3学会合同呼吸療法認定士

呼吸はどのように起こる?解剖・運動・生理学的基礎について

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 最近は頭から呼吸の事が離れない。色々やらないといけないことがあって大変だけど、少しの合間をぬって本を読んだり、ググったりしている。

 お客さんがいないのにサービスだけ拡充している感じが経営者のやることじゃないなぁと思うけど、知的好奇心が止まらないのだ。笑

 って、そんな事書いてたら看護師さんに怒られてしまうので、このエントリーを書き終わったらちゃんと仕事しようと思う。

 さて本日は、どのようにして呼吸が起こっているか?という基本的な知識についてまとめようと思っている。

 呼吸の解剖・運動学を理解することで、特に呼吸リハビリテーションを行う上での視野が拡がるだろう。

 ご存知の方にとっては当たり前過ぎる内容だが、ボクのようなおバカちゃんには勉強になる内容になっていると思うので参考にして頂ければ幸いだ。

呼吸の動きを感覚的に捉える

 まず上の動画を見て欲しい。

 呼吸がどのような動きによって行われているかが感覚的に理解できるのではないだろうか。

 次の動画は、少しどのような気管が呼吸に関わっているか?についての解説も加えられており、分かりやすくなっている。

 呼吸には様々な筋肉が関わっているが、肺自体が運動を行っているわけではない。基本的には横隔膜と外肋間筋によってもたらされている。

 横隔膜は肺を広げ、外肋間筋は胸郭を広げる。肺と胸郭が拡がると圧力で空気が引っ張られ吸息運動が起こる。呼息運動はほぼ自動で肺が萎み、且つ胸郭が戻ることで起こっている。

 つまり、基本的に無意識的に行っている呼吸はほぼ横隔膜と外肋間筋の力だけで行っているのだ。

呼吸の基本的解剖・運動・生理学

 この動画は、呼吸がどういうメカニズムで、どういう器官を使って、どのような運動が起こることによって起こっているか?という呼吸の基本的な解剖・運動・生理学情報を提供してくれている。

 中学生にも分かるような内容で解説されているので、まずは見て欲しい。

 呼吸は呼吸中枢からの命令により、横隔膜を主とする呼吸筋の運動により、胸郭や一部脊椎の運動を伴った肺の収縮により起こっていることが理解できるのではないだろうか。

 この当たりの内容をもう少し詳しく解説しようと思う。

呼吸の解剖学

 呼吸はガス交換を行う肺と、それを包んでいる胸郭との総合的な働きによって起こっている。

 まずは胸郭。

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 胸郭は胸骨、肋骨、脊柱、鎖骨によって構成される鳥かごのような構造である。底に横隔膜があり、横隔膜の上の胸郭内を胸腔と呼ばれる。

 呼吸はこの横隔膜の運動を主として行われている。

 そして、肺。

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 気管・気管支を通過し空気が運ばれる肺は左右2つ存在する。

 肺は、右に3個の肺葉(上葉、中葉、下葉)、左に2個の肺葉(上葉、下葉)を持つ。

 吸息運動により体内に取り込まれた空気は気管を通り、気管支で分岐し左右の肺に運ばれる。その先の細かい部分に関しては先の動画で解説されている通り、肺胞へと運ばれ毛細血管との間でガス交換が行われる。

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 次に気管と気管支について見てみよう。

 気管は第4胸椎の高さで左右に分岐する。右は太く短い気管支で左は細く長い。右が垂直に対して約25°の角度で分岐しているのに対し、左は約45°の分岐角である。この構造的特徴により、誤嚥は右の方がしやすい。

 その後更に分岐を繰り返し、各肺葉へと分かれ、約7〜9回分岐したところで、肺小葉に分布する小葉気管支となる。更に分岐を繰り返し17〜19回のところで気道としての終末である終末気管支となる。一本の終末気管支が支配する肺の最小単位を肺葉と呼び、これが数個〜数十個集合したものが肺小葉である。

 終末気管支が2回分岐し2〜4本の呼吸細気管支となり、呼吸細気管支が通常3つの肺胞管へ分かれ、肺胞管の先端に通常3つの肺胞嚢を作る。肺胞嚢が多数の肺胞によって壁を作り、その肺胞と毛細血管との間でガス交換が行われているというわけだ。(下図参照)

画像引用元:ノバルティスファーマ株式会社
画像引用元:ノバルティスファーマ株式会社

呼吸の運動学

 先程も書いたように呼吸運動は基本的に横隔膜と外肋間筋の働きによって行われている。

oukakumaku横隔膜

gairokkan外肋間筋

 その他、呼吸に関連する筋は呼吸補助筋として、深呼吸や努力性の呼吸を行うときなどに使用される。それぞれの分類は以下の通り。

深呼吸に使われる補助筋 努力呼吸に使われる補助筋
吸気時 斜角筋、胸鎖乳突筋、肋骨挙上筋、脊柱起立筋群
呼気時 肩甲挙筋、僧帽筋、菱形筋、大・小胸筋、前鋸筋 内肋間筋、腰方形筋、下後鋸筋、腹筋群

呼吸の生理学

 成人の一分換気量が5〜6lだとすると、1回換気量が400〜500mLで、呼吸数が12〜15回/分に保たれている。これらは全て呼吸中枢による制御である。

 呼吸中枢は延髄網様体にある。その呼吸中枢で以下のような働きがなされる。

画像引用元:看護師・看護学生のためにお役立ちサイト
画像引用元:看護師・看護学生のためにお役立ちサイト

 呼吸中枢への受容体には①化学的受容体と②機械刺激受容体の2種類がある。化学的受容体は頚動脈小体、大動脈小体にあり血液中の酸素・二酸化炭素の濃度を、機械的受容体(胸郭に存在)は肺の膨張・萎縮の状態を感知している。

 この仕組みを用いて呼吸中枢では以下の3つの調節を行っている。

  1. 動脈血酸素分圧(Pao₂基準値:80~100㎜Hg)
  2. 動脈血二酸化炭素分圧(Paco₂基準値:35~45㎜Hg)
  3. 水素イオン濃度(pH基準値7.35~7.45)

 呼吸の正常/異常を見分ける際の指標にもなるこれらの値をボク達は知っておく必要がある。

おわりに

 呼吸リハを行う上では知っておくべき本当に基本的な内容だと思う。

 ちなみに、3学会合同呼吸療法認定士のテキストにはもっと多くの内容が書かれているので、ここにあるのは本当の基礎の基礎。

 でも、まずこの内容を知っておかないと他の全ての内容が理解できないと思われる。

 この基本を理解した上で全てのリーズニング、手技を行えるようにしておきたいものである。

 ってことで、今回はここまで。ほな、また。

追伸…3学会合同呼吸療法認定士の受講志望者、受験準備中の方は必見

 3学会合同呼吸療法認定士を受けようと思った人がまず読むべきエントリーとして、関連記事をまとめているので良かったら併せて読んでみて欲しい。

参考エントリー:3学会合同呼吸療法認定士の「申込,講習会,試験」関連まとめ

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