3学会合同呼吸療法認定士

理学・作業療法士が知っておくべき気管支喘息の基本について

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 今回も3学会合同呼吸療法認定士試験勉強シリーズ。

 さて、このエントリーでは「気管支喘息」の基本についてまとめたい。

 これがこのまま3学会合同呼吸療法認定士の試験勉強にも繋がるので是非とも参考にしていただきたい。

 また、その他3学会合同呼吸療法認定士の講習会受講から合格までについて必要事項をまとめたエントリーも書いているので合わせて参考にして頂ければと思う。

参考エントリー:3学会合同呼吸療法認定士の「申込,講習会,試験」関連まとめ

 呼吸不全を起こす疾患群のまとめについては以下のエントリーを参考にしてほしい。

参考エントリー:理学・作業療法士が知っておくべき呼吸不全を起こす病態

気管支喘息とは?

 気管支喘息は「喘息予防・管理ガイドライン2015」にて以下のように定義されている。

  1. 自然にあるいは治療により可逆性を示す種々の程度の気道の狭窄。
  2. 気道の過敏性が亢進。
  3. Tリンパ球、マスト細胞、好酸球などの炎症細胞、気道上皮細胞、線維芽細胞をはじめとする気道構成細胞、及び種々の液性因子が関与する気道の慢性の炎症性疾患。
  4. 持続する気道炎症は、気道傷害とそれに引き続く気道構造の変化(リモデリング)を惹起する。

 こちらが端的にまとめられていたので分かりやすい。

 以前は発作時のみの問題とされていたが、現在では慢性的な炎症とされている。

 気管支喘息は、アレルギー型と非アレルギー型の2種に大別されていて、明確なアレルゲンによるものとアレルゲンが不明確なものとの差である。

病態生理と疫学

 3学会合同呼吸療法認定士講習会テキストでは小児の11〜14%、成人の6〜10%の有症率と推察されているが、参考元によりその数字は様々なので一概に言えない。

 また厚生労働省では、以下のようなデータを出している。

画像引用元:厚生労働省
画像引用元:厚生労働省

 小児喘息は2~3歳までに60~70%が、6歳までに80%以上が発症するといわれている。その後、思春期になると症状が軽快しつつ約30%が成人喘息に移行する。一方、症状が消失(寛解)した50~70%の小児喘息患者の内、30%弱が成人になって再発するといわれている。一方、小児期に喘息がなく、成人になって初めて症状が出る成人発症喘息は、成人喘息全体の70~80%を占め、そのうち40~60歳代の発症が60%以上を占める。

 また、アレルギー型は小児・若年層に多く、非アレルギー型は中高年に多い。成人の気管支喘息の半数が非アレルギー型だとのこと。

 アレルギー型も非アレルギー型も病態生理は極めて類似していると言われている。

 各種アレルゲンにより気道は慢性的な炎症状態にあり、気道過敏性を高めている。そこに様々な気道刺激(薬物や寒冷気など)により気道収縮、粘液の過分泌、粘膜浮腫を引き起こし発作になると考えられている。

 以下の図は気管支喘息を表したものである。

 画像引用元:日本呼吸器学会

画像引用元:日本呼吸器学会

症状と診断

 初期では咳や痰が出やすい程度。発作が起こると喘鳴を伴う呼吸困難を繰り返すことが気管支喘息の特徴的症状である。

 診断では、発作時の聴診(wheezeやphonchiが聞かれる)、スパイメトリでの呼吸機能検査、気管支拡張薬吸入後の気道可逆性試験、ピークフローモニターでの評価、気道過敏性試験により行われる。

治療

 治療は世界的なガイドライン『Global Initiative for Astma(GINA)』や日本呼吸器学会が出している喘息予防・管理のガイドラインに基づき行われる。

 ガイドラインでは治療目標を以下のように設定している。

  1. 健常人と変わらない日常生活が送れること。正常な発育が保たれること。
  2. 正常に近い肺機能を維持すること。(PEFの変動が予測値の20%未満。PEFが予測値の80%以上。)
  3. 夜間や早朝の咳や呼吸困難がなく十分な夜間睡眠が可能なこと。
  4. 喘息発作が起こらないこと。
  5. 喘息死の回避。
  6. 治療薬による副作用がないこと。
  7. 非可逆的な気道リモデリングへの進展を防ぐこと。

 具体的には以下のような内容を行われている。

  • 生活指導(アレルゲンや気道刺激からの回避)
  • 特異的免疫療法(脱感作)
  • 薬物療法(発作治療薬、長期管理薬)
  • 自己管理(ピークフローモニタリングや管理表などを用いて)

おわりに

 気管支喘息でリハのオーダーが出ることはないが、オーダーの出たクライエントが喘息持ちであることは往々にある。

 自分が気道刺激にならないよう注意しないといけないし、発作時の対応も知っておく必要があるだろう。

 今回まとめた内容はごくごく基本なので、前出のガイドラインや下に紹介している資料を参考にしてもらえると幸いだ。

 ってことで、今回はここまで。ほな、また。

参考・引用元

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