特別支援教育

小児訪問看護・理学・作業療法の必要性について

 こんにちは。作業療法士の中野について。

 あなたは小児のクライアントを担当したことはあるだろうか?

 リハビリテーション病院や介護保険施設などにお勤めの方では殆どないというのが現状だろう。

 では、訪問リハで働いている人は?最近は需要が増えているはずだが、現状4割ほどの訪問看護ステーションが小児を受け入れておらず、需要に対して受け入れが間に合っていないのが現状である。(下図参照)

小児の受け入れ状況

 だから、経験したことのない療法士が多いのも仕方がない。

 でも、そんなことばかり言っていられない。社会は小児に対応できる看護師・療法士を求めているのだ。

障がい児数の推移

 色んな分け方があって分かりにくいが、一つ言えることは障がい児は増えている。以下、いくつか資料を紹介しよう。

医療ケアが必要な児童数

 医療ケアが必要な子どもの数は2年で随分増えている。

医療ケアの必要性がある児童数

 特別支援学校や普通小中学校でも増えている。

 そして、現状以下のような数になっているらしい。(調査元はわかんないけど…。)

医療ケアが必要な子どもの数

 ま、需要は間違いなくあるよね。

日本における医療ケアを必要とする子どもの状況

 日本の障がい児を取り巻く環境は結構ヤバイ状況になっている。まずは下の図を見て欲しい。

NICU長期入院推移と人工呼吸器使用者推移

 NICUでの長期入院者数が増えている。2006年まで減少傾向にあったものの再び増えているのだ。

 何故そのような状況になっているのか?下の図を見て欲しい。

NICUから退院できない理由

 ざっくり言うと家族が在宅生活を不安に思っているからだ。そして自宅へ退院できない以上、施設入所という形になるんだけど、行くべき施設も満床でNICUで待機する子どもも多いのだ。

入所待機

 NICUにも居られず、施設にも入れず、やむを得ず在宅医療を継続している家族の負担がどれほどのものになるか?と考えると想像を絶する。

小児訪問看護・リハの必要性

 言うまでもなく小児の在宅における医療的なケアが必要だろう。

 しかし、現状多くの在宅ケア児童が福祉サービスを受けていなかったり、母親の相談先が限られている現状がある。

医療ケア児のサービス利用状況

 その中で訪問看護の役割が見えてくる。

 訪問看護・リハでは利用者宅へお伺いし、より生活に接していた場面で関わることができる。医療ケアやリハビリテーションも重要な役割の一つだが、母親ケアというのも訪問では重要な役割となる。

 東京で障がい児の訪問保育を提供しているアニーのサイトによると、障がい児の母親の常勤雇用率はたった5%だけだとのこと。

 そりゃそうだ。障がい児育児に取り組む母親の介護状況はかなり壮絶だ。

介護負担

 上の図の通り、障がい児育児に取り組む母親の平均睡眠時間は短く、多くの介護に負担を感じているのだ。

 お母さんが元気じゃない家族を想像してみてほしい。おそらく夫婦仲は悪くなり(障がい児の両親は離婚率が高い)、子どもはグレる(重症児の場合は変形が強くなる)。

 母親の支援というのは、子どもが健全に成長していくためには必要不可欠なことなのである。

おわりに

 今回は厚生労働省の資料から、現状の障がい児を取り巻く日本の状況から、訪問看護・リハの必要性をお伝えした。その中でも特にお母さんを楽にしてあげられるために出来ることは?という視点は非常に重要だということも分かってもらえたと思う。

 高齢者を取り巻く状況も大変だが、大変なのは高齢者だけではない。

 是非、訪問看護やリハで働く看護師や療法士は小児の受け入れ体制を整えていって欲しいと切に願う。

※今回利用した資料は全て厚生労働省のサイトよりダウンロードしたものです。

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