特別支援教育

発達障がい児に対する治療は感覚統合一辺倒ではない件

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 タイトルから誤解しないで頂きたいのだが、ボクは別にアンチ感覚統合ではない。

 感覚統合理論に則って治療を行うこともあるし、学生時代はどっぷり浸かって勉強もさせて頂いた。あの時の合宿大変だったなぁ…。

 さて、発達障がいを持つ子ども達の抱える問題は大きく2つに分類することができる。

  1. 個人の問題
  2. 社会との関わりの問題

 感覚が過敏だとか鈍麻ってのは個人の問題。そして、社会との関わりの問題というのは例えば、授業中にじっと座っていられないとか、並んで待てないとかそういった類の問題である。もちろん、個人の問題と社会との関わりの問題は各々個別に起こっているわけではなく、互いに絡み合って起こっていることは言うまでもない。

 そして、子どもたちが直接的に困っていることというのは、恐らく社会との関わりの問題である。

 親は誰しも子どもには、他者から愛される人間になって欲しいと思うだろう。発達障がいを持つ子の親は更にその想いが強いことだと思う。

 子どもの社会との関わりが円滑にできるということは、それはそのまま他者から愛されやすいことになる。

 ボク達は関わる子ども達が他者から愛されるスキルを身につける支援を行うことが重要なのだ。

感覚統合療法は子どもを愛される子どもへと成長させることができるか?

 子どもたちに感覚統合療法を提供することで、子ども達は他者から愛される子どもへと成長できるだろうか。

 ちょっと首を傾げる必要がある。感覚統合療法がそのまま、子ども達が他者から愛される子どもへと成長させるわけではない。もちろん感覚統合療法の中で療法士や両親との関わりのにより社会スキルを身につけて行くことは可能だと思うが。

 感覚統合療法も子ども達の社会スキルを向上させるため用いられるかもしれないが、直接的ではない。

 子ども達の社会的スキルに直接的にアプローチするのはSSTであったり、その他のアプローチ方である。ボクは今絶賛勉強中のコモンセンスペアレンティングを用いて実践している。

発達障がい児へのリハビリテーションを取り巻く環境

 とまぁ、感覚統合療法ももちろん必要なシーンもあるだろうし、冒頭で述べたようにボク自身用いる。

 でも、業界を見渡してみると、どうも感覚統合一辺倒というか、感覚統合やっときゃ良いんじゃね?的な風潮があるように見えてならない。

 百歩譲って、感覚統合やっときゃ良いんじゃね?って思って、真っ当な感覚統合を実践してくれていたら良いけど、決して真っ当とは言えない感覚統合が蔓延しているのだ。

 感覚統合やるのは良いけど、まずはしっかり勉強してほしいものである。

おわりに

 感覚統合療法もまた、その他の神経発達学的アプローチと同様で明確なエビデンスは出ていない。

 しかし、これも他の神経発達学的アプローチと同様で経験的に使えるシーンはある。そしてまた、その効果の程は療法士の腕に左右される。

 だからこそ、主として感覚統合を実践される方々にはもっとエビデンスを出していってほしいと思うし、実践者はエビデンスを意識した取組みを行って欲しい。

 取り敢えずやっときゃ良いってのは専門職のやることではない。

 是非、紳士的に発達障がい児のリハに取り組んで欲しいと思う。

 ってことで、今回はここまで。ほな、また。

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