雑記

理学療法・作業療法はサービス業か?についての個人的見解

 こんにちは。作業療法士の中野です。

 昨年の話になるが、リハビリテーション(というより、理学療法・作業療法)はサービス業か?というような話題をfacebookかTwitterかで見かけた。

 ボクは理学療法・作業療法はサービス業だと思っているが、その見かけた内容はサービス業だったら、クライアントは患者様、利用者様、お客様であり、「またのご利用お待ちしております。」って言わないといけないだろうが!!と仰っていた。

 まぁ、確かに大半のサービス業はお客様がいらっしゃることによって商売が成り立っているし、お客様には何度も来て頂いた方がありがたいだろう。しかし、ボク達の業界はお客様に何度も来て頂くことはお客様側からしたら残念なことだし、ダメなことだろう。

 だから、理学療法や作業療法はサービス業じゃないと。

 おっしゃっていることは分かるんだけど、いやいや、それでもやっぱり理学療法や作業療法はサービス業だと思うし、クライアントにはホスピタリティを持って関わるべきだと思うので、ボクの見解について書きたいと思う。

サービス業を捉え違えてはいけない!

 そもそもサービス業とは何ぞや?流通用語辞典によると以下の様に書かれている。

 無形財の販売業のこと。内容は多種多様であり、特に最近では新たなサービス業の出現およびその成長が著しい。

 情報提供をめざした情報サービス業、家事や雑事一般を代行する代行サービス業などがあり、サービス業の発生とその成長は、時代を先取りし、時代を映す鏡であるといえる。

 サービス業隆盛の背景には、家計のサービス化のことばに代表されるように、教養・レジャー費などのサービス支出の増大や主婦就業率の上昇による家事労働の外注化がある。(引用元:Weblio辞書さん)

 『無形財の販売業』という分かりやすく端的な言葉で表現されている。理学療法や作業療法は無形財を販売している。

 つまり、サービス業であると言えるだろう。

理学療法や作業療法は人の不幸の上に成り立っている商売である!

 『サービス業』というものの定義から考えればボク達の仕事はしっかりとサービス業である。

 そして、サービス業の本質は、患者様だとか、お客様という顧客の呼び名で決まるものじゃなくて、如何に顧客を喜ばせるか?サービスに対する満足度を高めるかが重要である。つまり、ボク達は『お・も・て・な・し』の心を持ってサービスを提供しなければいけないのだ。

 「お客様、またお越しください。」ってのは単なる挨拶であり、サービス業の本質ではない。

 『お客様、今日のサービスにご満足頂けましたか?ご満足頂いていたら幸いでございます。」という心が大切なのだ。

 恐らく冒頭に挙げた例の方は、ボク達の商売の本質を分かっていないと思う。

 ボク達の商売は、顧客の不幸の上に成り立っている。しかし、それはサービス業に限らず多くの商売に言える事だ。

 商売とは、人の不幸やイライラ、欲求不満を解消する為にある。

 風俗業はモテない、パートナーのいない人の性欲の解消サービスとして成り立っている。本来ならパートナーとの関係性において解消できるのが健全だろう。だけど、それが出来ない『不幸』の上に成り立っているし。

 風俗嬢は「また来てね♡」って言うかもしれないが、それはそのお客の不幸が継続している事を意味しているだろう。

 コンビニもそうである。コンビニの店員さんはバカの一つ覚えかのようにお客が店を出る時に「またお越しくださいませ〜」という。しかし、コンビニは、家に帰っても晩ごはんが用意されていないという不幸や近くに遅くまで開いているスーパーがないという不幸、自炊するという余裕がない不幸の上に成り立っている。

 つまり、便利とは不幸の上に成り立っているのだ。

 ボク達はお客様の不幸を変えられない。つまり、障害を負ってしまった、病に冒されてしまったという事実は変えられない。しかし、その中でも不幸中の幸いを提供するのが仕事である。

 もちろん、その不幸が一時的な場合と長く続く場合があるだろう。

 普段はコンビニなど使わない人が1週間の出張中は仕方なくコンビニで夕食を済ますかもしれない。それは宿泊先のホテルに自炊の環境が整っていないという不幸や、仕事が終わる時間には目ぼしい店が全て閉まっているという不幸かもしれない。しかし、この人の不幸は一時的だ。

 毎日のように仕事が深夜になる為にコンビニしか選択肢のない人は継続的な不幸に陥っているだろう。

 不幸の持続時間は人によって、状況によって違うが、サービス業の根本は人の不幸の上に成り立っているということであり、それは理学療法士・作業療法士にとっても代えがたい事実であるということを知っておかなければならない。

まとめ

 定義から見ても、サービス業という仕事の成り立ちから見ても、ボク達の仕事は列記としたサービス業であり、クライアントをお見送りする際に「お大事に」とか「また来週伺いますね」とか「明日も頑張りましょうね」とかどんな挨拶を交そうが、ボク達の仕事はそのクライアントの不幸の上に成り立っている事を忘れてはいけない。

 誰かが不幸を味わってくれているからボク達は飯が食えているのだ。

 だからこそ、ボク達はより質の高い技術とホスピタリティの精神でクライアントと接することが必要なのだ。

 誰よりもあなたで良かったと思われる努力を決して怠ってはいけない。

 ボク達の仕事はそれくらい尊いサービス業だと思う。

リッツ・カールトン 至高のホスピタリティ (角川oneテーマ21)

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