特別支援教育

発達障がい児に対するSSTを行う上での作業療法士の役割

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 ソーシャルスキルトレーニング(以下、SST)は作業療法士養成過程の中に必ず組み込まれている内容だ。

 そして、クライエントのソーシャルスキル向上の為に作業療法が処方される。

 当然作業療法士はクライエントのソーシャルスキル向上の為に様々な取組みを実践する。しかし、ボクはそれだけが作業療法士の役割だとは思わない。何故なら、ソーシャルスキルとは一朝一夕で身につくものではないからだ。

 これはソーシャルスキルだけではなく、フィジカルスキルでも同じことが言えるだろう。運動学習を意識しセラピーを行うが、ハンズオフでその運動を学習するまでには時間がかかる。

 今回は発達障がい児に対するSSTを行う上で大切な考え方と、作業療法士の役割について書きたいと思う。

SSTを行う上での大切な考え方

 先にも書いた通り、これはSSTに限ったことではない。特に慢性期理学療法・作業療法全般に言えることではないかと思う。急性期・回復期は自然治癒も含めてスピード回復が望める。だが、慢性期ともなると中々その能力は定着しない。

 これは子どもに対する作業療法でも同じ。成長期にはフィジカルスキルがどんどん向上したりする時もあるけど、発達障がいを持つ子ども達のソーシャルスキルは簡単にはいかない。

 発達障がいを持つ子ども達にソーシャルスキルを身に着けてもらおうと取組みを行う時、以下のことが大事になる。

  • T(Teach):しっかり教える
  • I(Instruct):示し導く
  • M(Monitor):(どのように行ったか)観察する
  • E(Encourage):勇気づける

 これはボクが現在学び実践している「コモンセンス・ペアレンティング」の「前向きなしつけ」に対する考え方である。

 求める能力をしっかりと教え、(モデルの役割をするなど)示し導き、(実際にこどもがどのように行ったか)観察し、(失敗しても成功しても)勇気づけるというのが、支援者としての作業療法士の根本にあるべき考え方なのだ。

 これらの頭文字をとって『TIME』という。しつけもそうだけど、支援を行うというのは時間(TIME)がかかるということである。

SSTの実際

 では、次にTIMEという考え方をもってどのように実際のSSTを行うか?だ。

 これもフィジカル面に対する理学・作業療法と一緒で一貫した関わりが重要ということである。つまり、家族も含めた『多職種』による一貫した関わりがソーシャルスキルを生活で使えるようにする近道である。

 一つのスキルを獲得しようと思った時、そのスキルを獲得する為の働きかけを関わる全員が行う必要がある。理由は簡単で『練習』する機会を生活の中で何度も経験することが、獲得への近道だからだ。

 ここまで書けば作業療法士の役割が見えてくる。作業療法士の役割は、子どもに関わるチームワークの促進である。

 作業療法士だけが、実践しても子どもが当該スキルを学ぶのには時間がかかるし、作業療法士と関わっている時だけできるようになるという間違った覚え方をするかもしれない。

 作業療法士は、その方法論や価値を家族や多職種に伝え、実際にしっかり使えているかマネジメントすることにより、クライエントへのチームとしての関わりが上手く運用すること重要だ。

おわりに

 作業療法士の役割の一つとして「チームワークの促進」としたのは、まさにその通りといった感じだよね。

 リハ職が持つ知識や技術を、リハの時間だけ提供して、結果を出そうなんてのは甘い話。スキルの獲得ってのはそんなに簡単じゃない。関わる全ての人の支援があってこそ成り立つのだ。

 その事を知っていれば、自ずとチームワークを用いることになるし、それを促進させることがクライエントの為だということが分かる。

 作業療法士がチームワークの促進を担えるよう頑張らないとね。ってことで、今回はここまで。ほな、また。

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