医療・介護・福祉

理学・作業療法は医療・介護・福祉サービスである事を忘れるな!

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 以前、理学・作業療法士もしっかり働いて、しっかり稼ぎましょうよって内容のエントリーを書いた。

参考エントリー:資本主義社会で生きる意味が分かってない療法士は死ぬよ?

 人が稼いでいるのを妬んだり(恐らく本人は妬んでいるとは思っていないが、外から見たら完全に妬んでいる)、情弱者騙して金儲けするような輩にはなってほしくない。だけど、あくまでこの国ではしっかり稼いで納税することが求められている。

 そして、ボク達療法士はクライエントを満足させ、所属先を儲けさせるという任務を果たすことで稼がせて頂いている場合が大半だ。しかもそのお金の出先の大半は国である。

 だから、国はガンガンボク達の向かうべき方向ややり方に対して介入してくる。これも当然だよね。金出してるのが国なんだから。

 今回は、そういう事を忘れている療法士が多いんじゃないかなぁと思うことがあったので、今一度意識して頂きたいという思いがあったのでシェアしたいと思う。

患者さんの為にだけではダメ!

 ボク達療法士の仕事を大きく分けると「臨床」「研究」「教育」である。

 当然その全てが患者さんの為でなければならない。しかし、それだけではダメ。所属先の利益になる必要があるし、更には国のためになる必要がある。

 国のためとは、より質の高いリハビリテーションを提供し、医療・介護・福祉にかかる費用を削減することだ。では、その質の高いリハビリテーションとは何か。それも国の出している指針に合う効果を出すことだろう。

 回復期病院ではFIM、介護保険サービスでは要介護度が指標になる。これらを悪化させないこと、向上させることが目標となるだろう。国が加算を認めている項目については積極的に取れるような体制を作るべきだ。何故ならそれを国が求めているからだ。

 国の立ち位置とは、企業に置き換えればスポンサーや株主のような立ち位置である。彼らの意向に沿うような形で患者を満足させることで、所属先の売上に貢献できるようになるのだ。

やりたい事とやるべき事の差を埋めないとダメ!

 自分の考える理学・作業療法の形。理想的な理学・作業療法の形。こういうものは各々にあると思う。理学・作業療法とはこうあるべきだ!という信念のもとクライエントにサービスを提供し成果を上げることは非常に尊いことだ。

 でも、それで国の意向に沿う結果が出せないならダメ。

 例えば、先日twitterでMTDLPに対するボクの考えがdisられたけど、回復期のアウトカムがFIMだからってADL至上主義になったらダメって。

 いやぁ、そういう意味で書いてないんだけどな…って思うけど、まぁ、その意見に沿って反論するにしても、アウトカムをFIMじゃなくて、MTDLPで評価してもらえるようにならないとダメじゃない?っていう問題提起なのだ。

 作業療法士はMTDLPを使って評価・治療していきたい。MTDLPで結果を測って欲しいと思う。だけど、国はFIMで結果を測ろうとしている。MTDLPの結果が向上してもFIMが向上しているとは限らないし、その逆も然り。でも、作業療法士の専門性を考えるならFIMで評価するより、MTDLPで評価されるべき。だけど、現状はそうじゃない。

 この考えの違いの中で折り合いをつけていく必要がある。ぶっちゃけ作業療法士の立場からするなら、アウトカムはMTDLPであるべきだ。しかし、現状はそうじゃない。そうじゃない状況のままではMTDLPを積極的に使っていくのは難しいし、積極的に使えないならMTDLPは進化しない。

 だから、浸透させたいならMTDLPで評価される仕組みを作る努力が必要だと言いたいのだ。現状ではやりたい事とやるべき事に差があり、その差を埋めないことには、患者も国も所属先も、そして何より自分自身もハッピーになれないのだ。

 やりたい事とやるべき事の差を埋めることこそ、win-winの関係を作る上では必要不可欠だろう。

おわりに

 ボク達はあくまで国というスポンサーによって食べさせて頂いている。これが完全自費なら国の意向など気にする必要はない。自分のやりたい内容を提供して、患者を満足させ、費用対効果以上の結果を出していれば何の問題にもならない。

 しかし、多くの場合医療・介護・福祉サービスの元お金が発生している。だとしたら、お金の出し手の意見が強くなるのは当然だよね。

 ボク達はあくまで、そういう公的なサービスの上で仕事していて、その意向に沿う必要がある。そして、もし意見の違いがあるなら、その差を埋める努力をする必要がある。それはボク達の義務でもあるだろう。

 是非、その辺の意識を持って仕事をして頂きたいと思う。ってことで、今回はここまで。ほな、また。

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