特別支援教育

放課後等デイでの作業療法士によるシーティング対応の技術

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 最近は大阪府下の放課後等デイサービスへの支援件数が増えている。

 重症心身障がい児デイから、動ける子どもたちだけのデイまで各種色々。

 先日『重度重複障がい児のリハでは姿勢管理とバリエーションが重要』でも書いたように、障がいを持つ子どもたち(特に重度の子どもたち)において、姿勢の管理はボク達療法士の仕事において大きなウエイトを占めている。

 しかし、制度上自宅用・学校用(あるいは外出用など)2台の座位保持装置作製は認められているものの、ほぼ毎日数時間過ごしている放課後等デイなど、その他の場所で使用する座位保持装置の作製は認められていない。(もちろん、市町村によっては特例で太っ腹な作製が認められているかもしれないが…)

 かと言って事業所側には全ての子どもたちにベストな椅子を何台も導入する資金力はない。

 そういう環境の中でボク達は子どもの姿勢管理をしていかなければならないのだ。

 そこで今回はボクが様々な事業所を巡る中で実際に行っているシーティングの内容についてシェアしようと思う。

利用者全体の姿勢管理

 まずはここから始めなければならない。

 放課後等デイを利用する子ども達の日課は大きく変わらないが、利用時間は違っている。

 また、可能な姿勢も人それぞれ違う。

 だれが、どのような姿勢で時間を過ごすことが出来て、どの時間帯におやつを食べて、どの時間に帰るか?を把握した上で順番に座位を取ってもらうしか無い。資源は限られてるからね。

使用する椅子、マット・パッド類の確保

 座位で過ごす時間、腹臥位で過ごす時間など。それぞれに快適な姿勢は違う。

 その事業所にどのような椅子やマット・パッド類が存在して、どれだけその子どもの為に使えるかを把握しておく必要がある。

 それら資源を活用して、子どもたちが取りうる最良の姿勢を提供していく。

具体的方法論

 具体的な内容は個々によって違うため中々お伝えするのは難しいが、ここではボクが浸かっているいくつかのテクニックをお伝えしておこうと思う。

1.ボッジング

 隙間を『詰める』ということ。

 既製品の椅子と子どもたちの身体は基本的にフィットしていない。隙間だらけだ。特に座面はフラットで子ども達の小さなお尻を支えるだけの形状がない。

 お尻が発達していないから普通の座面ではしっかり座れない。

 だから隙間を詰め、安定性を与えることで随分と座りやすくなる。

2.パッキング

 ボッジングは隙間を詰めることだけだけど、パッキングは左右からパックする(挟む)ということ。

 坐骨を中心にパックする。あるいは大腿部を左右からパックする事で臀部の安定性は格段に向上する。

 体幹をパックするのは形状的に難しいのだけれど、可能であれば体幹もパックするだけで抗重力伸展位が取りやすくなる。

3.支えを作る

 足底、手掌・前腕・肘は身体を支える上で重要な役割を果たす。

 健常のボク達の場合、特に支えを使わなくても座位や立位を保持することは可能だが、それでもデスクワークなどする時は手首を支えに使ったり、アームサポートを用いて前腕を支えに使ったりして抗重力伸展位を保持しやすくしたりしている。

 障がいを持つ子どもたちはこれらサポートを必須の場合が多いのだけれど、まずサポートする準備が整っていない(支持として使えない)場合も多い。

 まずサポートとして使える環境を整える必要がある。

 例えば足底がしっかり設置できるためには、足底が設置できる高さである必要があるし、上肢をサポートして使うためにはテーブルなどの台が必要だ。

 しっかりと支持できる環境を作ることで、支持を促していくことが出来る。

おわりに

 シーティングの基本は抗重力伸展位を促すこと。

 適切なシーティングは子どもたちの過ごす時間をより快適なものにしていくれる。

 動ける子どもたちについても同様だ。放課後等デイで宿題をする子どもたちも居るが、やはり既製の(どうしても予算の関係で)安っぽい机と椅子を使って行っている。

 足をプラプラさせていたり、椅子の上にのせていたり、逆に低すぎて膝が曲がりすぎていたり、足を伸ばしていたり。おおよそ適当とは言い難い姿勢で作業をしている。

 姿勢を整えるだけで彼らの作業効率や集中力を上げることも可能だろう。

 予算が許すならより簡単にシーティングできるツールを買ってもらうのもありだね。

 是非とも、子どもたちな快適な時間をシーティングによってもたらして欲しい。ってことで、今回はここまで。ほな、また。

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