雑記

作業療法士がやるべきだった、奪われた7つの職域とは?

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 作業療法士の歴史は日本において50年だ。これは理学療法士も一緒。

 言語聴覚士は1999年に国家資格になったから17年、ケアマネジャーは介護保険と同じ年数で16年。看護師は約100年の歴史を持つ。

 こう見ると理学・作業療法士は日本の医療・介護職の中では比較的古い職種なのか?とも思える。

 さて、その50年でもボク達の職域というのは変わってきた。それはボク達が利用している教科書にも現れたりしている。

 今回は、本来ボク達がやるべきだった(あるいはやっていた)奪われた職域について書きたいと思う。

作業療法士が奪われた職域について

 いくつかあるので紹介したい。

  1. 摂食・嚥下
  2. 高次脳機能
  3. 小児に対する教育
  4. ケアプラン策定
  5. メンタルヘルス
  6. 介護予防
  7. 介護指導

 以下、詳細を解説したい。

1.摂食・嚥下

 クライアントには摂食・嚥下に問題を抱える人がしばしばいる。

 接触時の姿勢から、スクーピング、捕食くらいまでは今も作業療法士の役割だろうか。しかし、咀嚼・嚥下に関してはどうだろう。

 言語聴覚士がいる施設では言語聴覚士の仕事になっているだろう。

 これは作業療法士がやっていた仕事を奪われた形だ。何故奪われたか?

 答えは簡単で、作業療法士がやらないからである。もっと大事なことがあったと言えばそれまでだが、専門職として確立して50年。10年後の存在価値が危ういボク達の状況を当時の作業療法士が知っていたらこのような事にはならなかっただろう。

2.高次脳機能

 摂食・嚥下に比べるとまだ作業療法士が関わっているケースが多いと思うが、この領域も言語聴覚士に奪われている領域だ。

 失認・失行に関してはまだ作業療法士なのかな?病院に勤務してる人教えて?

 でも、言語聴覚士よりも高次脳機能に関する知識を持っている作業療法士が減っているのは間違いないだろう。

3.小児に対する教育

 小児施設には保育士がいる。これは昔から。でも、保育士は保育する存在であり、教育者ではない。

 もちろん養護教諭がその担当だったわけだが、学校へ通えない生徒も昔は沢山いた。で、担当していたのが施設の作業療法士だ。

 作業療法士は発達をサポートするリハ担当者としてだけではなく、子どもの教育者としても存在していた。

 人間関係の構築や国語や算数など、普通子どもたちが学校で学ぶようなことも作業療法士が教えていた。

 だが、今これも言語聴覚士に奪われちゃってる、あるいは保育士に奪われちゃってる施設が多いんじゃないかな?

4.ケアプランの策定

 介護保険が成立するまで、介護はなかったか?いやいやありましたよ。もちろん。

 で、クライアントの介護プランを立てていたのは作業療法士だったわけです。もちろんSWなども関わっていたと思うが、作業療法士も関わっていただろう。ボクは残念ながらその時期を知らない。

 ボクが作業療法士になった時には既にケアマネジャーという仕事があった。当時は理学・作業療法士がケアマネジャーの資格をとっている人も多かったが最近は随分減ったんじゃないかな。

 ケアプランに疑問を持っている作業療法士も多いようだけど、そもそも自分たちの先輩が仕事を怠ったことが原因だと思えば仕方ないと思えるかな?

5.メンタルヘルス

 10年前に臨床心理士など社会的地位は無いに等しい職種だった。今でも国家資格ではないが、近々国家資格が生まれる。

 精神病院や、普通病院の心理面のケア、企業や学校の所属者(社員や生徒)のメンタルケアを行うのが仕事である。

 精神科患者への心理ケアなんて作業療法はじまりとも言える分野であり、唯一の理学療法士と一線を画する分野である。それを心理士に奪われるかもしれないなんて…。もはや作業療法士に職域は残されているのか?と思ってしまう。

 既に奪われているとは言えないが、既存の作業療法士はもっと主張していく必要がある分野だろう。

6.介護予防

 この業界に関しては既に奪われているとは言えない。しかし、近い将来奪われるだろう。

 誰に?エアロビとか、フィットネスのインストラクターにだよ!!ありえねぇ…。

 でも仕方ない。この領域で働いている作業療法士なんてほとんど居ないんだから。

 ボクも整体という分野で介護予防・ヘルスプロモーションに関わっているが、何しか数が少ない。理学療法士って面で見ても数が少ない。少数派である。

 ボク達はもっと積極的に関わっていかなければ、そのうち介護保険分野から追い出されるかもよ?

7.介護指導

 適切な表現が見当たらなかったから介護指導とした。

 そもそも論だが、なぜリハビリテーションは必要なのか?

 リハビリテーションの主目的は『権利の再獲得』である。権利が再獲得できるならば方法はなんだって良い。

 つまり、機能・能力が回復できなくても、行為や参加が可能であれば権利は奪われていないことになり、リハビリテーションの必要性が消えることになるだろう。

 その対局にあるのが「介護職種」である。リハで対応しきれない部分を介護にお願いする。で、その介護の質とか、介護へのリハ要素の取り込みの為にボク達は介護指導を行う。逆に言うと、介護が充実すればリハビリテーションは必要なくなるかもしれない。

 ボクは当ブログで何度か書いているが、ボクが障害を持った時のニーズは『娼婦による24時間対応の介護』である。(あぁ、また女子に嫌われる…。)

 でも、仕方ないよ。ボクは男の子なんだから。こんな欲望を常に抱いている。笑

 いやまぁ、娼婦による…とかは無理だよ。でもね、歩かせてくれるなら、歩けなくても良いって思う人は少なくないんじゃないかな。

 ボクが担当したおじいちゃんも「歩く練習なんて無意味、車いすで不自由ないし、車いすの方が早いし、車いすの方が楽」って言っていた。つまり、リハ必要なし。

 でも介護はきつくて給料安いから、今も人手不足で大変。また、人によって、熱意によって介護力に差が出ているのが現状。でも、そんな問題も近々解決するだろうね。

 だって介護ロボット最近やべぇよ?ロボットにとって変わられる仕事と残る仕事ってあって、作業療法士は残るって言われているけど今のロボットの介護力見てたらやばいよね。ALってやばいよね。

 多分人間以上に気の利いた話し相手になる日も遠くないと思う。え?あんたより気の利いた話相手がロボットに務まるんだったらあなたの存在意義って…ってならないようにしないとねぇ…。

まとめ

 何か最後の方の項目みてると、リハってモチベーションの高い、自分のことは自分でやらないと気が済まない気難しい人向けのニッチなツールになっちゃうよね。

 気難しい人は介護のお世話にならないように介護予防に取り組むし、メンタルヘルスに取り組む。障害を負ったらリハ。

 でも、大半の人はできる限りケアして、障害を負ったらしゃーなしでロボットに依頼。介護ロボットの需要が増えたら、単価も安くなって安くレンタルとかできるんだろうね。

 それこそ介護保険料は今人間の介護に払われているけど今後ロボットに払われるかもね。ロボットに社会的地位が認められて、ロボットが支配する地球。

 SFで描かれた未来があながち嘘じゃないかもよ。

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