特別支援教育

特別支援教育の中で理学・作業療法士に求められる役割や課題

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 先日、京都で開催された京都特別支援教育OTチーム10周年記念講演会に参加してきた。

 そして勉強した内容から、特別支援教育の概念やインクルーシブ教育についての基本をブログにてまとめた。

 今回は、特別支援教育に理学・作業療法士、言語聴覚士などリハビリテーション専門職に対しどのような役割が求められているか?ボク達はこれからどのように動いていけば良いか?についての個人的見解をシェアしたいと思う。

リハ専門職に求められる特別支援教育での役割

 前出のエントリー内でも紹介しているが、文部科学省は学校に対し、看護師等の専門家との連携を促進するよう通達を出している。しかしながら、日本では諸外国に比べ専門スタッフの関わりが極めて少ない。外部専門家としてリハ職が関わるケースは少しずつ増えてきているようだが、選任スタッフとなると殆どないというのが現状だ。

 そんな中、リハ専門職に求められる役割は当然ながら『教育コンサルテーション』だ。先生たちが子ども達と関わる上でどうやったらより教育が促進するかをボク達の専門知識を用いてアドバイスすることである。

 具体的には以下のようなものが挙げられる。

  • 実態把握(発達の気になる子を見つける、評価する)
  • 環境整備のアドバイス(教室や教材の工夫)
  • 状態・症状の理由の解説と対応策のアドバイス

 先生の目に届かない発達の気になる子どもを見つけたり、気になる子ども達の評価を行い、教室や机・椅子、教材などの状況を把握し、より良い環境にするためのアドバイスをしたり、例えばハサミが上手に使えない子どもが居たとしたら、その理由を評価し、対策をアドバイスするなどである。

リハ職が特別支援教育で役割を果たすために必要な事

 都道府県や学校ごとによっても違うと思うが、ボク達の訪問をウェルカムな所とそうでない所があるのが現状である。

 ウェルカムな所に関しては先生方も勉強されていて、ボク達が何をする職種か、どういう悩みを相談し、どういうアドバイスを受けたいかが分かっておられるのでこちらも楽だろう。

 しかし問題はウェルカムじゃないところ。「何しに来たの?」ってところもある。

 そういう所へ訪問した時、ボク達が役割を果たすために何が必要か?

 それはボク達の専門性を分かりやすくプレゼンテーションし、目の前で成果を出すことだろう。

 「ボク達はこういうことができます。例えばあのお子さんだったら、こうすることで、ほらできるようになるでしょ?」というような一連の役割をデモンストレーションすることでボク達は先生から信頼を得ることができるかもしれない。

 また、ボク達は医療専門職であり、教育専門職ではない。教育の専門である先生がどういう法律に基づき、どういう指導体型で仕事をしているかを予め知っておく必要があるだろう。

 だから、最低限教育基本法や学校教育法のことだったり、前出のエントリーでも紹介した特別支援教育やインクルーシブ教育システムの概要は最低限知っておかなければならない。また、全ての授業は学習指導要領に則って行われる為、その内容を把握しておかなければ現実的なアドバイスなどできない。

 また、先生の現状についても知っておく必要があるだろう。文科省から以下のような資料が出されている。

画像引用元:文部科学省
画像引用元:文部科学省

画像引用元:文部科学省
画像引用元:文部科学省

 上の図は現在学校が抱えている問題の多様さ・複雑さを示している。先生たちの多くが業務が大変、保護者対応が以前よりも増えていると感じている。保護者対応も立派な仕事だけど、保護者対応だけが仕事じゃない。残業はもちろん、持ち帰りの仕事も多いようである。

 先生になろうという方々だから、基本的に賢いし熱心な人が多いからこそ…なのかもしれない。このような先生達にあれこれアドバイスしたら先生もやらなきゃって思うし、できない自分を責めるかもしれない。また、逆にキレられるかもしれないよね。先生に負担なく、子ども達がより快適に学校生活を送れるようにアドバイスするのがボク達の役割である。

特別支援教育における理学・作業療法士が抱える課題とは?

 今までは医療は医療、教育は教育と分断した状況である。しかし地域包括ケアシステムの流れで考えても子どもたちの支援においても他職種協業が求められる。

 ボク達の専門性を広報することも重要だし、先生方の働かれているバックグラウンドを把握することも重要だ。

 現在は決してその連携が上手くいっているとは言い難い。

 特に作業療法士においては『チームワークの促進』という役割を担った職種である。別にリーダーになる必要はないが、チームワークを促進するため積極的に学校へ関わっていくことが必要だし、求められている。

 個人では難しいかもしれないが、まずは都道府県士会と連携して少しずつ進められれば良いのかなぁと思っている。

まとめ

 現状、リハ職による特別支援教育への関わりには地域差が大きく、関われていない所は全くと言っていい程関われていないのが現状だろう。

 しかし、求められている役割を果たし、結果を残す事は結果的にボク達の職域を広げることにも繋がるし、報酬のベースアップが図れるかもしれない。

 是非、積極的に関わって頂きたい。そして、その為にも学校教育の法律・制度・現状についてしっかり情報収集して欲しいと思う次第だ。

 ってことで、今回はここまで。ほな、また。

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