雑記

森ノ宮病院名誉副院長PTの「紀伊克昌先生」はここがスゴイ!

 こんにちは。作業療法士の「なかの」です。

 先週の日曜日は大阪府作業療法学会があるにも関わらず、ボクはコスモスクエアという大阪市の僻地で開催されていた日本PNF協会学術集会というものに参加してきた。

 テーマはファシリテーションの真髄。

 恐らく大半の参加者が理学療法士だっただろうと思うが、ボクは作業療法士としてもファシリテーションについては知っておくべきだし、作業療法の中で活かすべきだという考えを持っているので参加を決定した次第だ。

 そして、今回の学術集会では日本のボバースのトップである紀伊先生と日本PNF協会の理事長である市川先生の各コンセプトの主力であるお二人のお話が聞けるとあって絶対的に優先して参加したのだ。

 今回は、特に紀伊先生のお話を聞いて感じた、紀伊克昌先生のスゴさについてシェアしたいと思う。

今更技術がスゴイなんて言うつもりはない

 言わずと知れた紀伊先生の技術を今更スゴイというつもりはない。

 最初に就職した重症心身障害児施設の上司はボバースの小児8週間プログラム受講者だったが、紀伊先生がちょちょっとやったら「歩けなかったアテトーゼ型脳性麻痺の子が歩けるようになった」とか色々な逸話を聞かされたものだ。そしてその上司はボバースはやる人がやるから効果的だと結論づけていた。

 今回話しを聞いて、あるいは紀伊先生の(対参加者に対しての)実演を見ても、その技術というのは眼を見張るものがあり、一朝一夕で身につくものではないことは明らかだった。

 しかし、ボクは彼のお話からスゴイのはその技術力ではないことを知ることになったのだ。

紀伊先生のスゴイ所は治療でクライアントを知る技術だ!

 これは紀伊先生がお話されていただけで、本当のところどうかは分からない。(まぁ、嘘はついていないと思うが…笑)

 治療はクライアントによって変わる。それは療法士であれば誰でも頷ける言葉だろう。

 しかし、紀伊先生のおっしゃられる言葉はもっと深い。

 紀伊先生は治療中のクライアントの反応を見ながら、そのクライアントの生い立ち(ヒストリー)が見えてくるというのだ。

 例えば、この人は昔こういう怪我をしているとかっていうボク達でも分かりそうなことから、四つ這いを殆ど経験せずに歩いたとか、両親が不仲な環境で育ったとか、クライアントの生い立ちが見えてくるのだそうだ。

 そしてそれはクライアントとの調和の中で見えてくるらしい。クライアントとの調和とは、皮膚で触れて感じるクライアントの反応、こちらからの刺激に対するクライアント反応を感じる空間というようなニュアンスのことだ。

 紀伊先生はそれらを感じ取り、クライアントのヒストリーを知ることで、クライアントに合わせた治療を行っているとのこと。

 つまり、技術力だけではなく、技術の選択力だということが分かる。

 IBITA(国際ボバース講習会講師会議)のシニアインストラクターでも腕の良い順にこれができているとのこと。

 クライアントを(深い所まで)知る技術が、治療選択のミスを減らし、治療効果を上げているのだと思った。

この技術は市川先生を見ていてもそう思う

 今年、IPNFA認定のベーシックコースを受講したが、その時の市川先生の話や実演を見ていても同じことを感じた。

 市川先生も特に患者デモを行う際に、「何でそこ!?」っていうような治療選択を行う。

 それはクライアントの深い部分について、周囲の療法士以上に見えていたからに他ならない。

 治療技術を向上させるには、やり方(方法論)だけでなく、クライアントを知る技術を高めなければ話にならないのだなぁと改めて感じた次第だ。

まとめ

 紀伊先生がスゴイという話は今まで何度となく聞いてきた。

 しかし、実際に治療場面を見たことも無いし、直接話しを聞いたことも無かったので、何がどうすごいか?は知らなかった。

 今回、初めてお話をお伺いすることになり、実演も少しの時間ではあったが見せて頂きその凄さがクライアントを知る能力だということが分かった。

 そして、その知る能力を高める為には様々な予備知識を高めなければいけないことも分かった。紀伊先生の場合はそれは解剖学・運動学の知識に加えて、神経生理学的な知識もかなり豊富で、その知識に裏付けされた実践がクライアントのヒストリーを知る能力に繋がっているのではないかとボクは推察する。

 だから、講習会中に一冊ポチった。笑

リハビリテーションのための臨床神経生理学

リハビリテーションのための臨床神経生理学

 書評は読んでから行うが、まだまだボクなんてチンケな存在だと改めて感じる良い機会となった。今後も向上心を持って取り組んでいきたいと思う。

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