特別支援教育

自閉症スペクトラム児に対する最新治療に関する知見

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 本日は、自閉症スペクトラム児・者の治療の最新知見や予防について調べてみたので内容をシェアしようと思う。

 先日からお伝えしている通り、自閉症スペクトラムの原因は明確にされていない。

参考エントリー:自閉症スペクトラムの原因と診断について

 要するに治療法も確立されていないのが現状だ。では、そんな中医療は何も手を付けられていないのか?と言えばそんなことは無い。

 自閉症スペクトラム児に対する治療や予防に関する研究も日夜進んでいる。

トピックス!オキシトシン点鼻薬による症状緩和

 自閉症スペクトラムの原因は遺伝的要因と環境要因の相互作用的なものであると考えられている。しかし、具体的にどの遺伝子が?とか、どの環境要因が?というのは未だ明確にされていない。

 その中でも、画像解析などの技術発展に伴い、自閉症スペクトラム児が脳のどの部分で問題を抱えているのか?などについては徐々に解明されつつある。

参考:自閉症スペクトラム障害児における脳活動の特徴を捉えることに成功

 これらの研究成果から、自閉症スペクトラムにおいて内側前頭前野の機能が低下しているとの情報に基づき、オキシトシンはその活動を活性化し、対人コミュニケーション障害を改善させることが示された。

参考:自閉症の新たな治療につながる可能性 東京大学

シナプスの「刈り込み」作用を回復

 自閉症スペクトラムは何らかの遺伝的要因により、大脳皮質のタンパク質に問題を起こし、皮質形成を阻害するとされている。

 通常、脳では学習が進めば新たなシナプスが形成され、使わなくなったシナプスは「刈り込み」作用によって除去される。しかし自閉症スペクトラム児においては、この刈り込み作用が阻害され、シナプスが過剰に存在しているとされている。

 マウスの実験により、薬剤投与によりシナプスの刈り込みを阻害しているタンパク質の作用を抑制することで、自閉症的行動が減少したという結果が得られたという報告がある。

参考:薬剤でシナプスの「刈り込み」回復、自閉症治療に可能性 米研究

 この研究では、自閉症スペクトラムが後天的要因により起こっている事を示唆しているが、先天的に起こっているというエビデンスも存在するため、一概には言えないと個人的には思っている。

腸内環境の治療

 近年腸内環境、腸内フローラなんていう言葉をどこでも見聞きするようになったし、関連商品も多数販売されている。

 人の健康にとって、それくらい腸内環境というのは重要であるということだ。

 その腸内環境と自閉症スペクトラムの症状に関連があるという報告がある。

参考:自閉症の生物学研究~自閉症と腸内細菌

 腸内環境の改善が自閉的症状を減少させるということを示唆している。

その他薬物療法

 根本解決をするためではなく、自閉的症状を減らしたり、合併率の高いてんかん治療の為に様々な薬物が処方されるケースがある。

参考:発達障害の子どもの薬物療法について教えて下さい。 日本小児神経学会

 あくまで対症療法ではあるが、リハビリテーションとの相互作用などを考えると、少なからず必要であると感じている。

おわりに

 原因が解明されていない以上、治療は対症的なものになってしまうのは仕方ない。

 しかし、オキシトシン点鼻薬の研究などは日本中で行われており、今後主流になる可能性は十分にあるし、薬で症状を緩和させることにより、生活上の不具合が軽減すれば本人はもとより、介護疲れが懸念される両親や介護者の負担軽減にも繋がる。

 また、本エントリーでは取り上げていないがリハビリテーションの介入しやすさにも繋がると考えられるため、相乗効果が期待される。

 もちろん原因究明が進み、根本解決の為の治療が開発されることが最も望ましいが、対症療法が進化することも重要だ。

 そしてボク達はその知識を用いて、自閉症スペクトラム児に対するリハビリテーションをより効果的にしていくという責務がある。その為には、このような最新情報に目を光らせておくことは重要だろう。

 ってことで、今回はここまで。ほな、また。

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