特別支援教育

小児(未就学児)の理学・作業療法おける活動と参加について

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 小児専門の訪問看護ステーションを立ち上げると決めてから、ボクの頭の中の一部では常に、どうしたら障害を持つ子どもたちのQOL向上が果たせるのか。

 彼ら、彼女らにとっての活動や参加って何か?

 リハビリテーションではなく、ハビリテーションであるって何だ?

 みたいなことを結構色々考えている。

 で、今回は小児のリハにおける活動と参加について考えてみたのでシェアしようと思う。

未就学児への理学・作業療法士の役割

 ボクは療育という言葉がほんとにピッタリと当てはまった言葉だと思っている。治療と教育の造語だが、まさにその通り。

 教育というとおこがましいことだが、正確には教育支援だと思う。お母さんやお父さんが子どもを教育する支援をすることが一つの役割。

 そして、治療的側面では子どもが親からの教育に対して応えられるようにするための支援だと考えている。

 生まれたての子どもにはお母さんがオウム返しとかしたりする。

 その音程やリズムのやり取りで子どもは安心感を覚え、コミュニケーションを覚えていく。そして、母親を安全基地だと認識していくようになる。

 しかし、子どもによってはその母親からのオウム返しが聞けていなかったり、聞ける態勢が整っていない場合がある。その際、ボク達は子どもとお母さんがしっかりコミュニケーションを取れるお手伝いをする。

 つまり、育児支援と成長支援と言い換えることができるだろうか。

活動と参加をベースにした育児支援・成長支援

 では、未就学児にとって活動や参加ってなんだろう。

 マズローの欲求階層から考えると分かりやすいとボクは思っている。

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 ボクは参加とは、基本的に欲求を満たすためのものだと思っている。

 だから、多くの子どもは『快適な生活』『安全な生活』『安心できる生活』そのものが参加になる。

 最近子どもにまつわる信じられない事件があるが、被害にあった子ども達は参加出来ていないことになるだろう。

 例えば、SpO2が低い子どもは生理的欲求が満たされておらず「快適な生活」を送ることを阻害されている。おむつが気持ち悪かったり、お腹が空いても訴えられなかったりすると、やはり快適な生活が阻害されている。

 お母さんがいくら抱っこしてくれても、下手くそで不快になれば安全の欲求は満たされず、『安全な生活』は送れていない。

 お母さんがどれだけ積極的に関わっても、お母さんからの愛情を受け取れなければ愛情の欲求が満たされず『安心できる生活』は送れない。

 特に未就学児の参加とは、これら欲求を満たすことにより得られるものなのだ。

 じゃあ、これらの欲求を満たすためにはどうすれば良いか。これらの欲求は「遊び」や「母親とのコミュニケーション」から得られる。

 遊びは、子どもにとって母親や家族を含める環境との出会いの場である。動けば環境が教えてくれて、それを元にまた動いていく。知覚と運動の連鎖が起こる状況が子どもにとっての遊びである。

 もし、このどこかに躓きがあったら、ボク達はそこを支援する。

 お母さんが抱っこの仕方がわからなければ教えてあげる。それらが重要な役割となる。

 もちろん、機能面へもアプローチする。体幹に力が入りにくいがために抱っこしにくいのだとするならば、寝返りやずり這い、坐位などを通じて体幹の緊張を高めてあげる。こういう機能面へのアプローチも子どもの参加レベル向上につながるからだ。

まとめ

 マズローの欲求階層における上位2つの欲求は非常に複雑で、特に大人になるとこれらを満たしていくことが参加に繋がるのだと思う。

 しかし、子どもの場合は特に下位の欲求の充足が特に重要で、十分に満たされる経験(つまり参加した経験)が後の成長において重要なことに繋がると思う。

 例えば虐待、例えば育児放棄、例えばいじめを経験した子どもが精神的に、情緒的に発達に問題が起こるケースは少なくない。

 障害がある為に、特に欲求を充足させにくい子どもたちは将来に問題を連鎖させる可能性が非常に高い。

 ボク達は、子ども達の将来を見据え、今行うべき『活動と参加』にしっかり焦点を当てアプローチしていく義務があるだろう。

 ってことで、今日はここまで。ほな、また。

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