哲学・科学・理論

障害受容とマインドフルネス、リハとの関連について

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 今日は近年話題のマインドフルネスについて、少し調べた事をシェアしたいと思う。

 マインドフルネスという言葉は皆さん聞いたことがあるだろう。

 マインドフルネスとは、自分の身体や心の状態に気づく力を育むエクササイズとされている。

 瞑想や禅、ヨガなどがその一種であり、アメリカでのヨガブームはこのマインドフルネスを得る目的からである。

 最近では、マインドフルネス瞑想法、マインドフルネス認知療法、マインドフルネス作業療法なんて言葉もあるようだ。

 今回は、この話題のマインドフルネスと障害受容について、そしてリハビリテーションにどう活かされるか?について書きたいと思う。

マインドフルネスの研究

 マインドフルネスについては、様々な研究がされており、昨年日本においては、幸福の神経基盤を解明というニュースが話題になっていた。

参考:幸福の神経基盤を解明

 作業療法への応用は、精神科領域で研究がされている。

参考:マインドフルネス作業療法から考える作業療法と瞑想

 また、海外でもマインドフルネスの神経基盤が解明されている。

参考:The neuroscience of mindfulness meditation

 あるいは、マインドフルネス傾向と島・扁桃体の体積が相関するというようなことも分かっているらしい。

参考:The Structure of Mindful Brain

 マインドフルネスが訓練により得られるものである事、痛みの抑制や、痛みによる不快さの現象なども証明されてきている。

参考:

 このように、今まではスピリチュアル的だったり、宗教的、哲学的なイメージのあった瞑想や禅の効果が科学的に証明されてきているのだ。

いわゆる「悟り」を開く訓練

 お釈迦様は6年に及ぶ苦行に耐えたが、それでは悟りを開けないと知り、体力を回復させた後に瞑想を始め、その後悟りを開いたとされている。

 つまり、瞑想によって悟りを開けるというお釈迦さんの実践が最近では科学的にわかってきているということだ。

 では、「悟り」とは何か。

 他にも「空」とか「ボイド」とか言われたりもするようだが、あまり言葉で定義するのは難しいようだ。ググってもこれだという説明は見られない。

 ボクら世代では知らない人は居ないと思うけど、元オウムの上祐さんは「自分と他人の区別からの解放」と定義している。

 ただ上の痛みの研究で述べられているのが、マインドフルネスの熟練者は、痛みの程度は変わらなくても痛みの不快は軽減されるという。

 つまり物理的に痛いのは痛い、しかしその痛みによる不快はないということだ。

 ボクは今、とても歯が痛い。今日参加する予定の研修を休日診療の歯科を受診する為に休んでしまった。

 とても不快である。たいていの事は我慢できるボクも歯の痛みには耐えられない。今は治療によって痛みが引いているのでブログを書くことができている。つまり、痛みによる不快さによってボクは感情を乱され、行動を阻害されているといえる。

 でも、悟りを開いている人はいくらこういう苦しい状況に陥ったとしても、平常心を乱されないというか、日常を乱されないというかそういう状況になると言えるだろう。

マインドフルネスと障害受容

 ボクは現在、障害を持つ子どもの母親の障害受容について研究している。

 そもそも論だが、障害受容とは何か?みたいな話から始めるから終わりがない研究だ。

 だけど、この悟りの概念を持ち込むと少し分かりやすいのかなぁと思う。

 つまり、障害を持つ我が子に対して、不憫だとか、申し訳ないとか、あるいは悲しみ、怒りなど様々な感情があるだろうけど、その中においても自分の行動や生活を乱されない状況と言えるのではないだろうかと思う。

マインドフルネスとリハビリテーション

 リハビリテーションとは、復権である。復権のための一連の流れの事をリハビリテーションと言ってもいいだろう。

 つまり、リハビリテーションとは何らかの理由で阻害された日常を淡々と取り戻す行為だ。

 しかし、人はこの淡々とした行動を感情に邪魔される。

 無理だと諦めたり、悲しんで行動を起こせなかったり。

 こういう状況を例えば瞑想を用いて改善することができるならば、間違いなくリハビリテーションの効果を上げることができるだろう。

おわりに

 今回、取り上げた研究成果は非常に興味深いものだ。

 今まで、医療でなかったものを医療として扱えるようになるからだ。

 まだまだ、ボクも勉強を始めたばかりだけど、今後の研究テーマの一つにしていきたいと思う。

 ってことで、今回はここまで。ほな、また。

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