評価と治療

ボバースコンセプトに基づく治療における課題選択の条件

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 理学・作業療法場面において、課題(TASK)の選択というのは非常に重要であることは言うまでもない。

 クライアントの目標とする作業、あるいは必要とする作業、その作業を遂行する為に必要な作業などなど。

 様々な条件を考えながら課題を選択する。

 今回はボバースコンセプトに基づく治療の中で課題選択における一つの条件というか、考えるべき要素について書こうと思う。

運動学習を促進する課題とは?

 クライアントに何かしらの運動を行ってもらう際、療法士の目的は運動学習となる。

 その運動学習を促進する課題がベターだ。

 運動学習の一部を司る小脳において、課題は難しすぎても、簡単すぎても学習効果はないという研究結果があるようである。

 クライアントにとってちょうどいい(努力が必要で、自分の能力の少し上くらい)の課題において運動学習は促進されるというのだ。

 「ゴミをゴミ箱に入れるという課題」を考えてみよう。

 例えば10mも離れているゴミ箱にゴミはどう頑張っても入らない。つまり、これでは運動学習は起こらない。

 逆に、手元でポロッと落とすだけで入るとしたらどうだろう。これもこの課題に対する運動学習は起こらない。

 適度な距離(3mくらいか?)とゴミの適度な重さがあり、それに課題に取り組む人間の能力が合わさって少し手前にゴミが落ちたり、少し遠くに落ちたり、右にずれたり、左にずれたりという経験の中でこそ運動学習は促進されるというのだ。

 クライアントに努力のしがいのある課題をボク達は提供できているか改めて考える必要がある。

課題と能力のバランス調整

task

 先ほど課題は能力に対して少し難しい程度という事を書いた。

 ボバースコンセプトに基づいて治療する際、この能力というのは「姿勢制御能力」のことである。

 姿勢制御がどの程度できるか?クライアントの能力に対して、この課題の難易度は高すぎないか?あるいは低すぎないか?を考える必要がある。

 しかし、場合によっては能力に見合わない課題を目標としていて、その課題に取り組む必要がある場合もあるだろう。そういう時は同摺ればいいか?

 それは課題遂行に必要な姿勢制御能力を何かしらの方法でカバーすることである。本来は立位でする作業を座位でやるとか、あるいは前にテーブルを置いて上半身の重みをサポートした状態でやるとかがこれに当たるだろう。

 課題の難易度を調整(グレーディング)するというのは、クライアントの姿勢制御に必要な努力量を調節するということに当たる。

おわりに

 課題のグレーディングについて、再び考えてみた。

 様々な方法があると思うが、結局それって姿勢制御能力に対するグレーでイングだなぁと思った。

 例えば鉛筆やスプーンの柄を太くするという対処も、指先に集中する度合いを下げて、姿勢制御に集中できるようにグレーディングしているわけだもんね。

 ベルトやクッションの利用もそうだし、頭を使う量を調節するってのもそうだと思う。

 だから、結局グレーディングって姿勢制御の調整だなぁと。これは別にボバースコンセプトに基づこうが、基づかまいが一緒だなぁと思った。

 読者の皆様も、ご自身で提供されている課題の選択に対して今一度「根拠のある意味」を求めてみてはどうだろう。

 ってことで、今日はここまで。ほな、また。

追伸…ボバースコンセプトに関するエントリーまとめました

 ボバースコンセプトに関する内容をまとめたので、他にも知りたい方は是非参考にして頂きたい。

参考エントリー:ボバースコンセプトの概要と評価・治療方法に関するまとめ

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