特別支援教育

自閉症児に対する絵カードを用いたスケジュールの必要性

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 放課後等デイサービスにいくつか関わっていると、基本的にどのデイでも来所直後に絵カードを用いたスケジューリングが行われている。

 で、これがまた多くの場合あまり機能していないのではないか?という感じがしたので、絵カードを用いたスケジュールの必要性や適切な用い方について考えてみたのでシェアしたいと思う。

自閉症スペクトラム児にとってのスケジュールの必要性

 多くの大人はある程度1日のスケジュールを頭にイメージして行動している。

 多忙で、タスクが多く忘れたり漏れたりする危険性のある方は手帳で時間単位のスケジュールやタスクの管理をされている方もいるだろう。

 ボクは整体業の予約に関しては個別に入力し、後は大きく予定名(放課後デイ〇〇支援etc.)と書いたりしている。

 で、前日までに次の日の大まかな予定を確認し、何時にどこへ向けて出発するか?何時にそこを出て、別の目的地に向けて出発するか?など大まかに確認し、個別の案件等に関しては移動中や仕事の合間などに確認する。また、予め準備が必要な仕事は前日までに作成する日を予定に組み込んだりしている。

 そういうチェックをしていれば、予定を忘れたり漏れたりすることは基本的にない。これは大人にとってのスケジュールの必要性である。

 自閉症スペクトラム児にとって、のスケジュールの必要性は大人のそれとは違う。

 自閉症スペクトラム児の多くは『突然』だったり『変化』だったりに対処することが苦手である。『自閉症のぼくが飛び跳ねる理由』の著者である東田氏の言葉を借りると「不安」になるのだそう。ちなみに、ボクは『突然』や『変化』に対してイラッとする。笑

 で、その不安に押しつぶされそうになりパニックを起こしたり、易刺激性を発揮させてしまったりしている。

 予めスケジュールを立て、見通しを持ちやすくすることで『突然』や『変化』という『不安』を極力減らしていこうというものである。

 同じく前出の東田氏が著書で書かれていることなのだけれど、東田氏の場合はスケジューリングをするとスケジュール自体であったり、カードそのものに『こだわり』を持ってしまうため、あまり必要としなかったらしい。

 つまり、大切なのは『個別性』。見通しが持てず不安になりパニックになる子どもへの支援としての『スケジューリング』は必要であっても、そうでない子どもにとっては過保護というか、過支援になっている可能性もある。

スケジューリングを絵カードでする必要性

 では、そのスケジューリングを『絵カード』でする必要性はどうだろうか。

 結論から言うと、これも個別性かなと思う。

 口頭で確認し合うだけでも可能な場合もあるし、文字で確認するだけでも可能ということもあるだろう。

 でもまぁ、そこまで個別にすると今度はスタッフの負担が増えるので、ボクが考えるのは『ユニバーサルデザイン』であるということ。

 絵も文字も書いてある。文字も平仮名も漢字も英語でも書いてあるなんてのが良いね。

 そして、それを用いてスケジューリングが必要な子どもに対してだけ用いるっていうのが良いんじゃないだろうか。

スケジュールを機能的に用いるには?

 さて、必要な子どもに対して、誰でも使えるカードでスケジューリングし、予定の見通しを持つことは重要なことではないかというところまで確認した。

 しかし、折角作ったそのスケジュールが機能的に使えていない場合が多いように思っている。

 スケジュールの目的は、冒頭で書いたように本来は忘れたり漏れを無くす為に用いる。そして、それは円滑に社会生活を送っていくために必要なものなのである。

 だから、放課後等デイや自宅・学校で行うスケジューリングが将来、社会人としてスケジュールを確認し仕事や友人関係を円滑に行っていくことに繋がっている必要がある。

 例えば、以下のような事が考えられる。

  • 終わった予定を消す
  • 定期的に予定を確認する
  • 当日だけでなく、週間予定や月間予定も用いる

 そして、またその予定は『変わるもの』であり、それは受け入れるべきものである事を学んでいかなければならない。

 ただ単にパニック予防の為であれば、薬で良いやん?ってなる。自閉症スペクトラム児の易刺激性に対しては安全性が保証されている薬が認可を受けてるしね。

参考エントリー:自閉症スペクトラム児の易刺激性に対する薬物治療効果が米紙に掲載!

 スケジュールを機能的に用いるというのは、将来役立つ形で用いるということだとボクは思っている。

おわりに

 支援とは思考停止状態で行えるものではない。もちろん、ルーティン化していくことは効率化することやスピーディーにする為にひつようなこと。だけど、意味のない支援になってしまっては元も子もない。

 だから、子ども達への支援は常に、将来役立つことをイメージしておかなければならない。

 ボクは医療・介護などヘルスケア業界全体において『予防』という考え方を一番重要視する。子どもたちにとっての予防とは、大人になった時に生活しやすいスキルを身につけておくことであり、ご両親の心配を極力減らすことだろうと思う。

 全ての支援は子どもたちの発達に繋がっているべきだし、健全な習慣づくりに役立っているべきなのである。

 今回は特に多くのデイで用いられている絵カードを用いたスケジューリングに焦点を当てたが、全ての支援においてその事を頭においておくべきだと思う次第だ。

 ってことで、今回はここまで。ほな、また。

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