ロボット・AI

川崎市有料老人ホームでの殺人事件への賛否について思うこと

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 先日、逮捕された元施設職員が施設で起こった3件の転落事件が意図的な殺害だったと認めた。

 ま、日本の警察舐めたらあかんよね。かなり優秀なんだから。

 どれくらい優秀かって?それは青山望シリーズを読んでみてほしい。笑

完全黙秘―警視庁公安部・青山望 (文春文庫)

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 日本の警察の優秀さをひしひし感じて犯罪なんて起こす気なくなるし、全国民が読んだら本当に犯罪抑止になると思うよ。

 さて、その逮捕された元施設職員に対して様々な意見があって、逮捕直後からSNSで色んな方向に偏った意見が見られたのでボクの意見も述べておきたいと思う。

介護によるストレスでの事件は仕方がないことか?

 殺人事件を起こすというのは、まぁ普通の精神状態ではあり得ない。

 衝動的なものにしろ、計画的なものにしろ、犯人は尋常じゃないことだということに気付いていない。

 その尋常じゃない精神状態に陥らせてしまう『介護』のストレスはそれほどのものなのだろうか?

 利用者の中にはブラックリストに載るような利用者がいるのも事実。ボク自身利用者にブチ切れて喧嘩したこともあった。その利用者を何で利用させるんだ?と当時の上司に言ったこともある。

 確かにあのオッサンの相手を毎日…って思うと尋常なストレスではないだろうな。でもね、多分殺害はしない。他にも対処法は色々ある。事務長にボクか、あのオッサンかどっちか選べ!と迫ることもできる。仮に利用者を選んだならそれでも良い。ボクの目的はその利用者から離れることなのだから。

 つまり、介護によるストレスでの殺害は仕方なくない。

そもそも男性には暴力性が残っているのか?

 介護に関連した殺人事件の7割が男性によってもたらせているらしい。ま、しかし、殺人事件の8割が男性によってもたらされているので、介護を巡る殺人だけ男性に問題があるわけじゃない。

 そもそも男性には暴力性が備わっているのではないだろうか。狩猟とかしてたときの記憶が遺伝的に。何らかのスイッチでその遺伝子がオンに入るという事は考えられる。

 『加害7割が男性 716件分析、孤立やストレス』という2016年の毎日新聞の記事を見ると、1998年から2015年までの介護関連殺人(心中含む)は716件、同じ期間の他殺死者数は約10000人(他殺による死亡者数の推移より大雑把に推計)。

 つまり、この18年においては約7%の殺人が介護にまつわる殺人だということだ。

 直近5年とかのデータがあったらまた違った形になるかもしれないが、殺人の動悸における介護を理由にしているケースは多いと言えるだろう。

 また、上の記事にあるように716件の殺人事件の内、333件が夫婦間によるもので、331件が親子間によるものだとのこと。(つまり、他人による殺人は52件)

 『高齢者による殺人の動機の約2割が「介護・看護疲れ」。なくならない介護殺人…介護者の苦悩と在宅介護の厳しい現実とは?』を参考にすると高齢者の殺人動悸の2割が介護を理由としていることから、夫婦間・親子間における介護のストレスは相当のものだと想像できる。

 これらを見ると、確かに介護のストレスは殺人の動悸になるくらい大変なものになる可能性が誰にでもあるわけだが、それはやはり家族間介護の場合であり、職員−利用者間での話とはまた別だろう。

 職員がストレスを感じ、それに対処するのも仕事の範疇だし、嫌ならやめれば良い。そのような対処をせずに殺人に及ぶのは、精神に異常をきたしていたのだろう。これは自殺する心理と非常に近いのかもしれないとボクは思う。

介護業界全体の問題とされることに憤る介護業界の人達

 さて、介護によるストレスの大きさ、介護に関連する問題の多さ、業界全体の問題だったり、犯人擁護論に対して、業界全体の問題にするのは間違っているという意見の人達もいる。もちろん、そういう人達は介護業界に携わる人達だ。

