評価と治療

座位での中殿筋の役割と理学・作業療法士による治療とは?

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 先日は、『歩行の立脚期(LoadingResponse)における中殿筋の働きと治療』 というエントリーを書いたが、中殿筋は別に歩行の、特にLoading Responseにおいて働いているわけではない。

 座位においても重要な働きを担っている。

 今回は、座位における中殿筋の働きと、治療についてまとめてみたいと思う。

座位における中殿筋の役割

 座位時の支持基底面(BOS)は臀部である。足がついていれば足部もそうなるし、手や肘をついていればそこも支持基底面になる。

 背もたれがあれば背中や頭もBOSになり得るが、臀部は絶対支持基底面になる。

 臀部を支持基底面に使うということは、座面と坐骨を安定させる必要がある。

 坐骨を座面に対して対して安定させる際に働くのが中殿筋である。そして、座面に対して坐骨を安定させるというのはすなわち股関節を安定させるということに等しい。

 股関節の安定性が得られれば膝関節・足部のアライメントも整い、BOSが安定する。

 つまり、座位におけるBOSを安定させるには中殿筋の働きは大きな役割を占めている。

座位における支持基底面の評価

 臀筋群が上手く働かなければ、座位時臀部や大腿部がぺしゃんこになってしまう。太ももの筋肉が広がるようになる。

 感覚的な表現になってしまったが、これは療法士各人であればご理解頂けると思う。

 そのような状態だと大腿骨が左右にブレる。例えば痙直型のお子さんであれば内転筋群の痙性が高いから内転が強くなる。アテトーゼ型のお子さんであれば低緊張がベースにあるので外転・外旋方向に流れる可能性がある。CVA後片麻痺の方であれば、中枢部は低緊張であることが多いので外転・外旋位になりやすいかもしれない。

 片麻痺の場合、確実に左右差が生まれるので、座位姿勢が傾く。中殿筋が働いていなければ股関節上に骨盤をキープすることができず、崩れてしまう。なので、非麻痺側へ重心を偏位させることで代償しようとする。

 両側が低緊張の場合、坐骨で重心を支えることを諦め骨盤を後傾させ仙骨で安定を得ようとするかもしれない。

座位における中殿筋へのアプローチ

 中殿筋の活動がなければ、臀部を支持基底面として使うことができない。

 なので、ボク達は中殿筋を活動させる必要がある。

 筋収縮が起こらない原因は、脳からの命令が適切に筋に届いていないからだ。筋収縮が起こるレベルの命令が届いていないということである。

 生理学的に言えば閾値に達しない程度の刺激しか伝わっていないということだ。

 なので、ボク達がその刺激を助ける必要がある。

 方法の1つは筋が働きやすいようにポジショニングすること。

 そして、もう1つが筋紡錘を刺激して筋収縮を促したり、触覚かもしれないし、聴覚刺激(口頭刺激)によるものかもしれない。何かしらの感覚刺激を通じて収縮を促す。

参考エントリー:ボバース概念に基づくハンドリングを行う際に必要な知識

おわりに

 中殿筋がとっても大事な働きをしてくれることはご理解頂けたと思う。

 治療については色んな方法があるかもしれないが、取り敢えず試す価値はあると思われる方法をお伝えした。

 是非、中殿筋の活動が乏しく坐位が不安定になっているクライアントがいたら試してみて欲しい。

 ってことで、今回はここまで。ほな、また。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします