特別支援教育

理学・作業療法士が注意すべき子どもへの適切な期待について

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 『理学・作業療法士が子どものしつけについて知っておくべき事』でも書いたけど、子どもに対して何か教えるということは、大人が考えているほど簡単なことではない。

 子どもの年齢や能力以上のスキルを求めたり、理解の範疇を越えた言葉を使ったりしがちである。

 子どもができない理由を、そういう大人の怠慢というか、大人目線で決めてしまってはいないだろうか。

 今回は、小児に関わる理学・作業療法士が注意すべきポイント、あるいはご両親への支援を行う上での注意点をお伝えしたいと思う。

子どもへの期待レベルは適切だろうか?

 子どもの年齢や発達年齢について、小児に関わる療法士であれば過剰な程にチェックしていることだろう。

 子どもの発達段階に応じて関わりを変えるのは当然である。

 しかし、それでももう一度確認してほしいのが、子どもに対して持っている課題が適切かどうか?だ。

 掲げた目標、行っている関わり方、それらが本当に子どもに対して適切かどうか?を考えるべきだ。

 中には療法士の期待の高さが、子どものできなささを作っている場合もあるだろう。

 また、子どもにとってその期待が適切かどうか?は年齢や発達年齢・発達段階だけで決められるものでもない。

 その子どもが生活している環境や、関わる人たちとの関係性、子どもの運動スキルなど子どもの期待値を決める要素は多岐にわたる。

 これら期待が適切であることが子どもの成長を促すことに繋がるだろう。

お母さんの悩みは適切な期待の上での事だろうか?

 ご家族の支援を行う上で、まずそのご家族が困っている内容を聞くことだろう。

 その悩みが、子どもにとって適切な期待の上での悩みかどうか?というチェックを行う必要がある。

 例えば、先日3才で自閉症の診断を受けたお子様のお母様から相談を受けた。

 色々なお悩みをお抱えであったが、「こっちの言うことは理解してるけど、言葉を話せない。」というのもその一つ。

 でボクは、そのお子様に言葉を求める事が適切な期待かどうか?をチェックした。

 当然年齢から言えば、言葉を使って会話ができるようになる年齢だ。また、理解のレベルを観察したところ随分理解されているようだったので、やはり言葉を発してもおかしくないレベルだと感じられた。

 だけど、子どもにとって言葉を話す必然性があるか?と考えると、子どもにとって言葉を発する必然性がないのでは?と考えた。

 このお子様が表出する内容をボクは少ししか理解することができなかった。表情の変化も少ないので、怒っているかどうかも分かりにくい。

 でも、これら全部お母様は理解していて、ボクに通訳して下さった。この子どもが生活において、母子間のコミュニケーションが取れていて、母子間以外にコミュニケーションを取るべき対象は殆どいない中で子どもに言葉を求めるのは適切なのだろうか?と考えるとボクは適切ではないのでは?とお母様に説明した。

 来年度から保育園への入園を検討されているとのことだったので、その段階で言葉がどう発達していくか?あるいは周囲との関わりにおいてどのような困難が生まれるか?を見ながら関わっていけば良いんじゃないか?とご提案した。

おわりに

 適切な期待を持つことの重要性については既にご存知の方が大半だと思うし、既に実践されていることだと思う。

 だけど、これこの子にいる?って聞かれた時に答えられない場合があることも事実なのだ。

 今一度、ご自身の関わりが適切か、お子様への期待が適切か見直してみてはいかがだろうか。

 ってことで、今回はここまで。ほな、また。

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