雑記

作業療法士は上肢・手の専門家なのか?PTに譲れないのか?

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 手の外科って作業療法士にとってめっちゃ興味深い分野。OTの中でも特殊な分野と言えるだろう。

 ま、そりゃそうだよね。就職先として、一般病院よりも整形外科クリニック少ないし、一般病院の中でも中枢よりも整形の比重が重いところなんてないよね。

 某病院では肩関節まではPTで、肩関節から下はOTとか、鎖骨はOTが守ってるとか、OTが集まる場に出向くとそういう話を聞く。これってその病院のドクターのレベルの低さを露呈しているよね。リハを処方するドクターは、薬を処方するのと同じでリハの効能と副作用を知っておくべきだし、それを分かっていたら鎖骨で分けるとか、肩関節で分けるとかありえないからだ。

 ってことで、今日はその辺の話について私見を述べたいと思う。

作業療法士が上肢・手の専門家として認識されている理由

 なぜ作業療法士は上肢・手の専門家として医師からも認識されているのだろうか。病院によっては特定の関節を境目にして担当が決められていたりするのだから、ここだけはOTの領域として守っているのはすごいことだと思う。

 じゃあ、何故この分野を守ってきたのだろうか。思い返せばOTは自分たちの職域の多くを奪われてきた過去を持つ。

 嚥下や発声もそうだし、ケアマネジメントもそうだ。

参考エントリー:作業療法士がやるべきだった、奪われた7つの職域とは?

 そんな中、上肢・手の専門性を保っているのは、その分野に携わる作業療法士の努力の賜物だといえるだろう。

 しかし、守られるのは当然なのだ。作業の多くには『操作』が伴い、『操作』の大半は『上肢・手』の機能・能力を用いて行われるからだ。足をメインに操作を行っている人はいないだろう。

 だから、OTの領域として今も残されているのだ。

機能回復はあくまで手段であることを明確にすべし!

 上肢・手の機能回復は『操作』という面で作業との結びつきの強さを決定づける。

 手は器用な方が作業効率は上がる事が多いし、肩甲帯や肩関節のスタビリティーを高めることで手のスキルを高めることができる。

 だから、上肢・手は作業療法士が担当するのは当然である。しかし、そういう意味合いにおいて言えば体幹や下肢も同様のはずである。直接的か間接的か?の差でPTとOTを分けているわけではないはずだから。

 作業療法士が上肢・手に関わるのはあくまでも作業遂行の程度や効率を向上させるためであり、そういう意味合いにおいては体幹や下肢にも同様にアプローチすべきなのだ。

外科に専門性を限る理由がイミフ…

 専門作業療法士の項目で『手の外科』というものがある。専門性をよりエッジの効いたものにしていくという意味合いでは分かる。

 が、今のたかだか8分野にしか分かれていない現状で手の外科に限るのはマジで意味不明。

 精神科急性期がの専門があって、慢性期がないのも意味不明だし、外科があって、中枢がないのも意味不明。小児に関しては『特別支援教育』という一括りな専門分野で、じゃあ乳児期・幼児期あるいは成人期においては専門性は発揮できないのか!?なんて思ったりしていて意味不明なことだらけの専門作業療法士の制度の話だからあえてここで取り上げる必要もないのだけれど…。

 やっぱ、外科に限るのは意味不明。ボクなら『上肢・手』とする。外科適応だろうが、中枢適応だろうが、健常だろうがボク達を作業遂行に必要な操作を行う上肢や手について詳しく知っておく必要があるからだ。

おわりに

 鎌倉先生の『手を診る力をきたえる』なんかは本当に素晴らしい本だと思う。

 これは精神科領域も含めて全ての作業療法士にとって必読の内容だよ。手はインターフェースである。そして、多くの場合その手を用いて人は作業を遂行する。

 その直接的な媒体についてボク達は専門であるのが当然であって、それを専門云々と謳うのも恥ずかしいレベルの話だと思う。(あ、だから手の外科に限ったのか?いやぁ、違うだろうなぁ…。)

 逆にPTやSTも必要に応じて上肢・手にアプローチするべきでる。もちろん各病院・施設での分業という意味で作業療法士に比重が多くかかるのは当然だと思うが、各々の専門性を活かすためにも上肢・手って無視できない部位なはずなんだよね。

 作業療法士にとっての上肢・手の大切さをはき違えないようにして頂きたいと切に願う。ってことで、今回はここまで。ほな、また。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします