書評

療法士が正常発達を学ぶにはコレ!「発達を学ぶ」の感想

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 やりたいことがありすぎて、毎日色んな事を楽しんでる今日このごろ。

 昨日は正常発達の復習と発達障害分野への生活行為向上マネジメントの応用をやっていた。まぁ、そんな簡単にはまとまらないなぁと。笑

 さて、小児リハに携わる上で正常発達の理解は欠かせない。

 正常発達を知らずして、発達の支援などできるはずがない。

 健常な子どもは勝手に育つ。事実、ボクの二人の娘は勝手に育ってくれている。もちろん、最低限の関わりは大事。決してネグレクト(育児放棄)などしていないからご安心を。

 だけど、あーだ、こーだ彼女たちの運動に口出しすることはないし、徒手的に介入することはない。

 ただ、障がいを持つ子ども達は様々な要因から、健常児が勝手に育つ部分に対して支援が必要である。健常児が勝手に自分で経験すること(学習・記憶すること)を経験しやすいように提供してあげなければ経験できない場合が多々ある。

 まぁ、そんな事で正常発達の理解が重要なんだけど、色々探して、買った本が良かったので紹介したいと思う。

「発達を学ぶ」のここがオススメ

 この本、アマゾンのレビューではイマイチな反応。初級者編だとか、今までの知識の繰り返し的な事が書かれていたから迷ったんだけど、ボクが正常発達を学ぶのは10年ぶり位だからちょうど良いと思った。

 他分野に就職してボクのようにしばらく最新の知識を入れていない人や学生さんにはオススメ。小児領域へ実習へ行く学生さんにとっては必携本だと思ったよ。

 以下、この本をオススメする理由についていくつか列挙する。

1.運動学的知見と認知神経学的知見の双方から解説されている。

 ご存知、正常発達を学ぶのは背臥位での運動からである。背臥位での運動が身について、頸が座って、寝返りができるようになっていく。それが、人間の発達の最初の過程である。

 この発達が起こる原因として、運動学的には、筋力の向上や筋収縮の学習などという観点で説明可能だ。また一方で、運動と知覚の相互作用、神経生理学的な観点でも説明できてしまう。

 もちろん実際はどちらかだけで発達しているわけではなく、双方相まって発達していく。しかし、ボクが知る限り、それらを『分けて』『両方』に言及されている本は知らない。

 昔使っていた教科書はその双方がごちゃまぜになって解説されていたり、それぞれについてしか書かれていなかったりだったように記憶している。

 どちらも発達を語る上では外せない視点だし、どちらからもアプローチするので必要な知識である。

2.運動だけではなく、認知・社会面まで網羅されている

 昔使っていた教科書では、運動の詳細な発達が書かれている本は認知・社会面が書かれておらず、認知・社会面の発達が詳しく書かれている本は運動が殆ど書かれていないというのが常だった。

 運動面は運動学的解説、認知面や社会面は心理学的解説という風に専門が分かれるからだろう。

 しかし、この本の著者である森岡先生は理学療法士であり、現在は認知神経科学とかニューロリハビリテーションについての研究をされている先生だから、運動学的なことはもちろん、脳科学的観点から認知や社会性などについても言及できる方である。

 1冊で運動面と心理面の両方の発達を学べる数少ない良書だと思った。

3.治療のアイデアが満載

 『発達』に関して様々な知見が載せられているので、「あ〜こういう所で躓く子は多いよなぁ」とか思いながら読める。

 もちろん、学生さんや小児領域の経験が少ない人はそんな風に思えないかもしれないけど、この本の内容を頭に叩き込んでおけば、少なくとも子どもと対峙した時にどこで躓いているかが見えてくるだろう。

 実習に行くときは子どもの躓きはどこにあるのか?という指標で本書を使えば、必然的に子どもに必要な経験が見えてくる。その経験をどんな遊びの中で提供するか?セラピストの腕の見せどころと言えるだろう。

おわりに

 こういった専門書を読むときのコツというか、ボクがやっている実践法なんだけど、何かの参考になるかもしれないからお伝えしておこうと思う。

 ボクは基本的にアウトプット前提でインプットしている。それは別に読んだ本をブログで紹介する前提で読んでいるっていうわけじゃなくて、将来的に自分の会社に入社してくる新卒療法士や、例えば学生さんに向けて、例えば若手療法士に向けて、ここで得た知識をどのように提供するか?っていう視点で書いている。

 ボクはボクの専門分野や得意な分野については一通り講義可能な状況でスライドも作った。まだ完成していないものもあるが、いつでも講義の依頼を受けられる準備はできている。

 んで、ボクは専門書を読んだり、研修会に参加するたびにこのスライドを更新している。自分の学びをどのスライドのどの部分に入れれば受講者への理解が深まるか?を考えて更新するという作業がよりインプットの質を高めていると思う。

 勉強熱心な療法士には是非やってもらいたい勉強法である。ってことで、最後は話が逸れたが今日はここまで。ほな、また。

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