評価と治療

ボバースコンセプトの概要と実践モデルについて

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 今回はボバースコンセプトに関するイントロダクトリーモジュールなどの講習会に出ても分かりにくかった所などを復習を兼ねつつ調べた内容についてシェアしたいと思う。

 主にボバースコンセプトとは何ぞや?ってとこら辺を中心に書く。

 が、ボクは別にインストラクターでも何でもないので間違ってたら教えてちょんまげ。

ボバースコンセプトとは?

 ボバースコンセプトは、『中枢神経系損傷による機能的、運動・姿勢制御の障害を持つクライアントに対する介入の為の問題解決型アプローチ』と定義されている。

 ボバースコンセプトは、1943年にベルタ・ボバース(理学療法士)により創始され、夫であるカレル・ボバースによって理論的検証がされたのが始まりである。

 現代のボバースコンセプトは当時では分かっていなかった最新の知識を根拠として成り立っている。

  • 運動制御
  • 運動学習
  • 神経・筋の可塑性
  • 生体力学

 これらにより、ボバースコンセプトの理論的背景は強固なものとなってきている。しかし、あくまで徒手療法なのでエビデンスを求めるのは難しい現状に変わりはない。

参考エントリー:理学・作業療法でエビデンスレベルの高い研究は難しい件

ボバースコンセプトにおける理論的仮説と臨床実践の論理的解説

 この内容はJABITA(日本ボバース講習会講習会)によってまとめられたものを掻い摘んで説明する。詳しい内容は原文を読んでみて欲しい。

 1996年のIBITA(国際ボバース講習会講師会)定期総会にて以下のような理論的仮説・臨床実践の主要項目が挙げられ、それぞれについて論理的に明確にする目的で文章が作られた。

理論的仮説の主要項目

 ボバースコンセプトにおける理論的仮説の主要項目は以下の通り。

  1. 社会参加、活動と根底にある機能障害の関連付け
  2. ヒトの行動と運動制御の組織化
  3. 運動遂行における損傷と機能不全の影響
  4. 回復(神経・筋の可塑性、運動学習)
  5. 治療結果の測定

 これは先程挙げた最新の知見を合わせ、且つICFに基づく実践をしようという心がけが見受けられる。

 目標は活動、参加に焦点を当てるが、その根底にある機能障害としっかり結びつけた治療プランを立てる。その理論的背景として最新の知見に基づくものにしようということである。また、クライアントのモチベーションは治療の結果にも左右されるため、その結果を測定しクライアントにフィードバックすることの重要性についても言及されている。

臨床実践の主要項目

 臨床実践の主要項目は以下のものが挙げられている。

  1. 臨床推論と運動分析
  2. 姿勢制御と課題指向型運動の統合
  3. 感覚入力の使用
  4. 活性化されたトーンの供給
  5. 総合的なマネージメントの戦略
  6. 治療毛化の測定

 ボバースコンセプトは「主に患者の課題遂行を評価する手段である」とも言われている。つまり治療法・技術だけでなく、臨床推論のプロセスとして、ボバースコンセプトは役立つとされているのだ。

Model of Bobath Conceptual Framework(MBCP:ボバース概念的フレームワークモデル)について

mbcf

 ボバースコンセプトを分かりやすくまとめたモデルがこれだ。

 以下、詳細を解説する。

Concept(一番大切な基軸となるアイデア)

 ボバースコンセプトの中枢と言って過言ではないと思う。

  • 専門的な知識
  • 個々人のクライアントの背景・状況(文脈)
  • 専門的な実践の知識

 専門的な知識とは、冒頭で書いたような最新の知見を含めた知識だ。運動制御や運動学習、神経・筋の可塑性、生体力学などの最新の知識をベースにした実践が求められている。

 専門的な実践の知識とは、恐らく経験のことだろうとボクは解釈している。

 セラピストとしての経験はクライアントの評価をする際に役立つ一つの要素となる。その経験を積む事で臨床では大きなアドバンテージとなるだろう。

 そして、人は一人一人違って、みんなそれぞれの人生があるんだから、それに合わせてそれら知識を使いなさいねってことだ。

Principle(普遍的なアプローチ)

