評価と治療

抗重力姿勢を促通する為に必要な仙骨−腰椎のアライメント

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 どんな分野で、どんなクライエントを対象にして働いていても、その姿勢を無視することは出来ない。

 運動とは動画であり、姿勢とは静止画である。動画をコマ送りにすると静止画が何枚も現れる。つまり、運動とは姿勢の集まりなのだ。

 とまぁ、こんなわざとらしい説明をせずとも、療法士であれば姿勢の大切さは十分知っているだろうし、既に姿勢に対して何かしらの取り組みを行われているだろう。

 今回は、その中でもいわゆる「抗重力姿勢」つまり、抗重力伸展活動が十分に発揮された姿勢を促す為に、必要なアライメントの話をしたいと思う。

 抗重力伸展活動とは、抗重力筋の活動によって起こるわけだけど、その抗重力筋は正しいアライメントの上でそのパワーを発揮される。

 これは筋の長さ−張力の関係を考えれば当然の話だ。

画像引用元:SMC
画像引用元:SMC

 筋は適切な長さに保たれている時に最も張力(パワー)を発揮するという論理である。適切なアライメントに保つ必要性とは、筋のパワーを最大限発揮させるためには必要不可欠なのである。

 姿勢を考えていく上で骨盤や腰椎のアライメントというのは一番最初にアプローチされやすい部分だと考えている。座位だと一番土台になる部分だし、立位では上半身と下半身の丁度真ん中に当たる重要なポイントだからだ。

 今回はその骨盤と腰椎のアライメント、つまり仙骨−腰椎のアライメントとクライエント(だけに限らず現代人全般)が陥っているアライメント不良の特徴を示し、その対処法についてお伝えしたいと思う。

仙骨−腰椎のアライメント

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 図のように仙骨と腰椎のアライメントというのは、生理的な前弯である。

 そして、現代人に多いのは下図の「左から2番目」のような姿勢だ。

Common postural problems. Ideal posture, Kyphotic-Lordotic, Sway-Back, Military. MendMeShop TM  ©2011
Common postural problems. Ideal posture, Kyphotic-Lordotic, Sway-Back, Military. MendMeShop TM ©2011

 理想の姿勢「一番左」と比べ、骨盤が前傾していたり、後傾していたりして、それに伴い、脊椎の生理的湾曲が崩れてしまっている例を示している。

 ただし、特殊なのが「左から2番目(厳密には2番目と5番目が合わさったような姿勢)」である。骨盤が後傾し腰椎下部での伸展が足りていないが、腰椎上部では過伸展してしまっている状態だ。

 ボクが整体サロンで見るお客様の大半もこのタイプだと言える。

 一般的に『反り腰』なんて言われたりするが、実は反っているのは上だけで、下はいわゆる『猫背』になっているのだ。こういう方の特徴は立つと、反り腰だが、座ると猫背になるって人が多いように思っている。

 もちろん障がいを持つクライエントの場合は一概には言えず、その障がいの種類や程度によって変わることは言うまでもない。

腰椎−仙骨アライメントへの対処法

 では、このようなアライメントを持つクライエントにどのように対処すべきか。

 基本的に過伸展なわけだから、屈曲方向へ戻してもらおうとするが、そうすると、骨盤の後傾はより強まってしまう。

 だから、仙骨はしっかり起こした状態をキープしつつ、上部腰椎だけ屈曲方向へ戻してもらう必要がある。

 ちょっとのハンドリングと口頭指示のみで可能な場合は、それを何度か繰り返してハンズオフしても可能なように持っていくけど、健常者でも口頭指示のみでできない人が多いのが現状。

 それだけ固有受容感覚が鈍麻してしまっているのだ。

 だから多くの場合、仙骨から腰椎下部にかけての伸展をキープしながら、腰椎上部の屈曲を促していく。腰椎上部に触れ、合図を送るのも良いが、先程書いたように固有受容感覚が鈍麻しているので、腹部から押し下げてあげないと自分で戻せない人が多い。

 患者さんならなおさらそうだろう。

 そのアライメントをキープしながら多裂筋と腹筋群の運動を促し、抗重力姿勢を獲得していってもらうのだ。

おわりに

 これ、時間があったら今度動画に撮って紹介しようかな。

 ま、クライエントの協力が得られたら乞うご期待ということで。

 ほな、また。

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