予防医学

理学・作業療法士には予防医学と東洋医学を同じにして欲しくない件

 理学療法士や作業療法士はどのような資格だろうか。

 理学療法士及び作業療法士法に基き、第2条に以下のように定義されている。

  1. この法律で「理学療法」とは、身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。
  2. この法律で「作業療法」とは、身体又は精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせることをいう。
  3. この法律で「理学療法士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、理学療法士の名称を用いて、医師の指示の下に、理学療法を行なうことを業とする者をいう。《改正》平11法160
  4. この法律で「作業療法士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、作業療法士の名称を用いて、医師の指示の下に、作業療法を行なうことを業とする者をいう。

 何故、このような法律が作られたのか。それは、必要に迫られたからである。そして、そのお手本がアメリカにあり、それが理学療法士・作業療法士という職種だった。

 アメリカで実績のある理学療法士・作業療法士を国内に持ち込もうとした結果、理学療法士及び作業療法士法が制定された。

 つまり、西洋医学的な観点から(あくまでも当時)効果的だと判断されて現在に至っている。

 しかし、現在ではその効果に対して懐疑的な視点もある。それに対してボク達はエビデンスベースドプラクティスという考え方がで対応している次第だ。

 そんな状況の東洋医学や統合医療に偏るセラピストが出てきている。

 特に予防医学や開業などに興味のあるセラピストに多いようである。「理学療法士・作業療法士が東洋医学を学ぶ危険性について」でも書いたがボクの個人的見解からいうと偏らないで頂きたい。何故ならボク達の仕事のベースはあくまで科学的根拠であるべきだからだ。

東洋医学や統合医療に偏りたくなる理由

 一番の大きな理由は何だろうか。それは「話題になりやすい」からだと思う。それは一般の人々だけでなく、専門職に対してもそうだと言える。

 facebookで人気を博している反標準医療の代表とも言える某医師の友人には多くの医療従事者が含まれている。

 発言力の強弱はその発信している内容に比例しないのが実情だ。発言力はフォロワーの多さで決まり、フォロワーの多さはマーケティングの上手さで決まる。そして往々にしてフォロワーとは強い物(標準や当たり前、国家や政府、学会や協会)を否定することになびくものである。

 そしてボク達専門家さえも、大きな発言力になびいてしまうのだ。何故なら一般人がなびいている方向に答えを求めるほうが簡単だから。

日本における東洋医学への偏り

 どのような偏りがあるか。それは「あはぎ法」に制定される鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師である。

 これら資格は東洋医学がベースに制定されている。

 で、上に挙げた某氏のファンにはあはぎ法関連職種及び、無資格者が多いのだ。

 ちなみに戦後、鍼灸マッサージはGHQにより廃止されようとした職種であることも付け加えておこう。理由は科学的じゃないし不潔だから…。笑

東洋医学、統合医療の全てに反対なわけではない

 全てに反対なわけではない。そして、勉強すべき分野であることは間違いない。

 科学的根拠がなくても全てが間違いじゃないし、今も生き残っているには理由があるからだ。

 それを学び、理学療法・作業療法に活かすことは多いに結構なことである。

 しかし、偏って欲しくない。そもそも、科学的根拠がない業界だからだ。

予防医学は東洋医学や統合医療のことじゃない

 予防医学は科学的に病気や障害を予防するためにある。

 例えば、「布ナプキンが生理痛を軽減させる」などは非科学的であり、予防医学ではない。

 ボクの整体サロンブログにて布ナプキンについて(否定的見解として)言及した事があったが、それでも当サロンに布ナプキン購入についての問い合わせがたまにある。

 一般の標準医療否定論者は、都合のいいところしか読まない人が多いようである。苦笑

 しかし、ボク達専門家がそのような態度ではいけない。ボク達は常に科学的根拠に基づくよう実践するのが努めである。

 東洋医学や統合医療を勉強することは大切だが、予防医学=東洋医学でないことは知っておいて欲しいし、科学的でないことは知っておいて欲しい。

まとめ

 セラピストには是非一度は読んでおいて欲しい書籍がある。

代替医療のトリック

代替医療のトリック

  • 作者: サイモンシン,エツァートエルンスト,Simon Singh,Edzard Ernst,青木薫
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 サイモン・シン氏が書いた代替医療のトリックは、存在する代替医療に関する科学的根拠について様々なことを調べた上で書かれた書籍である。

 これを読めば、今日ボクがお伝えしたい内容についてもご理解頂けるかと思う。

 決して代替医療を否定するわけではないが、そちらに偏る時間があるなら、もっとボク達のエビデンスを強めていく方に力を入れて頂きたい次第だ。

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