 ボバースコンセプトにおいて、クライアントの介入にこれといった決まりはない。しかしこれだけは外せない、絶対に考えておくべきことってのがこの部分だ。

 それが以下の内容。

  • 最適な活動と参加
  • 問題解決
  • 双方向的な対話のアプローチ
  • 対象者の課題と目標指向
  • 潜在能力の確認
  • 相互作用し続ける介入
  • 24時間アプローチ

 どんな時も、クライアントの機能や背景にあった活動や参加に焦点を当てたゴール設定が必要で、それはクライアントの人生における問題解決でなければならない。

 介入は療法士によって一方的に行われるものではなく、クライアントとの双方向のコミュニケーションの元に成り立つものである。

 対象者にとって最適な課題を選択し、その課題は目標指向的でなければならない。

 クライアントの潜在能力(良い部分)を知り、活かしていける介入を選び、療法士からの介入によりクライアントが反応する、その反応に療法士がさらに反応していくという相互作用的なアプローチを心がける必要がある。

 そして、介入している時間のみが治療ではなく、クライアントは24時間を生きている。だから、クライアントの24時間の生活を考えた介入を心掛けよという解釈で大きく間違っていないだろう。

Methods(体系的な手順)

 Conceptを元に、Proncipleを守った上でどうやって介入するか?がこのパートだ。

  • 活性化
  • 形作り
  • 繰り返し

 とてもシンプルで、対象とする筋を刺激する、筋の理想的な形を作り、それを繰り返し繰り返し行う。という意味合いだ。

Techniques(実行するための道具)

 Methodsをどうやって実践するかがこのパート。

  • コミュニケーション
  • 促通
  • ハンズオン・オフ
  • 全身の関係性
  • 操作(療法士からの介入)
  • 課題の調整
  • 環境調整

 言語的・非言語的なコミュニケーションを含む感覚システムを用いた促通によって結果を出す。徒手的な介入(ハンズオン)のもとできるようになれば、物の力を借りたり、あるいはクライアント自身の潜在能力を使って療法士の手を離していく。

 部分だけでなく、クライアントの全身像を捉えながらハンドリングする。課題は高すぎても低すぎても治療効果が上がらないから、クライアントにとってベストマッチな課題を選択することで治療効果は上がる。

 そして、クライアントが実践する環境をしっかり整えるべし。ってな感じかな。

Model of Bobath Clinical Practice(MBCP:ボバース臨床実践モデル)について

mbcp

 このモデルはボバースコンセプトに基づく介入を行う際のクリニカルリーズニングモデル、療法士の頭の中のイメージと言えるだろう。

  1. 最適な活動と参加に焦点を当てた目標を設定する
  2. クライアントを中心に据えた評価を行う
  3. クライアントの状態を目で見て観察・分析する
  4. クライアントの状態を手で触れて、介入の中から観察・分析する
  5. 評価した内容を元に問題の仮説を立て、治療計画を立てる
  6. 治療をして再評価する
  7. 仮説が実証されれば、繰り返す。仮説が違っていれば、再度仮説を立て計画を立て直す

 このような流れで臨床実践を行うというモデルである。

おわりに

 ボバースコンセプトって何?と言われれば一言で言い表すのは難しい。

 恐らくインストラクターはもっと深くボバースコンセプトを理解しているから、このエントリー内容なんてその一片だと想うだろう。

 でも、素人のボクが取り敢えず復習レベルで理解するにはこれ以上は難しい。

 まずは、この中枢の部分を理解し実践に活かしていきたいと思う。

 ってことで、今回はここまで。ほな、また。

追伸…ボバースコンセプトに関するエントリーまとめました

 ボバースコンセプトに関する内容をまとめたので、他にも知りたい方は是非参考にして頂きたい。

参考エントリー:ボバースコンセプトの概要と評価・治療方法に関するまとめ

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