訪問看護・リハ

訪問看護ステーションを開設する際に法人の定款に書くべき事(2016年版雛形)

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 ボクは3年以上、完全に臨床から離れている。研修会で障害のある利用者さんのリハをさせて頂いたことはあったが、お金を頂いての作業療法は提供していない。

 そんなボクでも一応基礎はあるから、訪問看護ステーションを設立したらしたで、すんなりとリハを提供できるだろうと思っている。

 高をくくっているだけだ!と思われるかもしれない。もちろんそうかもしれないが、それはやってみないと分からない事だから今どうこう言えない。

 ただ、ボクを悩ませたのは、臨床に対する知識や技術不足による不安ではない。それは、法律や制度があまりに変わっていて、それを復習することの大変さだった。

 訪問看護ステーション開設に当っては関連法規や制度についても詳しく知っておく必要があるのだが、その復習のお陰で肩がこってしまうほどだ。

 訪問看護ステーション設立において一番最初にすべきことは法人の設立である。既に法人をお持ちの方は訪問看護事業を行えるように定款を書き換える必要がある。で、その定款の作り方、書き換え方を間違うと訪問看護事業の申請ではねられてしまうのだ。

 修正には手間もお金もかかるので慎重にいきたいところである。

 専門家に頼むのが一番良いが、今回ボクは自力でやることにしたので、定款の事業目的の部分についてシェアしたいと思う。

定款とは?

 定款は法人設立にあたり、その法人の様々な取り決めや決定事項が書かれた組織活動の根本規則である。その定款は法人設立時には必ず必要であり、その大半の部分は『定款 雛形』とGoogleで検索すれば埋められる。

 Google先生に頼っても大変だったのが定款の中の『事業目的』の部分だ。

事業目的とは?

 事業目的は、その法人が行う事業について列挙する部分だ。法人は定款で定められた事業以外の事業で収益を得てはいけないという法律がある。

 だから、飲食店を営む事業とだけ書いているのに、物販してはいけないし、整体をしてはいけないというわけ。

 事業規模を広げたり、類似事業、別の事業へ事業拡大する際には、都度定款を修正する必要が出てくるから、設立時に予め行う可能性がある事業に関しては定款に盛り込んでおく必要があるだろう。

 ボクの場合、訪問看護ステーションに加え、ケアマネージャーによる居宅支援事業、整体事業、また介護保険周りの関連自費事業と、コンサルティング業務もおいおい行っていく予定なのでそれらも定款の事業目的に盛り込んでおく必要があるのだ。

訪問看護ステーションを行う上での事業目的

 先にも述べたように、訪問看護ステーションを運営する旨を定款の事業目的に記載して置かなければ申請時にはねられる。

 訪問看護ステーション設立する目的であれば、定款の事業目的には以下のように記載すれば良い。

  1. 介護保険法に基づく訪問看護事業
  2. 介護保険法に基づく介護予防訪問看護事業
  3. 前各号に附帯する一切の事業

 これだけあればOK。介護認定を受けていないクライアントに対する医療保険での訪問看護は?と思われるかもしれないが、介護保険に基づく訪問看護及び予防訪問看護事業の申請をし、認可されると自動的に医療保険での訪問看護事業もみなし認可されるのでこれで大丈夫。

 訪問リハビリテーションは?と思われた方。訪問看護ステーションから理学・作業療法士が訪問するリハビリテーションは訪問看護として訪問するのでこれだけで大丈夫。訪問リハビリテーション事業というのは医療法人が設置可能な訪問リハビリテーション事業所からのみである。

 さて、それだけでも良いが、ゆくゆく機能強化型訪問看護ステーションにしていきたいと思っておられるなら自社でケアマネージャーを雇用し、居宅支援事業所としての申請も必要だ。すると、定款にはさらに

  • 介護保険法に基づく居宅支援事業

 また、同時に訪問介護だったり、デイサービスも同時に行う時には以下の様な項目を付け加える必要がある。

  • 介護保険法に基づく訪問介護事業
  • 介護保険法に基づく介護予防訪問介護事業
  • 介護保険法に基づく通所介護事業
  • 介護保険法に基づく介護予防通所介護事業

