。ほな、また。

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