医療・介護・福祉

いまさら聞けない!2025年問題と地域包括ケアシステムの概要

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 2025年の到来に向けて国は日夜その対策に汗をかいている。

 地域包括ケアシステムは、2025年問題対策の主要項目として位置づけられている。

 なので、地域包括ケアシステムを知るには、2025年問題を正しく理解し、その対策としての地域包括ケアシステムを理解する必要があると言える。

 リハビリテーション職種においても、地域包括ケアシステムの中の一員として求められる役割は大きいと捉えているし、実際求められている。

 リハの集まりでも、看護師の集まりでも今やこの話題で持ち切りだ。

 こうなっちゃうと、一つ問題が出てくる。え?地域包括ケアシステムってよく聞くけど…実際なに?っていう問題だ。ここまで来たら今更聞きにくいよね。

 だから、おうちでこっそり調べているあなたの為にサルでも分かる内容でお伝えしたいと思う。

2025年問題とは?

 では、まず理解しておくべき2025年問題について簡単に解説する。

 2025年は、団塊の世代が後期高齢者になる年である。それの何が問題か?後期高齢者になると、要介護認定率が6倍に跳ね上がる。その年齢に後期高齢者が突入することにより2025年の要介護認定者数は755万人になると推定されている。2009年時点での要介護認定者数は469万人であるので、2009年時点の1.6倍になる計算。

画像引用元:厚生労働省
画像引用元:厚生労働省

 こういう状況になった時何が問題か?大きく分けて2つある。

  1. 支え手の不足
  2. 死に場所の不足

 支え手の不足というと以下のような図が良く引用される。

画像引用元:厚生労働省
画像引用元:厚生労働省

 かつて65歳以上1人に対して20〜64歳の割合が9人という時代があった。(1965年)それが最近では65歳以上1人に対して、2.4人となっている。(2012年)

 そして、2025年には65歳以上1人に対して1.2人となるのだ。

 1965年時点の状態を「胴上げ型」、2012年時点の状態を「騎馬戦型」、そして2025年には「肩車型」とされている。

 「支え手」というのは何か?

 それは「お金」と「介護力」だ。2025年にはお金の負担も増え、介護の手が(今でも充分問題になっているが)足りなくなるということだ。

 そしてもう一つが死に場所の問題。

 今後、死亡者数は増えていくと推計されている。

画像引用元:厚生労働省
画像引用元:厚生労働省

 死亡場所別で見ると以下のようになる。

画像引用元:厚生労働省
画像引用元:厚生労働省

 日本人の半数以上は自宅で看取られることを希望している(下図参照)ものの現実は大半が病院で亡くなっている(上図参照)。

画像引用元:厚生労働省
画像引用元:厚生労働省

 これは世界的に見ても極端に少ない数字である(下図参照)。

画像引用元:厚生労働省
画像引用元:厚生労働省

 医療費削減を推し進めているので、今後病床が増えることは望めない。だから、看取り難民が出てくることが予測されている。現在の推計では2025年時点で47万人の死に場所が現状確保されていないのだ。

 訪問看護ステーションでの看取り支援に対して加算が取れるように設定されるなど対策は進んでいるもののまだまだ現場は追いついていないのが現状である。

 この大きな2つの問題への対策が地域包括ケアシステムというわけだ。

地域包括ケアシステムの概要

 まずは下の図を見て頂きたい。

画像引用元:厚生労働省
画像引用元:厚生労働省

 この図は誰もが見たことあるよね。まぁ、医療・介護・福祉・そして地域が一体になって支援の必要な人を支えていきましょうねという話。

 地域包括ケアシステムは、以下のように定義付けられている。

ニーズに応じた住まいが提供される事を基本としたうえで、生活上の安全・安心・健康を確保するために、医療や介護のみならず、福祉サービスを含めた様々な生活支援サービスが日常生活の場(日常生活圏域)で適切に提供できるような地域での態勢(引用元:厚生労働省、地域包括ケアシステム

 そして、もう一つ紹介すべきが以下の図。

引用元:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「<地域包括ケア研究会>地域包括ケアシステムと地域マネジメント」(地域包括ケアシステム構築に向けた制度及びサービスのあり方に関する研究事業)、平成27年度厚生労働省老人保健健康増進等事業、2016年
引用元:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「<地域包括ケア研究会>地域包括ケアシステムと地域マネジメント」(地域包括ケアシステム構築に向けた制度及びサービスのあり方に関する研究事業)、平成27年度厚生労働省老人保健健康増進等事業、2016年

 地域包括ケアシステムの概念図として用いられるこの植木鉢、実は去年新しくなってるのご存知?違いは以下の通り。

引用元:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「<地域包括ケア研究会>地域包括ケアシステムと地域マネジメント」(地域包括ケアシステム構築に向けた制度及びサービスのあり方に関する研究事業)、平成27年度厚生労働省老人保健健康増進等事業、2016年
引用元:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「<地域包括ケア研究会>地域包括ケアシステムと地域マネジメント」(地域包括ケアシステム構築に向けた制度及びサービスのあり方に関する研究事業)、平成27年度厚生労働省老人保健健康増進等事業、2016年

 葉っぱがハート型になっただけじゃないよ?笑

 簡単にこの植木鉢についても解説したいと思う。

 まずは葉っぱの部分。これが専門職によるサービス。医療・介護・リハビリテーション・保健・福祉、様々な専門職が連携してチームで支えていくという形である。

 以前の葉っぱには「予防」という項目があったが、新たな植木鉢には土に含まれている。

 土は、地域での支援。介護予防、生活支援は地域で支え合ってやっていきましょうねという考え方。互助って言われる部分。

 鉢は地域の中にある本人・家族のすまいとすまい方。同じ地域であっても、家族ごとのルールがあったり、方法があったり、文化があるわけだから、それらを大切にしましょうということ。

 で根底にあるのがお皿。以前は「本人・家族の選択と心構え」とされていたが、新しいものでは「本人の選択と本人・家族の心構え」と変更されている。

 ベースはやはり本人がどうしたいか?が重要であり、それを実行していく上での本人と一番身近で支援する家族の心構えの重要性を示している。

 主体は本人・地域であり、専門職や国はそれを応援するために存在しているに過ぎないという感じ。

 昔なら豊かな財源で国が専門職にお金を使って支援したけど、今もうお金ないですから皆さん自分の事は自分で、そして自分たちの事は地域で守っていってくださいね。私達は皆さんのやり方を尊重して応援しますからね!ってことやね。

 時間がある方は『地域包括ケアシステムと地域マネジメント』を読んでおけば大方の理解を得て会話についていけるようになると思うよ。

おわりに

 実は単純な仕組み。介護保険にしてもそうだけど、概念自体はシンプル。

 それを体現するのが大変なだけ。

 課題は山積。2025年を見据えた2018年の医療・介護の同時改定についてしっかり対応していくことが目の前の課題かな。

 リハ職としての立ち位置も見据えながら取り組んで頂ければ幸いかと思う。ってことで、今回はここまで。ほな、また。

2018(平成30)年診療・介護報酬同時改定関連ニュースまとめ

 2018年度の診療・介護報酬同時改定に関するニュースは以下のページでまとめているので合わせて参考にして下さい。

まとめを見る

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