 ボクは上で述べたように犯人を擁護する気持ちは全く無い。今回3人の殺人事件を起こした容疑者は極刑になっても仕方ないのではないかと思っている。

 精神鑑定なんてやらないとは思うが、テレビカメラに対してあれだけ堂々と嘘をつけるんだから、殺害の瞬間やその前後については精神の異常があったと思われるが、それは一時的なものであり、人間性としてやはり犯罪者なのだ。じゃないとしたら、すぐに自首するだろうし、3人も殺害しないだろう。しっかりと法のもとに裁かれるべきだと思う。

 しかし、どうだろう。これは業界全体の問題とはいえないか?一個人の問題だろうか?あるいは川崎市の有料老人ホームだけの問題なのか。

 ボクは業界全体の問題だと思っている。

 それは介護に伴うストレスだけの問題ではない。介護職員の人手不足、低賃金、心身の負担の大きさ。介護には様々な問題がはらんでいる。しかし、国の政策の流れはその介護の負担が更に大きくなるような方向に進んでいる。色んな要素を考えれば仕方のない面もあるが、ボクはこういう事件は増えていくんじゃないかなぁと思っている。

 であるから、業界全体で真摯に受け止め取り組むべきだろう。

 誰かのツイートで、「○○業の人が殺人を起こしたら○○業の問題として捉えるのか?」的なのがあった。

 それも分かる。一理ある。

 でもね、今回の件とは少し違う。

 例えば、○○業の人が、○○業のストレスによって顧客を殺害とかだったら業界の問題として捉えるかもしれないが、単に殺人犯が○○業の人ってだけでは業界の問題とする人は少ない。

 今回の事件は介護業界の人が介護のストレスによって顧客を殺害したわけだから、やはりその体質などを問われても仕方ないだろう。

 数年前に作業療法士が殺人事件を起こしたが、仕事に関連なくプライベートの問題で起こった事件だったから、業界の問題として扱われていない。当然だ。しかし、それが利用者を殺害としていたら業界の問題に焦点を当てられていただろう。

 業界の人が、その業界で事件を起こしたらやっぱり、業界の問題が取りざたされるよね。それは当然。

 警察とか、学校の先生とか、ちょっと偉い人達が犯罪犯したら、全く関係ないのに業界全体の問題として捉えられたりもするけど、そんなのと比べたら、かなりまともな取り上げられ方だと思うよ。

 そう考えると、やっぱりこれは業界の問題だし、業界として捉えていかなければならないと思う。

対策

 ボクはロボットの導入が早急になされることを期待している。

 最近ではかなりの精度で、被介護者に負担をかけない介護するロボットが増えてきている。

 この前テレビで見たロボットは、更衣介助を円滑に行っていた。この事で介護者への負担は少なくなるし、職員数も少なくて大丈夫になる。

 職員が少なくなればそれだけ一人ひとりへの待遇を厚くできるから、現在のように猫の手も借りたい状態だから、誰でも良いので来てくださいってところから、しっかり介護に携われる人だけを雇うことができるようになる。

 現在のロボット技術は本当にすごい。かなり進んでいる。将棋ではプロ棋士に勝ち越すし、自動運転も間もなく実用化されるだろう。

 このロボットがいち早く介護業界に入ってくることで、現在業界が抱える多くの問題が解決されるのではないかと思っている。

まとめ

 で、お前の意見はどないやねん?って感じになってしまった。

 ボクは殺人は決して許さない。だから、犯人に同情の余地もないし、情状酌量も無く罰せられることを望む。もし例外があるなら依頼殺人だったケースだけど、それは今回当てはまらないから、やはり犯人が悪い。

 でも、業界として全く問題がないかと言われれば、それも違う。業界も悪い。

 今回のケースは介護職員と利用者という、介護関連殺人としては少数派の問題だったとはいえ、介護関連殺人は殺人全体の7%を占めているわけだし、高齢者の殺人に限って言えば2割を超えているのだ。

 これは業界全体、いや、それだけではなく国として早急に対策すべき問題である。

 安倍政権は介護離職ゼロを目標に活動を始めているが、それがそのままこの問題の解決策だとは思わない。ボクはロボット業界への支援こそ、この問題を解決する糸口だと思うけどね。

 ま、方法は何でも良いけど、早急な対策をしないといけないし、ボク達も業界に携わる人間として、自分たちの問題として捉え対策していかなければいけないと思う。

 是非、これを読んだ方も自分事として捉えて、対策案を考えてみて欲しい。

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