書評

発達障害の作業療法(実践編)もやっぱり基礎の基礎だった

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 昨日、発達障害の作業療法(基礎編)を読了し、本当の基礎で、色んな面で勉強になるという事を紹介した。

参考エントリー:発達障害の作業療法(基礎編)は色んな事の基礎が学べる良書

 基礎って本来、学生の時とか、新人の頃にしっかり身につけるべきものなのだと思うけど、ある程度臨床を経験したり、人生経験を積んだり、あるいは子育てをしたりしている今だからこそ色々学べるなぁと思った。

 今回は(実践編)を読んだので、その感想をシェアしたいと思う。

発達障害の作業療法(実践編)

 基礎編は岩﨑先生だけだったが、実践編は岸本先生も著者とされている。

 「まえがき」は岩﨑先生が書いていて、目次にも章の最初にも最後にも執筆者の名前が書いてないからどちらの著者がどの部分を担当したかは不明。

実践編も基本的に基礎的な内容

 印象としては「教科書」だと思う。

 実践編というのは、恐らく実際に子どもの評価と治療をする部分のパートって意味合いだろう。

 評価の基本、検査バッテリーなどの事から、実際治療に当たっての理論や実践方法、疾患や状況別の介入の基本などが書かれている。

 評価に関しては、発達障害児に関わる作業療法士や他職種が知っておかなければならない事は大まかに網羅されていると思う。検査バッテリーの詳細に関しては、それぞれ個別に学習が必要だと思うが、どんな検査があって、どんな項目が評価できるか、検査毎の違いなどが書かれているので検査の選択などに役立つだろう。

 治療に関しては、基本的な考え方が記されているので、実際に明日自分が担当している発達障害児にどうこうするっていうノウハウは殆ど書かれていない。

 ただし、全ての療法士が知っておかなければならない基礎が書かれているので、発達障害の作業療法を実践するにはまずここから始めるべき内容だと言える。そういう意味でやはり本書は教科書だ。

不満な点

 本書は基本的な内容が書かれているので、高望みしてはいけないのかもしれない。

 基本的な内容というのは古典的で、絶対的な内容が多いからだ。

 ただ、シーティングの部分など、あきらかに現状のシーティングの考え方ではありえない昔の図が使われていたりする。90年代の教科書じゃないんだから…って思う部分も少ないがある。

 折角、改定したんだから、もう少し最新情報に更新されていても良い部分もあるんじゃないかなぁ…と。

おわりに

 基本的な内容が大半なのだけれど、時折珍しい内容が書かれている。

 基礎編ではセラピストとして成長する為の方法論などが書かれていたが、本書では「治療主義と障害個性論」や「理論の対立」など発達障害領域に限らずセラピストあるある的な内容や、「作業療法の心技体」っていう章は読み物として面白かった。

 多分今後は、治療に行き詰まった時や悩んだ時など『基本に戻りたい』に引っ張り出して読み返すんだろうなと思った本だった。

 ってことで、今回はここまで。ほな、また。

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