評価と治療

PNFにおける体幹パターンの種類・方法・注意点など

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 今回はPNFの体幹パターンについて復讐したことをシェアしたいと思う。

体幹パターン解説に当たり基本事項

 PNFにおける全てのパターンが体幹に影響を与える。体幹に影響を与えない運動はうまく筋連鎖が起こっていないと言えるだろう。

 ここでは、特に体幹の強化や可動性、安定性向上のために用いるパターンを紹介しようと思う。

体幹パターンを用いる理由

 頭頸部パターンは以下のような目的で用いる事ができる。

  • 体幹安定性と可動性の改善
  • 腹筋への刺激
  • 頚椎・胸椎の可動性の改善
  • 頸部・上部体幹の過緊張の抑制(リラクゼーション)
  • 頭頚部痛の除去

体幹パターンのバリエーション

 体幹(上部・下部)の運動は以下の3つの運動方向でパターンが構成されている。

  1. 屈曲ー伸展(矢状面上の運動)
  2. 側屈(前額面上の運動)
  3. 回旋(水平面上の運動)

 体幹パターンは大きく分けて特に上部体幹へ影響を与える者と、下部体幹に影響を与えるものがある。

 上部体幹に影響を与えるパターンは以下のものが考えられる。

 ここではチョッピングとリフティングについて解説する。

 チョッピング・リフティングはそれぞれ左右で可能である。

 下部体幹に影響を与えるパターンは以下のものが考えられる。

 ここでは両側性非対称性の下肢パターン(左右)について解説する。

 両側性非対称性の下肢パターンは屈曲方向と伸展方向の2パターン存在する。

上部体幹パターンの方法

 以下に上部体幹の2つのパターン(チョッピング・リフティング)について解説する。

1.チョッピング(右)

 チョッピングは、リードアーム(この場合、右上肢)の伸展ー外転ー内旋パターンにフォローアーム(この場合、左上肢)を合わせた運動である。

開始肢位 リードアームを屈曲ー内転ー外旋方向へエロンゲーション
マニュアルコンタクト 近位グリップ:頭部(前額部) 遠位グリップ:リードアームの手背部
遠位部の運動 リードアームの前腕:回内、手関節:背屈・橈屈、手指:伸展
バーバルコマンド 開始時:指を開いて、手首を反らして、(リードアーム側へ)手を持ち上げてきて! 運動時:身体の横の床へ押し付けて!

2.リフティング(右)

 リフティングは、リードアーム(この場合、右上肢)の屈曲ー外転ー外旋パターンにフォローアーム(この場合、左上肢)を合わせて運動である。

開始肢位 リードアームの伸展ー内転ー内旋方向へエロンゲーション
マニュアルコンタクト 近位グリップ:頭部(頭頂後より) 遠位グリップ:リードアームの手背部
遠位部の運動 リードアームの前腕:回外、手関節:背屈・尺屈、手指:伸展
バーバルコマンド 開始時:手を開いて、手首を反らして、(リードアーム側へ)手を持ち上げてきてください。 運動時:上に押して!

下部体幹(両側性非対称性下肢)パターンの方法

1.屈曲(左)

 下部体幹パターン(屈曲、右)は片足(この場合、右下肢)の屈曲ー外転ー内旋(膝を曲げながら)パターンと、反対下肢(この場合、左下肢)の屈曲ー内転ー外旋(膝を曲げながら)パターンの両側性パターンである。

1.屈曲(右)

 下部体幹パターンは片足(この場合、右下肢)の伸展ー外転ー内旋(膝を伸ばしながら)パターンと、反対下肢(この場合、左下肢)の伸展ー内転ー外旋(膝を伸ばしながら)パターンの両側性パターンである。

開始肢位 左下肢を伸展ー内転ー外旋方向へ、右下肢を伸展ー外転ー内旋方向へエロンゲーション。膝関節は伸展位。
マニュアルコンタクト 近位グリップ:右側膝窩部より左側下腿側面へコンタクト 遠位グリップ:両下肢足背部
遠位部の運動 左下肢の足関節:背屈・外がえし、足指:伸展、右下肢の足関節:背屈・内がえし
バーバルコマンド 開始時:両足の足の指を開いて、足首を反らして、膝を曲げながら足を持ち上げてきて!運動時:持ち上げて、踵をお尻に近づけて

2.伸展(右)

 下部体幹パターン(伸展、左)は片足(この場合、右下肢)の伸展ー外転ー内旋(膝を伸ばしながら)パターンと、反対下肢(この場合、左下肢)の伸展ー内転ー外旋(膝を伸ばしながら)パターンの両側性パターンである。

開始肢位 右下肢を屈曲ー外転ー内旋方向へ、左下肢を屈曲ー内転ー外旋方向へエロンゲーション。膝関節は屈曲位。
マニュアルコンタクト 近位グリップ:右膝窩部から左下腿外側へコンタクト 遠位グリップ:両足底のMP関節部へコンタクト
遠位部の運動 右下肢の足関節:底屈・外がえし、足指:屈曲、左下肢の足関節:底屈・内がえし、手指屈曲
バーバルコマンド 開始時:両足の指を握って、足首を曲げて、膝を伸ばしながら足で押してきてください。 運動時:もっと床に押し付けて

おわりに

 ここで紹介したパターンは、より強力に体幹を強化、可動性・安定性の向上を目指すものである。

 同時にある程度随意的に動かせて、且つ筋力がないと使えないパターンでもある。

 健常者などには強化目的でも使えるものだ。

 ただ、少し形を変えることで、重度の脳卒中患者にも使える幅広いパターンでもある。

 是非とも様々なシーンでお使い頂きたい。

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