評価と治療

PNFの基盤について:PNFの哲学

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 さてさて、本日もPNFの復習ノートをシェア。

PNFの基盤を再学習する理由

 PNFはテクニックだとお思いかもしれない。正解。テクニックだ。だから、技術を鍛錬し、どのようなクライアントにも上手にハンドリンクできなければテクニックとしての価値はない。

 しかし、PNFはテクニックだけではない。テクニックはPNFの一部なのだ。

 どのような背景の中にテクニックが存在をしているか知っておかなければ使いものにならないだろう。クリニカルリーズニングしかり、効果判定しかりだ。

 だから、PNFの基盤を常に思い出せる状態にしておかなければならない。

そもそもPNFとは?

PNFとは、医師で神経生理学者のKabat氏と理学療法士のMaggie Knott氏によって開発された治療手技だ。

 Proprioceptive(固有受容器、固有受容感覚)Neuromuscular(神経・筋)Facilitation(促通)の略で、全ての神経筋疾患に用いることが可能である。

 Facilitationというとテクニック重視なイメージがあるが、『促通=やりやすくする』って事。やりやすい状態で学習して、自分でできるようになるのが目的だ。

PNFの哲学

 PNFの哲学は以下の通り。

  1. ポジティブ・アプローチ Positive approach
  2. 機能的アプローチ Functional approach
  3. 集中的トレーニングにより潜在能力を得るMobilize reserves potentials by intensive training
  4. 全体像を見る Consider the whole person
  5. 運動制御理論と運動学習理論の利用 Use of Motor Learning and Motor Control principles

 以下、詳細を説明する。

ポジティブ・アプローチとは?

 ポジティブアプローチとは、クライアントの良い面を評価し治療することである。しかし、単純にクライアントの良い面に着目するってことだけではない。

 クライアントの可能な動作、運動から治療を開始し、課題を成功させるようしっかり準備するのが重要であり、Week pointに直接アプローチする前に、Positive pointから間接的にアプローチする思考を持つことが重要だ。

 また、一連の治療の流れにおいてセラピストやセラピーに起因する痛みを出すのは論外だ。

 このように、様々な面でポジティブに捉える事が重要であるという哲学だ。

機能的アプローチとは?

 全てのアプローチはクライアントの活動と参加に焦点を当てて行わなければいけない。例えば関節可動域を広げる事や、筋力を強くする事、その全てをクライアントの活動や参加に繋げていくって視点を常に持つってことだ。

参考エントリー:理学・作業療法士は参加を目標にして機能面へもアプローチすべし

 活動と参加に焦点を当て、クライアントの能力に合わせた目標設定を行い、課題を用意するのが、機能的アプローチという哲学である。

集中的トレーニングにより潜在能力を得るとは?

 治療の目的の1つはクライアントの潜在能力を引き出すことである。そして、潜在能力を得るためにはクライアントの積極的な治療への参加が不可欠だ。

参考エントリー:中枢神経系障害の患者に対してやる気を促す必要性が証明!

 また、引き出した潜在能力を運動学習させ日常に使えるようにしなければいけない。その為には繰り返し練習する必要がある。また、日常生活で考えられる肢位や方法で練習する必要があるのだ。

 しかし、どれだけ集中的トレーニングを行い、潜在能力を引き出せたとしても効果は3日だ。毎日関わる入院中であればそれで良いが(いや、これからはそうも言ってられないか。)、週に1回程度の関わりではリハって意味ある?って事になってしまう。

 そこで重要なのが、家族の支援だったりホームトレーニングの重要性だ。セラピストの手がなければできない行為ってのは日常生活では意味が無い。繰り返しの練習の中で、如何にセラピストの手を触れないように運動を促すかが重要。それがこの哲学の意味する所である。

全体像を見るとは?

 この言葉は療法士であれば誰でも聞いたことがあるだろうし、実践していることだと思う。じゃあどうやって?

 全体像を見るのは当然の哲学。しかし、これに具体性を持っている療法士は少ないように思う。

 全体像を見るためには『ICF』を使えば良いとボクは思っている。

icf

 ICFは障害理解だったICIDHではなく、人間理解のツールだというのがボクの見解だ。ICFをしっかり理解して全体像評価につなげてほしい。

運動制御理論と運動学習理論の利用

 これももはや説明不要だろう。リハビリテーションにおいて運動制御理論と運動学習理論を利用するのはもはや標準だろう。

 これについて、ここで詳しく書くのは難しいから別で書こうと思うが、まずはモーターコントロールを本棚のこやしにせず、常に手元に置いておこう。

おわりに

 今日の内容は、ベーシックコースの初日半日で終わる内容である。コースのカリキュラムの関係でこれ以上時間をとることはできない。

 だが、とても重要なポイントで、アドバンスコースでもこの知識は必須のものとなる。

 これからコースに出る人も、ベーシックコース修了者にも復習して欲しい内容だ。

参考文献

  • IPNFA Basic Course(PNF1+2)講義資料
  • PNF 基本的手技と機能的訓練

追伸…PNF関連記事まとめ

 以下にPNF関連エントリーをまとめたので興味のある方は合わせてお読みくださいまで。

参考:PNF(固有受容性神経筋促通法)に関するエントリーまとめ

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします