こんにちは。作業療法士の中野です。
ボクは今までチームとは作るものではなく、出来上がるものと捉えていた。
リーダーが理念を元にミッションを追っていたなら、それに追随する仲間が集まり、チームになっていくと。
しかし、実際の企業やチームにはその集団に所属する意図や目的がバラバラなのが実際。
昨日、京極先生のブログを読んで今までチームワークとか、チームビルディングについて科学的に分析したことがなかったことを反省した。
特に地域で働く上ではチームワークが重要だ。事業所内のチームワークはもちろん、事業所間のチームワークも重要。
しかし、それが上手くいかないからボクの提案としてはルールを作ってしまいましょうというもの。
参考エントリー:理学・作業療法士が「連携」する為のルール作りについて
「同じ目的で何事かをしようとするものが、連絡をとり合ってそれを行うこと」が連携であり、連絡に必要な「思いやり」が欠けている昨今だからルール作りがいるんじゃね?って話。
でも京極先生のブログを読んで、「そもそも同じ目的で何事かをしようとしているか?」という部分を考えるのを忘れていた事に気付いた。
同じ目的で集まっているが、思いやりがないだけならルール作りで何とかなると思う。しかし、そもそも集団が集団である目的がバラバラであったなら連携などできるはずがなかったのだ。
今回は、チーム作り、チームビルディングについてボクが考えたことをシェアしたいと思う。
そもそもその集団にあなたが居る理由は何か?
あなたは何故今の職場を選んだのだろうか?
これは一人ひとり違うと思う。
「勉強できると思ったから」「休みと給料が条件に合ったから」「慕っている先生が居たから」「友人に誘われたから」…などなど。多種多様だろう。
つまり、職場の連携が上手くいかないのは、みんながそれぞれ違う目的で集まっているからだ。
目標の共有がチームワークが生まれる重要なファクターだという研究結果が国内外から多数上がっている件は京極先生のブログをご参照頂きたいが、その目標は『後付け』である可能性が極めて高い。
最初から同じ目標を持った人たちが集団を形成するなど殆どありえない。病院のような大きな組織になればなるほど、余計に難しいだろう。
後付けの目標をどのように共有するか?
ボクの会社のように始まったばかりの会社であっても目標の共有ができているかといえば決してできていない。起業しちゃうほどの目的意識があれば、既に起業していて従業員になどならないからだ。
「経営者は孤独」と書籍やネットで往々にして言われているが、それは仕方がないことであり、当然。
だから諦めろ。じゃなくて、ではどうすれば良いか?を考え、実践できるからこそ目標が共有できるのではないだろうか。
まずは目標の形について考えてみたい。
馬鹿でかい漠然とした目標に人はついてこない
チームビルディングをする上で参考にするチームの一つに『麦わら海賊団』が上げられる。
『海賊王に俺はなる!』というルフィの馬鹿でかい目標にレベルの高い仲間たちが慕っている。ルフィは色んな形で仲間たちから信頼を勝ち取り、リーダーになっていく。
ま、理想だわな。
でも、ゾロやサンジやナミのような従業員がいる中小企業なんてないわけで。社長がトップセールスマンなんて会社がザラなわけで。
海賊王に俺はなる!と言っても、あっそ、勝手に頑張ってね。って感じになってしまう。
ボクもルフィタイプで世界中の子どもたちを笑顔にするんだ!なんてバカな事を本気で考えているが、あっそ?バカじゃね?ってボクが従業員なら思うだろう。笑
大切なのは目標の細分化。それをどのようにして達成するか?という具体的なプランが必要になるだろう。
「ま、そんな事くらいなら乗ってやっても良いよ」ってな感じだよね。
社長もプライドがあるから、多くの中小企業がブラック化してしまうのは、その目標を恐怖政治で成し遂げようとしてしまうから。雇ってやってるのに何で俺が従業員にヘコヘコせなあかんねん!って思ってしまう気持ちも分かる。だけど、それをやっている間は絶対にチームワークなど生まれない。従業員が動いているわけではなく、動かされているからだ。
理想的な目標の形とチームワークによる目標達成
チームワークなんて一朝一夕で出来上がるものじゃないというのを教えてくれたのはマンガ「Major」のゴロ君の言葉である。
小さな目標をコツコツと頑張って達成していき、その結果大きな目標を達成する。その経験の上でチームワークというのが生まれる。
こういう事を考えると小さな目標達成を積み重ねていくプロセスが必要だという事が分かる。人間が苦手な『継続』の先にこそチームワークは生まれるということだ。
では、どうやって継続的に目標に対して取り組めるか?
1.小さな行動目標を淡々とこなす事
この答えは決して「モチベーション」ではない。モチベーションに頼らないといけない仕事は長続きしない。ダイエットも多くの人が失敗するのはモチベーションが続かないからだ。
だから、モチベーションの必要ないレベルに目標を細分化する必要がある。例えばお茶碗のご飯を一口分だけ減らすとか、チョコは1日1個だけとか、人によってモチベーションの必要ないレベルってのは違うから従業員それぞれの能力や特性を知っておかなければ目標は細分化できない。
「淡々と取り組めるレベル」ことこそ、目標達成のコツだ。目標は行動により達成されるわけだから、淡々と行動できればいつかは達成する。
その行動の質と量を調整し従業員に取り組んでもらうことで次第にチームワークは生まれるだろう。
2.同じ方向を向いているという意識
大きな目標だけをドカンと掲示されても、先ほど書いたように「はぁ?」の世界である。
しかし、小さな目標を淡々とこなした先に大きな目標が近づいてくるというプランが明確に掲示されていたら、それぞれが同じ方向を向いて頑張っているという意識になれる。
同じ作業を全員がやっているなら、共有意識も持ちやすいだろうが、業種によってはそういうわけにも行かないだろう。
そういう場合は、場の共有だったり、制服の共有だったりで、目標を共有している、同じ方向を向いているという意識付けをあえて行うことで得られやすいかもしれない。
個人個人が淡々と別の事をやっていてもチームという意識は持てない。だから、そういう状況であってもチームでやっているという感覚を持てるような工夫は重要ではないかと考えられる。
おわりに
ちなみに、ボクはこの作業を大の苦手としている。人を雇用する立場にいるにも関わらず苦手というのは大きな失点である。
だから今まで避けてきた。一人でやれる所まで一人でやってきた積り。いや、まだまだ一人でできることも沢山あるだろうと思う。
だけど、一人でできることには間違いなく限界があって、その限界に当たってから取り組むのと、今から取り組むのとでは心の持ち方がぜんぜん違うんじゃないかな?と思って今は、少しずつ取り組み始めた所。
本当に一筋縄ではないかないし、最終的に上手く行く保証もない。だけど、どうやったら上手くいくか?だけを考えて取り組むのは一種の取り柄なので、コツコツ頑張っていきたいと思う。
恐らくこの分野に関しては、一発で上手くいく魔法のメソッドなんて存在しないだろうから、ボク自身が少しずつ成長するしかないのだろうと思っている。
ってことで、今回はここまで。ほな、また。