実習・国家試験対策

理学・作業療法学生の実習に親がしゃしゃり出るってどうよ?

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 今日はハロウィンってことで、少しホラーな話をしようと思う。

 昨日、実習に不合格になりそうな学生の親から相談メールが届いた。

 今期2度目のホラー?である。苦笑

 ボクはブログでブラックな実習はダメで、実習の不合格は指導者の責任だと言っているから、不合格になった人やなりそうな人から連絡があってもおかしくないと思っているし、本当に実習に問題があるなら、共に戦ってあげるくらいの気概を持っている。

 ただし、それは学生本人が、自分でボクのブログを調べて、どうしても理学・作業療法士になりたいからという意思がある前提である。

 ただ、今期2度の親からの相談は学生本人は辞めたがっていて、親が無理矢理なんとかしようとしているケースなのだ。これにはもうお手上げ。ボクにはどうすることもできない。

 ってことで、今回は今の実習のあり方とやボクの立ち位置を明確にしておきたい。

親はしゃしゃり出ないで頂きたい

 確かに学生は親のお金を使って学校に通っているケースであるから、留年・退学とかってなったら親も黙っていられないだろう。

 だけど、親にとって学費って投資であるわけだから得することもあれば損することもある。

 まぁ、高校卒業までくらいは「投資」ではなく「義務」の面が強いから、親の責任として卒業させる必要はあるかもしれないが、厳密に言えば中学校さえ卒業させたら義務からは開放されるのだ。

 高校に行きたければ自分のお金で、大学・専門学校へ行きたいのであれば自分のお金でって言っても問題ではないし、実際そういう学生も居るだろう。

 それでもお金を出すのは、もはや子どもの未来に対する親の想いとでもいう範疇だ。例えば留学して、実績を積んで、外資系の会社で活躍できるような人材になったならその投資は身を結んだことになるだろうし、留学したは良いが語学力も全く身につかないまま帰ってきたら投資は失敗したと言えるだろう。

 例えば30を過ぎたボクが自分の意思で行きたいと思う大学院の学費を親に負担してもらおうなんて考えたこと無いし、仮に申し出られて断るだろう。しかし、高校卒業したばかりの人間はお金もないし、実績もないから親にすがるしかない。絶対損をさせないから出して欲しい。というのが筋である。

 だから、不合格だとか、留年・退学という「投資の失敗」は親子の問題であり、親が学校や実習地に文句を言うのはお門違いなのである。

学生は親に損をさせたくない!という想いで本気で頑張っているか?

 本気で親が学費を出してくれていることに感謝して、絶対損をさせない!という意思があったなら学生はどんな手段を使ってでも合格しようとするだろう。

 辛いことがあっても、勉強や実習が大変でも、合格するための手段は厭わないはずである。

 ボクが学生の頃、別に貧乏人が学費の高い学校を選んだわけではないけど、絶対にストレートで合格する!という強い意思だけはあった。それはもうそれなりに大人なんだから親に迷惑をかけたくないという想いがあったからだ。

 だから、勉強も頑張ったし、実習も辛い思いをしながらも頑張った。ストレートで卒業したし、再試験などの余分なお金は使わせなかった。これこそが親に学費を出してもらったけじめだと思っていたからだ。

 そこまでの思いがあって不合格になるのと、そうでなくて不合格になるのとでは雲泥の差がある。

 ってか、きっとそこまで本気なら不合格になることはないはずだ。もし、こんだけ本気だったのに不合格になったとしたら学校や実習地に問題がある可能性が高いから是非自分で連絡してきてほしい。

ブラック実習反対!という理由

 ボクがブラックな実習反対!と声をあげるのは、ブラックな実習を強いられる学生の為だけではない。

 昔に比べて今はブラック実習も少なくなっていると思うが、昔は当たりを引く方が難しいくらいどの実習地でも厳しかった。ボクが実習を受けた十数年前でも随分マシになっていたのだと思う。二十年前に実習を受けた先生方からしたら、今は優しすぎる位だろう。

 しかし、教育も発展し厳しい指導=学生の成長ではないことはもはや明白である。

 学生指導もエビデンスベースで行われるべきだし、教育学や指導法の発展に伴って実際の方法も変わるべきだ。そしてその結果、厳しい指導だけが正解ではない世の中になっている。

 にも関わらず、根拠のない厳しい指導は単なるパワハラだから辞めた方が良いと言っているまで。指導者が根拠を持って厳しい指導(パワハラではなくあくまで指導)しているなら、それが学生の成長に繋がる方法論なのだろう。

 ブラック実習は指導者の無能さを晒す行為だから辞めたほうが良いと思っている。「学生の為」だけを考えるなら少々の厳しさは乗り越えてほしいくらいだとも思う。だって社会人になったらもっと厳しい世界が待っているんだから。

 ただ、学生の成長を考えることも理学・作業療法士の大切な仕事。最終的にクライアントの人生に関わるからだ。将来のクライアントに粗相が無いために指導する。

 その指導のあり方を、学生本人や養成校からならまだしも、親がしゃしゃり出て文句をいうのは違うと思っている。

 もし自分の受けた指導に疑問を持つ学生が居るなら、しっかりと相談にのるし、その結果明確な指導上の問題があり、その結果不合格などになっていたりするなら、その対策の援助もする。しっかりと頑張っている学生を守るためならどれだけだってボランティアするよ。でも、親から連絡が来ている時点でボクの中では、実習地や学校の問題ってより、学生本人の問題だろうなって思うよね。

おわりに

 今でも根拠のない厳しい指導によって、合格レベルの学生が不合格になっている事はあるのだと思う。でも、間違いなく少数。実習中止になるようなおバカさんではない限り、実習が不合格になるってのは相当な根拠を持ってしかできない。それくらい学生の人生において衝撃的な出来事だからだ。簡単に不合格を出せる指導者なんて居ない。(参考エントリー:寝坊しても実習中止にしないが、こんな事したら不合格かも!

 それでも不合格になるってのはやっぱり学生に責任があると言わざるをえない。(参考エントリー:理学・作業療法実習を落とす(不合格になる)学生の特徴とは?

 もちろん学校の判断で「実習不合格になるレベルの学生を実習に出さない」というのがあるべき姿だと思うけど、結果がどうなるか分からないという不確定要素がある以上、実習に出さないという判断はし辛いものである。

 ま、それで困るのは実習先なんだけど。

 親もしゃしゃり出るなら、自分が投資した、我が子に対して文句を言うべきだ。

 企業も売上が芳しくなかったら銀行から文句を言われる。それと一緒だ。

 もし不合格になったら融資を全額引き上げるぞ!というプレッシャーをかけておけば、子どもも頑張るでしょうよ。

 親は決してモンスターになることなく、子どもに本当にやる気があるのか?を見極めて投資すべきだし、その運用実績が芳しくないなら子どもとしっかり話し合うべきである。

 退学するにしても、続けるにしても子どもの思いを尊重して、しっかりと頑張れる支援をしてあげてほしいと思う。

 ってことで、今回はここまで。ほな、また。

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