3学会合同呼吸療法認定士

理学・作業療法士が知っておくべき慢性閉塞性肺疾患(COPD)

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 作業療法士が3学会合同呼吸療法認定士の受験資格が与えられて久しい。作業療法士も含めたリハ職が呼吸について提供できることは多岐に渡るから当然だ。

 さて、このエントリーでは「慢性閉塞性肺疾患(以下COPD)」の基本についてまとめたい。

 これがこのまま3学会合同呼吸療法認定士の試験勉強にも繋がるので是非とも参考にしていただきたい。

 また、その他3学会合同呼吸療法認定士の講習会受講から合格までについて必要事項をまとめたエントリーも書いているので合わせて参考にして頂ければと思う。

参考エントリー:3学会合同呼吸療法認定士の「申込,講習会,試験」関連まとめ

 呼吸不全を起こす疾患群のまとめについては以下のエントリーを参考にしてほしい。

参考エントリー:理学・作業療法士が知っておくべき呼吸不全を起こす病態

慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは?

 COPDとは、肺気腫、慢性気管支炎及びその合併症により、閉塞性換気障害を起こす疾患群である。現在ではこれら疾患を区別せずCOPDと総称する。

 閉塞性換気障害とは、下の図のように肺活量は正常であるが、1秒率が70%以下の病態の総称である。

画像引用元:人工呼吸器学習サイト
画像引用元:人工呼吸器学習サイト

 COPDは、有害なガスや粒子による肺の異常な炎症反応で、可逆性ではない気流制限を伴う進行性の疾患であると定義されている。

 ここでいう、有害なガスや粒子の8割〜9割は喫煙・受動喫煙によるものだと言われている。

病態生理・疫学

 タバコなどの有害物質が、肺胞・気道の上皮細胞・好中球の活性化に働き、ケモカインが遊離させる。好中球が気道に集まり、活性化することで、組織障害性物質(エラスターゼ、プロテアーゼ、オキシダントなど)が遊離し、気道障害、炎症を引き起こす。それに起因し気道が閉塞するという機構が推定されている。

 60歳以上の男性の喫煙者に有意に多く、日本では約500万人以上の患者がいると推定されている。

 現在、呼吸リハビリテーションの対象となる大半がCOPDである。

症状・診断学

 喫煙歴のある男性に徐々に進行する息切れが典型的な症状であり、COPDを疑う。

 当初は階段を登る時など比較的強度の強い運動時の息切れなどから始まるが、進行すると日常生活でも息切れが生じる。咳や痰も伴い、進行すると低酸素血症のためチアノーゼや高二酸化炭素血症による頭痛や意識障害も起こりうる。

 最も基本的な検査は気管支拡張剤投与後のスパイメトリー(呼気量と吸気量を測定する呼吸機能検査)で1秒率(FEV1.0%)が70%未満で、且つ他に気流制限を起こす疾患が除外される場合COPDと診断される。

 胸部X線では、肺の膨張所見が確認できる。(下図参照)

画像引用元:環境再生保全機構
画像引用元:環境再生保全機構

 また、胸部CTでは肺気腫があると気腫性病変が見られる。

画像引用元:東北大学
画像引用元:東北大学

 COPD経過中にウイルス性気道感染症(多くの場合「風邪」)により増悪が認められることが多い。

治療

 間治療法は存在せず、主に以下の3つが用いられる。

  1. 禁煙
  2. 薬物療法:気管支拡張薬
  3. 呼吸リハビリテーション

 基本的に喫煙が原因で起こっている病態なので、禁煙は必須。薬物療法は状態に合わせて用いられる。

 呼吸リハビリテーションでは、全身持久力トレーニング、筋力トレーニングが主体で日常生活にかかる負荷を減らす事を目的に行われる。また、日常生活の方法についての教育も合わせて行われる。

おわりに

 今回はごくごく基本についてのみまとめた。詳しくは以下に示しているガイドライン等をご参照頂ければ幸いだ。

 COPDは近年増えており、特に高年の喫煙男性には頻発する疾患で、リハ職としてもCOPDを合併するクライエントを担当することも多くなるだろう。

 是非基本知識を身につけておいて頂きたい。

 また、具体的な呼吸リハビリテーションについては以下の書籍が詳しいのでオススメ。

参考・引用元

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