こんにちは。作業療法士の中野です。
先週ボクが参加していた研修会というのはPNF3という、ベーシックコース(1+2)というコースの一つレベルアップしたアドバンスコースの一つとして位置している研修会だった。
今回も見事に作業療法士はボクだけだった。前回もボクだけ。
その他、勉強会でもOTはいない。
同じ研修会に参加していたPT二人と研修会のラストにあるテスト勉強をしている時も、「療法士が○○する」という部分を「PTが○○する」と言っていた。だから、ボクは「いや、OTもあり得るから!」とツッコんでやった。
ワイルドだろぉ~?って、全くワイルドじゃない。それくらいPNFを学ぶのはPTだっていう認識なんだろね。
ボクが変人なのだ。ワイルドじゃなく。
でも、ボクは全くもってワイルドでも変人だとも思っていない。作業療法士こそPNFを学ぶべきだと思う。
PTは良いよ。先輩で知っている人も多いだろうし、構造レベルへのアプローチは得意だし、何なら授業でも学ぶだろうし。
OTは学んだ方がいいよねぇ。これは色んな面からそう思う。
今回は、PNFを学んでいる作業療法士として、作業療法士こそPNFをがっつり学ぶべき理由についてシェアしたいと思う。
あなたは作業選択に明確な根拠を持っているか?
作業療法士各人に問いたいのだけれど、その作業選択に明確な根拠はあるだろうか?
例えば、『一人でトイレに行きたい』という要望に対して、提供する作業がトイレでなければならないといことは何もない。
他の作業を提供して、トイレができるようになるならそれでもいいわけだ。実際の作業そのものを用いなければいけないといルールはない。
今日、MTDLPの演習に参加してきた。参加したことのある人なら、同じ『新藤まり子さん』というデモケースを元に演習しただろう。
で、多くの方が調理や、園芸・畑仕事ってのを目標に上げることになる。
まぁ、それは良い。ボクもそうだったしね。
ただ、ボクが調理を目標に挙げた理由は他の皆とちょっと違う。調理を通じて、他のADL向上が可能だと考えたからだ。
つまり、ボクは目標とする作業を、他の多くの(クライアントにとって必要且つ重要な)作業へ波及する作業でなければいけないと考えている。
で、ボクが調理は他の作業に波及するよ!って言ったら参加者の一人は「そうかなぁ?」と言った。それも間違いじゃない。だってそういう考え方をした上で提供しなければ波及しない。
分かった上でなら波及させられるのだよ。
いやぁね、目的とする作業が遂行できるようになるなら、作業療法士が提供する作業はなんでもいいわけですよ。クライアントのモチベーションが保てて、クライアントのいい部分(強み)を利用できて、クライアントの障害が邪魔にならない作業を利用して、目的とする作業遂行が可能になればいいじゃないっすか!
一つの作業を提供することで2個も3個も作業遂行が可能になれば良いじゃないっすか!
ボクはそれこそ作業療法士の腕の見せ所だと思うんだけどな。
PNFで学ぶ知識や技術は作業選択の根拠となる
前置きが長くなったけど、目的となる作業を、治療用作業として選択することは根拠でもなんでもない。
この作業を目的とするから、この作業を用いますってバカか?って思う。そんなん幼稚園児でも作業療法士になれますがな。
違いますよ。
目的とする作業を遂行するのに、一番確実で、一番効率的だからこの作業を選びます!ってのが作業選択の根拠なのよ。
でね、PNFを勉強することはその作業選択に根拠をもたせる上でメッチャ勉強になる。
PNFの考え方に触れれば気付いてもらえると思うけど、ボクは数日間の研修で作業療法士としてメチャメチャ成長したと思う。それはやっぱり作業選択能力が向上したと思うから。
作業選択を間違わなければ作業療法効果に間違いはないはずであって、ボク達は作業療法士として常にその能力を向上させるべきだ。
PNFはその能力を格段に上げてくれることを保証したい。
作業療法士がPNFを学ぶには?
ボクが知っていることを伝えるには限界があるから、このブログでそのイロハを伝えることはできない。ボクは実践者であり指導者ではないからだ。
残念ながら、今の国際PNF協会の規定では作業療法士は指導者(インストラクター)にはなれない。もちろん身内に簡単に伝えることはできるので、このブログの読者である近所の人は連絡してね。
理学療法士のインストラクターに習う必要があるのだけれど、今活動している日本の国際PNF協会認定インストラクターは4名しかいなくて、コースは東京が大半なので難しいかもだけど、是非休みとってお金確保して参加してほしい。
いきなりコースは大変!って思うかもだけど、授業で習わないボク達はコースで一から学ぶのが良いよ。コースの時間とお金が厳しければ、東京・大阪・福岡で開催されている日本PNF協会の勉強会もありかな。周囲が理学療法士ばっかりで疎外感満載になるかもだけど勇気があるならどうぞ。
ちなみにコースや勉強会を開催している機関を紹介しておくね。
参考:
あんまり意味がないと思うけど、教科書としてはこれ。

- 作者: スザンヌ・ヘディン,市川繁之
- 出版社/メーカー: 医歯薬出版
- 発売日: 2012/02
- メディア: 大型本
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- 作者: ヒルデ・サビーネ・ライヒェル,市川繁之,タオデス江利子
- 出版社/メーカー: ガイアブックス
- 発売日: 2013/12/25
- メディア: 単行本
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でもねぇ、難しいのよ。いや、コースを受けたボクならよく分かるんだけど、コース受けずに本だけで学ぶのはやっぱり難しい。
でも、最近上で紹介したヒューマンコンディショニングPNFセンターの市川先生(日本で唯一の国際PNF協会認定アドバイスインストラクター)が最近書かれた本は介護者向け、家族向けなので分かりやすい。

イラストでわかる 寝たきりにさせないPNF介助術 ~家庭でできるリハビリテーション~
- 作者: 市川繁之
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ボクもコース中にAmazonでポチって帰ってきてから読んだけど、一日で読みきれる分かりやすい内容でイラストも分かりやすいのでありかなぁと思う。
でも、絶対コース受けたほうが良いよね。
とまぁ、同じような理由でボクは今年ボバースのコースも受けてまいる。
まとめ
ボクは作業療法が好きで、作業療法の考え方がボクのコアにある。作業療法に発展して欲しいし、作業療法士が多くの人をハッピーにする存在になってほしい。
だから、臨床だけでなく、教育にも研究にも興味ある。
でも、ボクのライフワークになるのは教育なんだろうなぁと思っている。伝えるのが好きだから。だから、今はボクが吸収するタイミング。
土台が無ければ伝えられない。
仮にインストラクターになれなくてもPNFは追求してみる。PNFだけじゃなくて、作業療法士が作業療法士として社会的地位を上げ、クライアントをハッピーにするという自信を持ち、日々取り組めるようになるためにボクは貢献したい。
作業療法士の新しい形は常に模索したいし、古い形も大事にしたい。
でもまだまだ発展途上。だから指導する立場にはないが、こうやって勉強する過程をシェアすることも大事かなぁと思っているのでブログってのは素晴らしいツールだと思う。
今後も多くの作業療法士にとって役立つ内容をシェアしていきたいと思うので宜しくお頼み申す。
追伸…PNF関連記事まとめ
以下にPNF関連エントリーをまとめたので興味のある方は合わせてお読みくださいまで。
参考:PNF(固有受容性神経筋促通法)に関するエントリーまとめ

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