哲学・科学・理論

作業療法のクライアントは誰か?についての検討

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 小児領域で作業に根ざした実践を行おうと思うと、かなり制約が出る。

 これは重度の認知症者などにも当てはまるが、言語的なコミュニケーションを取れないクライアントにも当てはまるだろう。COPMを利用しようと思っても面接ができない。

 この際、クライアントの作業をどのように評価するか?が難しくなるんだけど、こういうシーンで検討すべきは作業療法のクライアントは誰か?ということである。

 今回は先日の研修会で吉川ひろみ先生から頂いたアイデアをシェアしたいと思う。

作業療法のクライアントは当事者だけではない

 普通の商売で考えると対価を支払う人が顧客である。

 しかし、作業療法は多くの場合医療保険や介護保険から7〜9割支払われるから顧客は国ってことになってしまう。でも、そうじゃない。

 だから、その保険が降りる当事者が基本的にはクライアントとなる。

 では、自己負担分を支払うのは誰か?それは多くの場合家族だ。当事者が子どもなら両親が負担する。

 そう考えると当事者だけが顧客ではないということが分かる。

作業療法のクライアントはサービスを欲する人

 ボクは今までこういう捉え方をしたことがなかった。

 一般社会においてはお金を支払わなければサービスは受けられないからだ。

 しかし、作業療法は当事者だけのものではない。

 子どもで考えれば両親や兄弟もそうだし、保育園や学校の先生もそう。その他にも居るかもしれない。

 つまり、作業療法は当事者だけでなく、幅広く多くの人に必要とされていると言えるだろう。

 子どもの場合、作業療法を欲しているのはもちろん子ども自身もそうだけど、親のほうがより欲しているだろう。

 こんな事いうと、そんな事ないって人もいるけど、これは無理矢理習い事をさせられている子どもを考えれば納得できる。

 習い事や塾は多くの場合、子どもよりも親の想いが強いよね。つまり、サービスをより欲しているのは親。

 だから子どもが当事者の場合、親がクライアントにもなりうる。作業療法サービスを展開する際は、まず誰がクライアントか?誰が一番作業機能障害を起こしていて、誰がサービスを欲しているか?が重要だ。

おわりに

 作業療法を実践する際、当事者が中心になるのは当然である。だから、家族や周囲は「家族も」とか「先生も」とかって扱いになる。

 しかし、考えるべきは誰が一番ボク達のサービスを欲しているか?を考えれば当事者の権利で保険サービスを受け取るが、当事者以外がクライアントにもなりうるということだ。

 クライアントが複数人という事もありえるだろう。

 ボク達はまずクライアントの選定から行うべきなのだ。

 ってことで、今回はここまで。ほな、また。

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