哲学・科学・理論

作業に根ざした実践を行う上で重要なカナダ作業遂行モデル

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 臨床に戻って約半年。自分の実践を省みる日々が続いている。

 すると自分の実践は作業に根ざしているか?という問いが日々浮かび上がってくる。

 作業療法士たるもの、作業に根ざした実践が出来ていないならば、作業療法士である必要がないとボクは思っているから、作業をクライエントの健康と幸福の促進に用いることが出来ているかどうかは非常に重要なポイントなのだ。

 でね、作業に根ざした実践を行う上で知っておくべき理論が『カナダ作業遂行モデル』について簡単に紹介したいと思う。

書籍紹介

 カナダ作業遂行モデルを勉強するなら『作業療法の視点―作業ができるということ』『続・作業療法の視点−作業を通しての健康と公正』を読むしか無い。

 この2冊を読めば概要がつかめる。

 そして、カナダ作業遂行モデルを実践していく上で必須の評価法はご存知COPM(作業遂行測定)である。

 COPMはボクですら養成校時代に授業でやっているので最近の学生さんは全員やっているだろう。COPMの実践にはかなりスキルが必要だが、慣れれば非常に優れたツールである。

 ただ、評価法として独り歩きしている感があるので、その背景としてのカナダ作業遂行モデルを知っておくべきだろうと思っている。

 『作業療法がわかるCOPM・AMPSスターティングガイド』もCOPMやAMPSなど作業療法士の為の作業に根ざした評価を行う上で知っておくべき書籍なので合わせて紹介したい。

カナダ作業遂行モデルの概要

画像引用元:SAMURAI-OT blog
画像引用元:SAMURAI-OT blog

 上の図は「SAMURAI-OT blog」で紹介されていたカナダ作業遂行モデルの概念図である。

 カナダ作業遂行モデル(CMOP)と便宜的にお伝えしているが、正確には上の図は作業遂行と結び付きのカナダモデル(CMOP-E)である。

 人−作業−環境モデルを詳細にしたカナダ作業遂行モデル(CMOP)に、更に結び付き(encourage)の概念を加えたものだ。

 カナダ作業遂行モデルでは、「作業の可能化」と「作業との結び付き」という考え方を採用している。

 CMOPでは作業療法士の仕事はクライエントの「作業の可能化」と「結び付きの調整」だとしている。作業の可能化というのはイメージがつきやすい。いわゆる作業遂行を可能にすることだ。では、結び付きとは。これは非常に広範囲の概念である。

 encourageを「結び付き」と訳したのはお見事だとしか言いようがないが、作業に積極的に関わる、専念するといった意味合いが含まれている。

 つまり、作業療法士はクライエントの作業遂行にだけ着目するのではなく、クライエントと作業のつながり方にも着目し、幅広い視野でアプローチしていくことをススメているのだ。

 『SAMURAI-OT blog』でこの概要をごくごく簡単に解説されているので、合わせて読んでもらえると良いかと。

おわりに

 最後に作業に根ざした実践を行う上でかなり深い言葉を紹介したい。

作業療法士の関心の中心に作業を位置づけていくことは、全てのレベルで作業に責任を持つということである。- Polatajko,2007

 もう本当にこの一言につきるって感じだよね。

 作業に責任を持つ。自分にもクライエントにも。臨床にも研究にも教育にも。

 ボク自身、この責任を持つということを意識して日々取り組んでいきたいと思う。ってことで、今回はここまで。ほな、また。

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