特別支援教育

自閉症スペクトラム児に対するソーシャルスキルトレーニング

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 先日、大阪市内で放課後等デイサービスを運営されている事業所さんから利用者さんのソーシャルスキルトレーニングをやってもらえないか?と問合せがあった。

 で、ボクなりに極力ご協力しようという方向で動いている。

 自閉症スペクトラム児に対する作業療法の第一選択は今も昔も感覚統合療法だ。

参考エントリー:小児に関わる理学・作業療法士の為のトップダウンアプローチ

 だけど、完全にそれで効果を出せているセラピストは皆無と言って良いだろう。もちろん、即時的な変化や単発の機能改善は認められるだろう。治療する人にもよるだろうけどね。

 でも、前出の参考エントリーでも書いているようにトップダウンアプローチで自閉症スペクトラム児の作業療法を組み立てる必要がある。

 すると重要なのはソーシャルスキルトレーニングだ。

 ソーシャルスキルに問題を抱え、困っている子どもや母親にとってこれ以上ないアプローチ法だとボクは考えている。

 今回はそのソーシャルスキルトレーニングの基本についてボクの考えを書きたいと思う。

ソーシャルスキルトレーニングとは?

 色んな書籍やネット、講習会なんかでソーシャルスキルトレーニングの方法について学ばれている方は多いだろう。

 そこで何となくソーシャルスキルトレーニングについてご存知の方も多いかもしれない。でも、これこそがソーシャルスキルトレーニングだと定義づけられる人は少ないんじゃないかなと思う。

 だから今回ボクは簡単に定義付けたいと思う。

ソーシャルスキルトレーニングとは、社会生活を送る上で必要な能力を獲得するための課題指向型アプローチである。

 当たり前でシンプルだけど、こんな感じだよね。

 子どもや両親が困っている『行動』に焦点を当てて、その『行動』を変容させる為の能力を身につける為に、当該課題を直接的に取り入れてアプローチである。

 問題は子どもの場合、その当該行動に焦点を当てて行うアプローチに子どもが乗ってこない可能性があるということ。

 そりゃそうだよね。

 そこで大切になるのは、子どもにとっての当該課題を分析し、要素を取り出すこと。

 例えばトイレをするという課題に対して、そのどの部分が難しいのか、その難しい理由は何なのか?これを分析して、それを遊びの中に取り入れ練習するのがソーシャルスキルトレーニングだ。

ソーシャルスキルトレーニングの実践

 じゃあ具体的にどのように取り組むか?

 ここでもトップダウンアプローチの考えを用いる。

 この子どもや両親がハッピーになるために必要な作業は、その作業を可能とする能力は何かという考え方をしてみるのだ。

 そして、次にその能力を練習するのに適した遊びは何か?

 遊びは無理強いになってはいけない。その時点で遊びではなくなるからだ。子どもは遊びの中で成長する。成長する遊びというのは能動的な遊びの中でである。

参考エントリー:発達障がい児の治療は強いるのではなく遊びの中に組み込むべし

 それでも無理強いするセラピストがいるのは残念なのだけれど、先程の例に戻ってトイレの練習をトイレでやるなんて誰がやるか?って話。いや、まぁ、トイレでの遊びをするなら良いんだけどね。

 こうやって論理的に考え取り組むのがソーシャルスキルトレーニングだ。

 もう少し具体的な内容については別のエントリーで書いているので参照にしてほしい。

参考エントリー:ASD児に対するソーシャルスキルトレーニングの実際

おわりに

 ソーシャルスキルトレーニングは、トレーニングそのものを行う人材としても作業療法士は求められているが、関わる時間や制度の問題上、ボク達はその方法を家族や周囲の支援者に伝えるという役割が求められている。

 だから、ソーシャルスキルトレーニングをものにするというのも重要だけど、それを分かりやすくアウトプットする能力が非常に重要。

 ボク達に与えられる時間は非常に短い。その中で子ども達の抱える課題と原因を把握し、伝えていかなければならない。

 そういう能力も合わせて身につけていく努力をする必要があるね。ってことで、今回はここまで。ほな、また。

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