書評

自閉症スペクトラム児の行動を理解し、可能性を知る為の良書

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 自閉症児・者の行動は度々『異常行動』や『問題行動』として捉えられ、禁止・抑制の対象となる。

 しかし、それは自閉症児の行動理解ができていない証拠。

 認知症患者の行動にも同じようなことが言えると思うんだけど、これら問題行動には理由がある。

 その理由を理解せずに行動だけを捉えたらやはり問題行動なのだろう。

 ボク達支援者は彼らの行動を理解し、その可能性を知らなければいけない。その可能性を知ることで支援の方針も変わるだろう。

 今回は、彼らの行動理解、可能性を知る上で絶対に読むべき一冊をご紹介したい。

自閉症の僕が飛びはねる理由

 タイトルから分かる通り、自閉症当事者による本。

 ボクは今まで自閉症理解の為にはニキ・リンコさんの著書が最も優れた本だと思っていたけど、超えた。

 ニキ・リンコさんは、軽度自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)なので、いわゆる問題行動と捉えられる自閉症特有の行動はないと思われる。

 しかし、この著者はバリバリの自閉症スペクトラム。

 言語によるコミュニケーションは殆ど取れず、バイバイを手のひらを自分へ向けてするし、タイトルにもあるようにピョンピョン飛び跳ねる。これだけバリバリの自閉症スペクトラム児がこんな本を書いてしまってることがまず驚き!

 しかもその文章力が健常の大人と比べても遜色ない…というより、健常の大人よりも優秀なレベル。語彙力も全く問題ないように思われる。そのことが自閉症スペクトラム児への支援の可能性だと思う。

 そして、この著者自身が自らの行動について解説している。もちろん個人差、性格による違いなんかもあると思うが、ある一例として理解するには非常にわかりやすくまとめられている。

 また著者の目線で、こういう時はこうして欲しいみたいに支援にも繋がる視点を与えてくれるので、自閉症スペクトラム児に関わる支援者にとっては必読の書籍と言える。

Amazonレビューでも高評価

 Amazonのレビューをチェックしてみると1人の心無いレビュー以外は絶賛。一つピックアップしてみる。

自分は今年30歳。子供もいなければ自閉症でもない。ただ、最近その道のプロの方と仕事する機会を頂いたので、少しでも自閉症の人達の事がわかればと思い購入しました。

読んだ感想は圧巻の一言。
読んでる最中はああそうなんだ。でも本が書けるってことは特別な子なのかなー?ぐらいの印象。

いやいや違いますって!
所々に彼の独創的な短編物語が挟まってくる。しかも割と深い。
更に最後には、今までの物語と比べると長めの小説が。

感動です。こんなの書けるってもう凄いよ!東田君おれ感動したよ!!

更にはこの本を海外で広めてくれた小説家の方の言葉が。
マジか。この東田君は言葉を喋ることすらままならず、インタビューの時ですら症状が出てしまうような重度の男の子。しかもこの本を執筆したというのが13歳だから驚き。そーいやそんな事書いてあったけど、マジか。
だからこそ読み終えた時の感動が凄い!!

これから関わってくる人たちの事が知れてよかったです。

 支援者、当事者家族、その他の様々な方々からのレビューがあり、この本の良さが伝わってくる。

 自閉症スペクトラム児に関わる理学・作業療法士には絶対に読んでおいて欲しい一冊だ。

おわりに

 Amazonで自閉症関連の本をチェックしていると、『問題行動への対処』的な本もあることが分かる。

 いや、対処すべきことではなく、理解し支援することがボク達の仕事なわけだから、そういう本は手にしないよって著者に言いたくなる。

 日々、対処法を考えている理学・作業療法士も居たかもしれないが、是非この本を読んで考えを改めて頂きたいと願う。

 ってことで、今回はここまで。ほな、また。

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