評価と治療

PNFのテクニックとは、問題解決手段である

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 先日の『PNFの基盤について。哲学やら基本原理など』に引き続き、PNFの基盤について書いていく。

 今回は、テクニックについて。

 ※全てのテクニックに動画を添付したが、ぶっちゃけ下手くそなのもあるし、厳密にいうと間違っているものもある。もちろん、セラピー上で基本通りにやらない場合もあるだろうが、勉強したての人は動画は参考程度にして勉強会やコースに出て本当の基本を学んで欲しいと思う。

PNFのテクニックとは?

 PNFのテクニックとは、クライアントの問題を解決する手段である。筋群を促通、もしくは抑制するテクニックを用いてクライアントの問題解決を図るというものだ。

 テクニックは全部で10種類あり、その目的ごとに3分類されている。

  1. 主動筋テクニック
  2. リラクゼーション/ストレッチテクニック
  3. 拮抗筋テクニック

 主動筋テクニックは、運動の指導・促通が目的、リラクゼーションテクニックはその名の通りリラクゼーションが目的、拮抗筋テクニックは安定性の促通が目的となる。

 そして、各目的毎のテクニックは以下の通り。

主動筋テクニック

  • Rhythmic Initiation
  • Combination of Isotonics
  • Repeated Stretch from Beginning of Range
  • Repeated Steretch through Range
  • Replication

リラクゼーション/ストレッチングテクニック

  • Contract Relax
  • Hold Relax

拮抗筋テクニック

  • Dynamic Reversals
  • Stabilizing Reversals
  • Rhythmic Stabilization

各テクニックの解説

 では、以下に3つの分類ごとに10種類のテクニックの解説をしていく。

主動筋テクニック

 主動筋の運動を促通させたり、学習を促したりする目的で行う。

Rhythmic Initiation

定義 可能な範囲内でリズミカルな運動を繰り返す。主動筋の一方向の運動のみ行う。
目的 運動の方向を教える。
方法 Passive(他動的に運動方向を動かす)→Active assisted(本人にも手伝ってもらう)→Resisted(抵抗を加えながら)→Independent(オプション。自分で動かしてもらう)
留意点 運動学習が目的なので、運動終了後開始肢位に戻る時は常にPassiveで行う。

Combination of Isotonics

定義 主動筋群の求心性・遠心性・等尺性収縮を組み合わせて継続的に収縮を促すテクニック
目的 筋のコントロール・強化が目的
方法 目的となる筋の求心性収縮から始める。抵抗を加え、「勝って下さい、止まって下さい、ゆっくり負けて下さい」など抵抗に対してクライアントに自ら調整させる。運動中は止めること無く継続させる。
留意点 クライアントにとって特にどの収縮が必要か見極めて行う。失調患者への口頭指示は気をつける。

Repeated Stretch from Beginning of Range

定義 MMT1~2程度の人を対象とし、反射を利用した運動の誘発する。
目的 筋収縮の促通
方法 開始肢位より受動的に伸張刺激を加え反射を誘発する。口頭指示も同時に与え動的な収縮を得るきっかけを作る。
留意点 腱反射が消失している人には禁忌。痛みや頸部に行う際は注意する。

Repeated Steretch through Range

定義 運動中の運動単位減少に対して、ストレッチを与える。
目的 (運動中の抜けに対して)運動単位の増加を促通。運動パターンの再誘導する。
方法 運動中に抜けのある筋へクイックストレッチを加え、筋収縮を促通し、運動を終了するまで継続する。また、運動が求めるパターンから外れた際の再誘導にも用いる。
留意点 痛み、頸部に使用する際は注意する。

Replication

定義 目的の位置へ自立して運動できるようにする。
目的 関節の位置を教え、自分でそのルート上に運動できるようにする。
方法 目的とする位置を等尺性収縮で覚えさせ、一度リラックスした後、位置を少し離して自分で戻ってもらう。最初は近い距離から徐々に伸ばす。
留意点 身体図式が必要なためhemiには難しい。