 そしてあれも、これもと付け加えていくととんでもない量になる場合がある。そこで、これら項目をひとまとめにできると便利だろう。都道府県によっては可能だとのことなので一度各自治体に確認してみると良い。ちなみに、大阪市の場合はおまとめ可能だ。

 だから訪問看護とその他関連事業をやるなら以下の項目で大丈夫。

  1. 介護保険法に基づく居宅サービス事業
  2. 介護保険法に基づく介護予防サービス事業
  3. 介護保険法に基づく地域密着型サービス事
  4. 介護保険法に基づく地域密着型介護予防サービス事業
  5. 介護保険法に基づく居宅介護支援事業

定款記載事項の例

 以下、介護保険の周辺サービスでひとまとめに記載できない場合の少項目を列挙しておく。ご自身でされる事業・する予定のある事業、しないかもしれないが念のため色々盛り込んでおく方が良いだろう。

■介護保険法に基づく居宅サービス事業

  • 訪問介護
  • 訪問入浴介護
  • 訪問看護
  • 訪問リハビリテーション
  • 居宅療養管理指導、通所介護
  • 通所リハビリテーション
  • 短期入所生活介護
  • 短期入所療養介護
  • 特定施設入居者生活介護
  • 福祉用具貸与
  • 特定福祉用具販売

■介護保険法に基づく介護予防サービス事業

  • 介護予防訪問介護
  • 介護予防訪問入浴介護
  • 介護予防訪問看護
  • 介護予防訪問リハビリテーション
  • 介護予防居宅療養管理指導
  • 介護予防通所介護
  • 介護予防通所リハビリテーション
  • 介護予防短期入所生活介護
  • 介護予防短期入所療養介護
  • 介護予防特定施設入居者生活介護
  • 介護予防福祉用具貸与
  • 特定介護予防福祉用具販売

■介護保険法に基づく地域密着型サービス事

  • 夜間対応型訪問介護事業
  • 認知症対応型通所介護事業
  • 小規模多機能型居宅介護事業
  • 認知症対応型共同生活介護事業
  • 地域密着型特定施設入居者生活介護事業
  • 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護事業
  • 複合型介護事業
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業

■介護保険法に基づく地域密着型介護予防サービス事業

  • 介護予防認知症対応型通所介護事業
  • 介護予防小規模多機能型居宅介護事業
  • 介護予防認知症対応型共同生活介護事業

■介護保険法に基づく居宅介護支援事業

  • 居宅介護支援事業

 その他障害者福祉に関するサービスを提供したいなら以下の項目も参考にすると良いだろう。

■障害者総合支援法に基づくサービスを行う場合

  • 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障害福祉サービス事業
  • 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく特定相談支援事業
  • 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく一般相談支援事業
  • 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく地域生活支援事業

■児童福祉法に基づくサービスを行う場合

  • 児童福祉法に基づく障害児入所施設を経営する事業
  • 児童福祉法に基づく障害児通所支援事業
  • 児童福祉法に基づく障害児相談支援事業

その他の事業

 例えば、ボクは整体サロンの運営もしなくてはいけないので、『整体院の運営と関連する事業』という項目を入れる。

 喫茶店をするかもしれない、託児所を作るかもしれない。

 介護や障害者福祉としてだけではなく、法人のコンセプトや関連する事業に関しては最初から定款に盛り込んでおくようにしよう。

まとめ

 今回は2016年1月時点での法律に基づき定款を作成するなら…ということで書いている。今後ボクがこれを修正するかはわからないが出来る限り修正もしようと思う。

 定款が間違っていると申請をはねられて心を折られる羽目になる。

 是非とも慎重に、そして余計なものも含めて盛り込んだ定款を作成してほしい。

追伸…訪問看護ステーション設立を決めたら…

 当ブログでは、ボクが訪問看護ステーション開設を決めてから申請までの行動をブログでまとめている。

 これから本気で訪問看護ステーションの開設を目指している人は参考にしてもらえたら幸いだ。

参考エントリー:訪問看護ステーション新規立ち上げ!想起から申請までの流れ

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