書評

子どもの能力から考える発達障害領域の作業療法アプローチの感想

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 発達障害領域の作業療法士として元京大で現姫路獨協大学の小西紀一先生を知らない人は居ないだろう。

 ボクも学生時代感覚統合の勉強でお世話になったのを覚えている。

 今回はその小西先生が中心になって書かれた本を紹介したいと思う。

子どもの能力から考える発達障害領域の作業療法アプローチ

 小西先生を中心に京大繋がりの先生や感覚統合繋がりの先生方によって書かれている本。特に自閉症児関連や感覚統合に関する内容が中心だが、それだけではない。

 でもまぁ、そっちに寄ってるかな。笑

 有能な先生方の頭の中を覗き見するような形で書かれている本書の印象はただただ分かりやすい。

カラーの写真と具体的事例が満載でメッチャ分かりやすい!

 全ての内容について写真が満載で具体的な内容が書かれている。

 それらは同様のケースがあった時、自分のセラピーにもすぐ活かせるということだ。ただし、具体的であることと考えが偏るというのは表裏一体である。自分のケースにも使えそうだという実践でも、そうならない場合も十分ありうることを知っておこう。

 また、こういう時、こういう症状、こういう働き方など、色んなシーンを想定して書かれているので分かりやすい。

 自分の悩んでいる項目から逆引きして読んでも良いし、こういう時はどうすれば良いのかな?って時に手に取ると役立つように思う。

クリニカルリーズニングについて

 「子どもの行動に関して、その行動の原因は明確ではない。だから、その行動をしっかりと観察し分析し、その内容を鑑みてアプローチしていく。」というような内容が書かれている。

 それは極めて重要なことで、臨床家としてその能力を上げていく必要がある。ベテラン作業療法士の考え方を学ぶことは自分のクリニカルリーズニング力を上げるために非常に有効な勉強法だとボクは思う。

 本書は、作業療法士の頭のなかを文章化したような内容だ。

 しかし、人によってどうしても解釈が変わる。だから本書で書かれている内容も著者の一考え方として捉えておく必要があるだろう。

 これら内容を通じて自分の引き出しを増やしていければ良いんじゃないかと思う。

おわりに

 発達障害領域に限らずだけど、本当に色んな考え方があって、色んな介入がある。

 それぞれ良いけど、全てが完璧じゃない。

 だから、ぼく達は様々な見地で知識を得なければいけないし、個々の複雑なケースに合わせて柔軟に対応しなければならない。

 ただ特に新人セラピストにとっては、それぞれが意味することを考える引き出しが少ない。だから、先輩作業療法士の頭のなかを覗きこむような形で書かれた本書は役立つだろう。

 ベテラン作業療法士には、自分の引き出しを増やすという意味を持って読んで頂ければと思う。

 ってことで、今回はここまで。ほな、また。

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