哲学・科学・理論
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『マネーボール』エビデンスとナラティブの重要性を知れる良い映画だ

 こんにちは。作業療法士の「なかの」です。

 相変わらずHulu廃人を続けている。英語力が上がっているのかどうかについては定かではないが、未だに字幕無しで内容を理解するには至らない。

 ま、焦らずじっくり慣らしてやることが目的だし、ボク自身が楽しんでいるからそれでいいとしよう。笑

 さて、一通りめぼしい海外ドラマが見終わったボクは映画に目を向けている。

 で、手始めに見たのがタイトルにあるマネーボールだ。野球好きなら間違いなく入り込めると思うし、野球好きじゃなくても内容が面白いからありな作品だと思う。

 んで、この作品の内容はボク達がエビデンスベースでセラピーを提供することの意義、そしてそれだけでもないっていう両面を教えてくれる良い映画だと思ったので紹介したいと思う。

マネーボールのあらすじ

 2000年代初頭のメジャーリーグが舞台。当時は金銭的に裕福な球団(ヤンキースなど)が、豊富な資金力で有力な選手を抑えて勝ち、その他のチームは低年棒の能力の劣る選手を掴まされて大差で負けるというのが常態化していた。

 そんな中弱小球団のアスレチックスが後にマネーボールと呼ばれるセイバーメトリクスという手法を用いて、2002年には勝率で1位を獲得する。

 その手法を用いたGM(ゼネラル・マネージャー:日本で言うところの球団社長)であるビリー(ブラピが演じる)が徹底的なデータ収集と統計処理、野球の勝ち方を分析し、ヤンキースが1勝に対し大金を叩いているのに対しアスレチックスは遥かに低いコストで達成する手法に対しての賛否が描かれた物語である。

 2008年に書籍化され、2011年に映画化された。

マネー・ボール〔完全版〕 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

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野球には勝ち方がある

 野球は点数を競うゲームだ。点数はヒットの数やホームランの数にも影響するが大切なのは出塁率であり、27個のアウトを如何に効率的に取るかが重要なスポーツだという『勝ち方』の方程式から、選手の出塁率やアウトになるシーンを徹底的に分析。

 その上で、統計上勝ち方に見合う且つ年棒の低い選手をピックアップして取得、勝ちにつなげていたのがこのマネーボールの手法だ。

 これは医療やリハビリテーションにも言える部分があるのではないだろうか。

 症状や障害には『治し方』があり、その方程式から自分の使える能力をピックアップし治療するのだ。

 つまりエビデンスベースの考え方である。

 症状や障害を徹底的に分析しなければ導き出せない方程式をしっかりと出し、それの答えを見つけていく作業である。

マネーボールへの批判

 しかし、野球はそれだけで答えが出ないスポーツでもある。

 特にプロ野球はファンを喜ばせてナンボである。ファンに夢を見させてナンボだ。もちろん勝つことが重要だが、それだけではいけないのである。

 野球に詳しい読者ならご存知かと思うが落合監督が中日の監督時代チームは買っていたがファンからの人気が低かった。その事が原因で落合監督はクビになるわけだが、ファンは勝利だけを求めているわけではなかったのだ。

 リハビリテーションに目を移してみよう。クライアントは治ることだけを求めているわけではない?

 いや、そうとは言わない。しかし、同じ症状、障害を持つ人でも同じ人は一人として居ない。セラピストとの相性やコミュニケーション、信頼関係が治療効果を左右させるし、クライアントのバックボーンも治療効果を左右させる。

 セラピストは症状や障害だけを見るのではなくクライアントその人自身を見なければいけない。ナラティブベースの考え方である。

 マネーボールはエビデンスベースとナラティブベースの両方の重要性を物語っている良い映画だった。

まとめ

 エビデンスとナラティブの双方の重要性はセラピストであれば誰しもが知っているだろう。

 しかし、それを実体感できる機会はそんなにない。特に毎日を昨日の延長のようにして生きてしまうと(マンネリ化すると)特にそういう事を感じなくなってしまう。

 だから時として、こういう重要な事を体感する機会があっても良いんじゃないかなと思った次第だ。

 そして、マネーボールはそれを体感させてくれるいい作品だったので是非とも見て欲しい。(あるいは読んで欲しい)

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 で、これをきっかけにまた明日からの臨床に活力をもって取り組んで頂ければ幸いかと思う。

ナラティブとエビデンスの間 -括弧付きの、立ち現れる、条件次第の、文脈依存的な医療

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