書評

中枢系回復期病院で働く新卒理学・作業療法士の必読書籍7冊

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 ボクは自転車で通勤しているのだけれど、4月1日は入社式みたいな事をする企業もあって、フレッシュマンが街中にいる。

 恐らく、多くの病院や施設でも新卒の理学・作業療法士達が朝礼とかで自己紹介とかしているのだろう。

 数年後にはボクの作る訪問看護ステーションでも新卒療法士が勤めてくれるような職場作りをしていたいものだと思う。

 さて、そんな新卒理学・作業療法士はまだ右も左も分からない状態で、これから約1ヵ月は慣れるだけでも大変だけど、そんな事は言っていられない。

 クライアントは待ってくれないのだ。

 だから、そんな忙しくて大変な中だけど取り敢えずはこれだけ読んでおけば良いよ的な書籍を7冊紹介したいと思う。

1.脳卒中治療ガイドライン2015

脳卒中治療ガイドライン 2015

脳卒中治療ガイドライン 2015

 脳卒中治療に関するエビデンスが詰まった1冊。

 特にリハビリテーションの項目の部分はクリニカルリーズニングにおいて重要な視点を教えてくれる。また、それ以外の部分においても多職種(特に医師)の考えを知る上で非常に重要な視点が得られるだろう。

 エビデンスの元となる参考文献も読んだほうが本当は良いのだけれど、大半が英語の論文で集めるところから大変だと思うからまずはこれだけ読んで、おいおい余裕が出てきたら参考文献も読むと更に理解が深まり良いと思う。

 現状2015年版は有料。2009年度版はダウンロード可能なので、お金に余裕がなければダウンロードして読むと良いだろう。

参考:脳卒中治療ガイドライン2009

2.脳卒中機能評価・予後予測マニュアル

脳卒中機能評価・予後予測マニュアル

脳卒中機能評価・予後予測マニュアル

 特に中枢系病院で働き、目標設定をしていく中で『予後予測』は非常に重要なポイントとなる。

 ベテランは経験上、大きな誤差なく予後予測できるようになるらしいが、ボクはあまりそんなの当てにしていない。

 生活行為向上マネジメントにおいても予後予測のマニュアルは現状作られておらず、ボクはこの点が一番大きな課題になってくるのではないかと思っている。

 それだけ難しい予後予測だけど、新人だと経験もないわけだから、簡単にはできない。

 その予後予測をできるだけ根拠を持ち行うために重要な視点を与えてくれるだろう。

3.脳卒中のリハビリテーション 生活機能に基づくアプローチ 原著第3版

脳卒中のリハビリテーション 生活機能に基づくアプローチ 原著第3版

脳卒中のリハビリテーション 生活機能に基づくアプローチ 原著第3版

  • 作者: Glen Gillen,清水一,宮口英樹,松原麻子
  • 出版社/メーカー: 三輪書店
  • 発売日: 2015/05/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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 脳卒中の作業療法全般を網羅した書籍。作業療法士向けに書かれてはいるが、生活機能に基づくっていう内容なので、理学療法士にも役立つ内容だ。

 自信を持って治療に当たる上での後ろ盾となる一冊になるのではないだろうか。

 本当は原著を読んだほうが良いんだろうけど、忙しい時期に時間は書けられないので、日本語で読んでみて欲しい。

4.考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

  • 作者: バーバラミント,グロービスマネジメントインスティテュート,Barbara Minto,山崎康司
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 1999/03
  • メディア: 単行本
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 クライアントにとって最善の治療を提供するためには物事を順序だって、論理的に考える能力が必要である。

 ボクは国試の勉強もほどほどに、こういう論理的思考を身につけるトレーニングを学生時代の終盤に行っていた。

 よく文章が上手だと言われるが、そういった賜物なのかもしれない。

 また、学生の時の実習のような長編レポートを書くことは臨床ではあまりないが、報告書や検討会資料、勉強会資料など作る機会はあるだろう。

 そういった際に文章の良し悪しで既にその療法士の能力が分かる。

 別に一目置かれることになんのメリットも無いかもしれないが、先輩に目をかけてもらうためには『文章が上手い』ってのは一つの要素になってくるかもしれないね。

5.PT・OT・STのための脳損傷の回復期リハビリテーション―運動・認知・行動からのアプローチ

PT・OT・STのための脳損傷の回復期リハビリテーション―運動・認知・行動からのアプローチ

PT・OT・STのための脳損傷の回復期リハビリテーション―運動・認知・行動からのアプローチ

 リハビリテーションとは、PTだけでやるものでも、OTだけでやるものでもない。チームアプローチの重要性とは、今更言うまでもない。

 だが、実際はどうだろう。このブログを読んだ読者の病院がどうかは分からないが、実際のチームアプローチのあるべき姿が分からないければ、動きようが無いだろう。

 本書は、チームアプローチのあるべき姿を教えてくれる一冊である。

 あるべき姿を知り、それを目標に行動すれば、必ずチームは作れるし、何よりクライアントの為になるだろう。

 自分の脳力を上げることはとても重要だが、チーム力を上げることは更に重要である。

 チームの相乗効果でクライアントの人生をより良いものにしていって欲しいと思う。

6.脳卒中の機能評価―SIASとFIM[基礎編]

脳卒中の機能評価―SIASとFIM[基礎編] (実践リハビリテーション・シリーズ)

脳卒中の機能評価―SIASとFIM[基礎編] (実践リハビリテーション・シリーズ)

 回復期リハ病院ではFIMをベースとしたアウトカム評価がはじまる。(参考エントリー:FIMによるアウトカム導入が回復期リハへ与える影響とは?2016年診療報酬改定

 中枢系回復期病院で働くのにFIMを知らないなんて人はいないと思うが、もう一度しっかり知っておこう。

 FIMを知ることで、FIMで得点を上げる方法が見えてくる。

 もちろん、ボク達の目的はあくまでクライアントの生活や人生の質を上げることであるから、FIMの得点を上げることではない。しかし、FIMの得点が上がらなければクライアントに迷惑がかかるのは目に見えている。

 どのような段階付けを行えば、段階的にFIMの得点を加算できるか?

 これは、回復期リハ病院で働く上ではクライアントの人生と同時に頭に入れて置かなければならない事だと思う。

7.奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき

奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき (新潮文庫)

奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき (新潮文庫)

 回復期リハ病院では限られた期間で、結果を出さなければいけない。

 しかし、脳卒中からほぼ完全に復活した脳科学者の考えとは矛盾する。

 脳卒中患者の気持ちを慮るリハを提供する為には読んでおいた方が良いだろう。

 また、一般的に言われる予後予測とは、やはり周囲が作りだしたものであり、本来はもっと回復する可能性を秘めているのが人間の脳なんだろうなぁと思わせてくれるのが本書。

 療法士がクライアントの将来を諦めてはいけない。どちらかと言えば励ます立場である。

 この本は諦めない事の大切さも教えてくれるだろう。

まとめ

 いかがだっただろうか。

 忙しい時期に7冊もかよ!って声が聞こえてきそう…。

 なので、上の3つは特に読んで欲しい3冊だから、まずはその3冊を読んでみてくれたらと思う。

 その後、下の4冊をどうぞ。

 寝る前1時間の投資が、あなたの療法士人生にとって大きな投資になることは間違いない。

 これら書籍を読むためにあなたが作る寝る前1時間の投資は、将来大きなリターンとなって返ってくることを保証しよう。

 是非、実践してくだされば幸いだ。

 ってことで、今日はここまで。ほな、また。

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