評価と治療

理学・作業療法士の歩行評価における忘れがちな2つの着眼点

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 今日は珍しく専門的な内容を。

 ま、多くの理学療法士にとっては当たり前の話かもしれないけど、歩行の評価において意外と抜け落ちてるかもしれない視点について書こうと思う。

 多くの作業療法士にとっては…の世界かもしれないけど、歩行って多くの作業にとってのベースだから、絶対ちゃんと観れないといけないと思う。歩行は理学療法士に…なんて言ってたら作業療法士なんて必要なくなる日がいずれくる。

 今からでも遅くないから歩行について学び直して欲しい。

歩行評価の基礎

 歩行を評価する際の一つの指標が『立脚期:stance phase』か『遊脚期:swing phase』かってところだと思う。

 例えば、片麻痺患者がぶん回しで歩いている。あるいは、麻痺側の体幹が崩れた状態で歩いている。これらは臨床でよく目にする光景だけれど、これらの問題をまず、どのタイミングに問題が起こっているか?を評価する人は多いのではないだろうか。

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(画像引用元:pinterest

 上の図はごくごく一般的な奴だね。そして、このフェーズ毎の関節運動や筋肉の働きをチェックするだろう。

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(画像引用元:動作観察① 歩行動作観察の「部分」と「全体」

 これは間違いじゃない。ってか正解。

 歩行の部分部分において、アブノーマルな点をを見極めアプローチするのはセオリーである。

更なる着眼点

 で、今回お伝えしたいのは、この歩行評価の基礎に加えて、更にこうやって見てみたら治療の幅が拡がるかもよ!って話。

 歩行を評価する際、例えばloading responseに問題があるケースってのは少なくない。体重をかけて行く時に何らかの問題が起こり、バックニーになってしまったり、ぶん回しになってしまったりする。

 そしてボク達は、何故loading respnseに問題があるのか?と考え、関節の問題や筋の問題など仮設を立て、検証していく。

 しかし、この時に頭から忘れ去られがちなのが、『ひとつ前のフェーズ』である。

 loiading responseに問題があるが、initial contactの何かしらの問題が影響していないか?

 initial contactに問題があったなら、pre swingはどうか?

 ま、こうやってひとつ前、ひとつ前って遡るとどこまででも遡れてしまうのだけれど、往々にしてstanse phaseに問題がある場合、pre swingの状態が影響していることがある。swing phaseに問題がある場合、terminal stanseに問題がある事が多い。

 このようにひとつ前のフェーズの状況をチェックし、ひとつ前のフェーズのトレーニングから始めるというのは歩行にアプローチする上では重要な視点なのだ。

上肢の歩行への影響

 そして、もう一つ忘れ去られがちなのは上肢の与える影響である。

 作業療法士が歩行にアプローチしないから、歩行中の上肢については忘れ去られがちなのだ。

 歩行にアプローチする際に上肢への影響を考えて、上肢にもアプローチしている理学療法士ってどれだけいるんだろう。上肢にもアプローチしていたら、かなりやりての理学療法士だよね。

 作業療法士もこの点を知らないから、きっと歩行は理学療法士に…とかって思っちゃうんだよね。下肢の問題とかって思っちゃうんだよね。

 違うよ、歩行は全体の運動であり、頭部の位置や目・耳の機能、そして、上肢の機能が非常に重要な働きをしている高度な運動なのだ。

 今でこそロボットも卒なく歩けるようになりつつあるけど、一昔前までロボットを人間のように二足歩行させるなんてめちゃめちゃ難しい技術だったんだからね。ロボットに上肢の必要性なんて未だに考えられてないかもだけど。

 例えば片麻痺クライアントの場合、肩甲帯がリトラクションしていたり、あるいは三角巾で支えないといけないような状態だったり、正常ではない。

 その状態が歩行にも影響しているという可能性について吟味することも歩行へのアプローチを行う上では非常に重要だ。

まとめ

 ボクはあまり具体的な評価法や治療法についてのノウハウを書くことは無い。だから、このようなエントリーは珍しい。何故書かないかっていうと、ボクはスペシャリストじゃないし、読者の方が精通している場合の方が多いと思っているからだ。

 ボクなんかに伝えられることなどわずか。

 でも、そんなボクだから気付いた点とか、プロフェッショナルでも見逃しがちな点ってのを伝えるよう努力している。全ては読んでくださる方の為になればと。

 今回シェアした2つの着眼点は意外に忘れがちなポイントだと思う。

 是非、あなたのクライアントの歩行を観る際に応用して頂ければと思う。

Gait Analysis: Normal and Pathological Function

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