特別支援教育

小児に関わる理学・作業療法士の為のトップダウンアプローチ

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 トップダウンアプローチやボトムアップアプローチってよく聞く言葉だけど、よく知らないって人も居るんじゃないかな。

 聞いた話だと、養成校の教員もよく知っていない人がいて間違ったことを教えているケースもあるらしい。(あくまで噂)

 ってことで、今回はトップダウンアプローチとボトムアップアプローチについて簡単に説明した後に特に小児に携わる療法士はトップダウンアプローチを意識すべきだって話をしたいと思う。

トップダウンアプローチとボトムアップアプローチについて

 トップダウンアプローチとボトムアップアプローチ、その語源を調べてみたけど、どこから出てきた言葉かは分からなかった。

 でも、主に金融業界や経営において用いられる事が多い言葉である。

 投資においてポートフォリオを組む際、マクロ(巨視的)から考えるか、ミクロ(微視的)から考えるかの違いである。

 マクロから考えはじめて、ミクロへと(思考の視点を)移行していくのがトップダウンアプローチ。ミクロから考えはじめてマクロへと移行していくのがボトムアップアプローチということ。

リハビリテーションにおけるトップダウンアプローチとボトムアップアプローチ

topdown-botomup

 この図はボクがまとめたトップダウンアプローチとボトムアップアプローチを表したもの。

 クライアントがどういう状況になればハッピーか?から考えはじめて、その為にはどうすべきか?を考えていくのがトップダウンアプローチ。

 神経・筋・骨格系などのヒトの構成要素の中で問題点を見つけ、その機能を向上させることで、クライアントのハッピーを目指すのがボトムアップアプローチ。

 現状、ボトムアップアプローチのエビデンスはまだまだ根拠が薄いものが多い中、トップダウンアプローチに関するエビデンスは揃いつつある。

 で、以下の文献でまとめられている。

参考:Effectiveness of occupation-based interventions to improve areas of occupation and social participation after stroke: an evidence-based review.

 これは脳卒中後の作業療法に関するエビデンスで、他分野ではまだまだだけど、トップダウンアプローチの有効性においては応用できるんじゃないかなと思う。

 だからと言ってボトムアップアプローチがダメなわけではなく、ボトムアップアプローチも大事。

 ボクの中ではトップダウンアプローチをベースで行い、ハッピーを目指すけど、精度を上げるとか、ピンポイントの機能・能力を向上させる事でクライアントのハッピーが促進されるシーンではボトムアップアプローチを使う。

小児領域におけるトップダウンアプローチ

 なぜ今回、小児領域における療法士がトップダウンアプローチを意識すべきということをお伝えしようと思ったかというと、どうもボトムアップ一辺倒な傾向にあるんじゃないかなと思ったから。

 例えば、自閉症スペクトラム児やLD・ADHD児へのアプローチが感覚統合療法一辺倒になりがちだったり、機能面の問題点をピックアップする傾向にあったりするんじゃないか?と。

 特に身体障害を持たない子どもたちは、健常児にあるような(大人から見ればおかしな、意味不明の)行動を問題点としてピックアップされやすい。

 正常発達を理解しているはずの療法士でも気付け無い正常と異常の境目が存在するのが子どもなのだ。

 だからこそ、そういう細かい問題に目を向けるのではなくて、この子が、あるいはその親がどういう状態になればハッピーなのか、今何に困っていて、その困っていることを如何にして解決していくか?という視点が重要なのだ。

おわりに

 子どもにとってのハッピーは健全な大人になることであり、親にとってのハッピーは子どもの健全な発達である。

 もちろん「健全」の意味する所は人によって、家族によって違う。

 昔みたいにいい学校に入って、いい会社に入って、定年まで務めて…という幸せの形はとうに崩壊している。

 仕事とは、幸せを形成する一部にすぎない。

 子どもにとって、両親にとって、幸せな形はどんな状態かを知らずして、アプローチっすることは出来ない。だからこそ、トップダウンアプローチの視点を忘れずに子ども達とか変わって頂きたいと思う。

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