評価と治療

重度感覚障害を伴う脳卒中後片麻痺者への正しいシーティング

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 昨日、児童デイサービススタッフさん向けに「シーティング」についての講義をしてきた。

 児童デイサービスのスタッフさんは、そもそも「シーティング」っていう言葉の意味もご存知ない方が大半なので、どのように説明するかを考えた結果、シーティングを必要な方々の状況を体感して頂き、その状態をどうすれば良いか?のアイデアをお伝えすることでより理解が促進すると考えた。

 その中で脳卒中後の片麻痺の方をイメージし、麻痺側に重度の感覚障害がある状態を想定してワークショップを行った所、「ははぁ〜(感嘆)」「ほんまや!」などの声が聞いて取れたので今回はブログでご紹介したいと思う。

重度の感覚障害を持つ片麻痺者の罪を体感する

 まず、重度の感覚障害を持つ片麻痺者の状況を体感していただいた。

 方法は簡単で、椅子から半分お尻を出して足を浮かしてもらうというもの。療法士各人であれば経験したことがある人も多いのではないかと思う。

 例えば右片麻痺の方を想定したのであれば、当然重心は左坐骨に変異し、筋力の弱い方であれば左手で座面をつかむ事になる。

 車いす上でこういう姿勢の人って結構いるよね。

 で、腹部の低緊張を伴うケースも多いから、骨盤は後傾して円背となるから、お尻は前方へ滑りやすくなる。

 そういう姿勢だと上肢操作もしにくくなるし、嚥下もしにくいと思われる。

無理矢理姿勢を戻したらどうなる?

 こういう姿勢の方に対し、食事の場面では無理矢理姿勢を正そうとされる。

 つまり、右片麻痺の方であれば、左坐骨に偏位している重心を右に戻そうとする。

 これを体感した人は見事に脳卒中後の片麻痺者のような反応を示してくれる。より、左に重心を偏位させ左手で座面をより強く引き込む人、あるいは耐え切れず右足を突っ張る人(これっていわゆるプッシャーの人だよね)などが続出する。

 間違った介助法、あるいはシーティングでは彼らの座位における不自由さを強調することになってしまう。

 しかし、実際は間違った介助やシーティングが往々にして行われているのだ。

シーティングは物理法則だけでは考えられない

 左坐骨に重心が偏位した骨盤は右が少し浮いたような感じで傾く。こういう状態の方の骨盤を正中位に戻そうとする時、左がわにクッションやタオルを挟み込む方が良いように感じるのは物理的な法則を知っておられるからである。

 反対に浮いている右側にタオルやクッションをかますことは、左への重心偏位を強調するようなイメージとなるだろう。

 しかし、先ほどの片麻痺体験をした人はこれが間違った手法であることを知っている。

 やるべきことは右の足底にしっかりと感覚入力ができるように整える事。そして浮いている右臀部下にクッション等を入れ、臀部に接触支持面を増やし安心感を提供することがあるべきシーティングの形である。

まとめ

 今回は座面の部分にフィーチャーしてブログにしたが、間違った介助法、間違ったシーティングはその他の部分においてもかなりの割合で存在している。

 そして、例えば入院患者の病棟での座位の状態などを療法士がノータッチ、あるいはタッチしているけど病棟スタッフの善意(こうした方が良いだろうという行動)によりクライエントの状態が悪化している状態を見逃しているかもしれない。

 まずは自分の担当クライエントが間違った状態に晒されていないかどうかチェックしてみて欲しい。

 ってことで、今回はここまで。ほな、また。

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