実習・国家試験対策

理学・作業療法学生が評価に迷うのは「疾患名」や「病態」に囚われ過ぎているから

 実習時のクライアントの評価に悩む学生さんは多いのではないだろうか。

 ボクも「しっかり評価できるかな!?」と不安になっていたのを昨日のことのように思い出す。

 で、何でこんなに不安になるんだろう?何故「ちゃんと」できるか気になるのだろう?

 そこにはクライアントを評価するということに大きな誤解があるからではないかとボクは思っている。

 評価とは何だろうか。

 今回は、学生諸君が実習時に心にモヤモヤを抱えずに評価に当たれるようにする為の考え方についてお伝えしたいと思う。

評価とは何か?

 そもそも評価とは何だろうか。

 評価とはクライアントの状態だったり、生活を知り、どのような治療でどのような目標を達成していくべきか?この治療は妥当か?この治療の選択はベターか?などを知るために行う。

 ざっくり言うと、目標設定、治療選択、効果判定の3つの為に行うということになる。

 ボク達はクライアントにとっての「支援者」であり、クライアントの「何かしたい」を手伝う人である。だから、目標設定、治療選択、効果判定という3つを目的に評価を行うわけだが、その本質は何か。

 それはボク達がクライアントを知る為だろう。

 評価はクライアントを知るために行うものだ。ボク達は初対面の人に対して必ず評価しているし、自分のとった言動に対する効果判定を行っている。

 時には友人に対しても「支援者」という立場を取りながら目標設定をすることもあるだろう。

 つまり、友人との交友関係を築く際にも行っているのが評価である。

友人への評価とクライアントの評価の違いとは?

 では、何故友人への評価は不安にならず、しかも無意識的に行っているのにクライアントへの評価は難しく考えたり、不安になったりするのだろう。

 それはクライアントが健常者ではないからだ。

 ボク達のクライアントは病気を持ち、障害を持っている。そして、その病気や障害がクライアントの生活や人生に、更には人間性や性格にまで影響を及ぼしている可能性がある。

 その為、ボク達はクライアントを「障害者」という特別なレッテルを貼って見ているから、評価が難しくなるのではないだろうか。

 「生理的に無理」という言葉を聞いたことがある人、使ったことがある人は少なく無いだろう。大半の人が一度は触れたことのある言葉だと思う。「生理的に無理」な状態とは、その相手が持つ「何かしらの原因」によって評価を拒否している状態だ。

 つまり、この人はこういう人というレッテルを貼ってしまっているのだ。

 これと同じ状態を、クライアントに抱いてしまっている。一人の人間としてではなく、障害者として捉えてしまっているが為に生理的に無理な状態と同様の状態に陥っているのだ。

 ボク達は、病気のことや障害のことを学ぶがあまり、実は一般人よりも人一倍「障害者蔑視」をしているのかもしれない。

評価とは、クライアントを知ること

 ボク達は医療従事者であり、ボク達が学ぶ知識というのは人間の心と身体に関すること、医療制度や法律に関することなど煩雑な事が多い。ましてやクライアントの人生に関わるという責任感というプレッシャーに押し潰される仕事である。

 だから、仕方がない。難しく考えるのは当然のことだろう。

 だが、そもそもボク達が評価すべきは病気でもなく、障害でもない。ボク達が評価すべきは病気や障害を持ったその人である。

 この人が何を考え、何を感じ、どのような行動をしているのか。将来どのような人生を送りたいのか。その中でボク達が支援できる事は何か?

 人間関係において良い関係とは貢献できる関係と定義すると、対友人という人間関係においても良い関係が築けるのは貢献の心を持って評価をしているのではないだろうか。

まとめ

 ボク達は専門職だから病気のことも障害のことも、それらに対する治療方法も知ってなければいけない。

 しかし、その前にボク達は対人にアプローチする仕事であることを忘れてはいけないのだ。

 評価とは、クライアントを知るために行うものであり、病気や障害に囚われた評価はもはや評価ではなく、障害研究である。

 ボク達は常に人を相手に仕事しているということを忘れず、クライアントとの関係性の中で治療していく立場であることを忘れてはいけない。

 この内容は「脳卒中」「認知症」「統合失調症」などそれぞれで評価すべきことや準備はありますか?という質問に対して書いたエントリーだが、ボクは専門でない業界でなくてもクライアントの評価はできると思っているし、教科書を読み直せば治療もできると思っている。

 それが今回書いた内容の本質なのではないだろうか。

 病気や障害の評価は教科書に書いているし、それらは知っておかなければいけない知識ではあるが、ボク達が評価する際には参考程度にすべきものだ。

 それらを踏まえて、「その人とは?」という問いに答えていくことこそ評価であると覚えておいて欲しいと思う。

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