リラクゼーション/ストレッチテクニック

Contract Relax

定義 問題となる筋肉に対して直接的・間接的に収縮を促し、その後の弛緩を狙う。
目的 筋のリラクゼーション
方法 可能な可動域まで動かし、等尺性収縮を促す(3~10秒)。その後60秒ほど休ませる。再度可能な可動域まで動かし等尺性収縮を促す。
留意点 収縮の時間は目安で、クライアントの状況に合わせる

Hold Relax

定義 徐々に適切な抵抗を与えることで等尺性収縮を起こし、その後リラックスさせる。痛みのある人やパワーの強い人に適応
目的 筋のリラクゼーション
方法 可能な可動域まで動かし、等尺性収縮を促す(3~10秒)。その後60秒ほど休ませる。再度可能な可動域まで動かし等尺性収縮を促す。
留意点 痛みがあれば、その手前の可動域まで戻す。

Contract RelaxとHold Relaxの違いとは?

関節運動 指示 筋活動 Th. 患者
Contract Relax わずかな動きがある場合あり。 動的指示「押して下さい」 わずかに動的な筋活動(求心性)。 患者の動きにセラピストが合わせる。 患者がセラピストの抵抗に対して動かす(押す、引くなど)
Hold Relax 動きはない。 静的指示「止まってて下さい」 静的な筋活動(遠心性)。 患者が抵抗に合わせる。 患者はセラピストの抵抗に対して止めようとする。

拮抗筋テクニック

Dynamic Reversals

定義 休止やリラクゼーションをさせることなく、一方向から反対方向への求心性筋活動の変換
目的 自動運動の促通や方向を変える協調性能力の改善
方法 遠位の要素から始めることを意識し強い方のパターンから開始する。反対方向への切り替えの際止まること無くスムーズに抵抗をかけかえる。
留意点 運動の切り返し能力がある事が条件

Stabilizing Reversals


※タイトルはリズミックスタビライゼーションとなっているが、スタビライジングリバーサルに似ていると思うので例示する。

定義 特定の位置で安定性を促通するために交互性の抵抗を用いて静止性収縮を促す。
目的 安定性の増大、姿勢コントロールの改善
方法 「止まってて下さい」という静的指示の後、目的の位置からより強い拮抗筋へ抵抗をかける。クライアントが適応したら反対方向の主動筋へ抵抗を与える。
留意点 運動方向を変える際クライアントを休ませないよう注意する。

Rhythmic Stabilization


※グリップの位置を変えてるので厳密なリズミックスタビライゼーションではない。

定義 徒手接触を変えずにリラクセーションさせることなく行う抵抗に対する交互性の等尺性収縮
目的 同時収縮の為の安定性増大
方法 屈筋群と伸展筋群の中央に手を置き、「止まってて下さい」<という指示の後、徐々に抵抗を与える。徒手接触の位置を変えずに別方向への抵抗を変える。/td>
留意点 患者は動かすより抵抗に対して合わせる意思のみ起こさせる。

Stabilizing ReversalsとRhythmic Stabilizationの違いとは?

グリップ 関節運動 筋活動 口頭指示 患者
Stabilizing Reversals グリップはパターンによって変える場合あり。 四肢パターンでは動的な遠位要素を用いる。 静的指示「押して、動かないで」 わずかな動的な筋収縮。 患者は拮抗するパターンを意識する
Rhythmic Stabilization グリップを変えない 全ての要素が静的 静的指示「動かないで」 静的な筋収縮 止まる(位置を変えない)事を意識する。

参考文献

  • IPNFA Basic Course講義資料
  • PNF基本的手技と機能的訓練

おわりに

 今回のエントリーを書くに当たり様々な動画を見たが、市川先生や松田先生のような上手な手技はあまり無かった。コースは撮影禁止なので個々のパターンを映像で見ることはできないが、治療に関してのDVDは参考にされると良いと思う。ボクはかなり見て研究している。

 映像で学びたい方は是非とも購入されると良いと思う。

 ってことで、今日はここまで。ほな、また。

追伸…PNF関連記事まとめ

 以下にPNF関連エントリーをまとめたので興味のある方は合わせてお読みくださいまで。

参考:PNF(固有受容性神経筋促通法)に関するエントリーまとめ

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